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9話 二者は交じり合い③

「…ここは?」

「私達の住処、地図と地図の隙間。便宜上『路地裏』って呼んでる。」

 ロイノに促されるままに、奥の広場へと向かっていく。


 そこは奇妙な空間だった。

 地面は表の道と同じような石タイル。けどその両端は壁…いや、建物の側面か背面でぶった切られていて。

 いくつかの建物の出入り口は広場の方を向いているけど、どれもいい状態には到底見えない。

 先を歩くロイノに従い、その中の1つへ。


「それで、どうしてここへ?」

 その中で落ち着いた所で、ロイノに聞く。

「私なりの信用の証というか担保というか。

 この場所を知られてたら、裏切る訳にはいかねぇだろ、ってやつだ。」

 確かに求めた条件に当てはまるものではあるけど。

「いや重いよ、思ってたより大分。」

「それくらいしかないんだよ、明かせる秘密とかそういうもんは。」

 とロイノは言った、けど。

「私としては、そのローブの内側の方が気になったんだけどな。」

 人目に付かない所でもフードを外しすらしない、そっちの方が気になってた。

「…別に見せたって、何かになるもんじゃねぇよ。

 それに…それはちょっと心の準備ができてない。

 だから、代わりにこれだ。」

 そう言って渡されたのは、茶色の布。

「これって、ロイノの同じ…?」

「それを羽織る事が、この場所に招かれた証代わりになる。

 物的な価値以上に、大事な物と情報だ。」

 確かに簡素なつくり過ぎて、逆に外じゃ見ないようなローブだ。

「分かった、受け取っておくよ。」

 荷渡しして空いた鞄にそれを詰め。

 キャンプに帰ろうと出口に向かいかけたところで、思った事があって足を止める。

「…戻りの道だけ、もっかい連れてってくれない?」

「ったく、しゃーないな。」

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