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106話 追走する既視感④
おそらく、奴も「トップ英傑」との対決を狙ってる。その上で、露骨に見せる逃げの構え。
…いいだろう。
思惑に乗った上で、超えてやる。
アクセルをかけ加速、普段なら出せない速度に。
再びの同様の攻撃、けどこちらも同じように防御、当たりはしない。
とはいえ視界の邪魔、鬱陶しい。それに読みが外れてどっかに逃げ隠れんとも限らん。
この装置の使い方も思い出してきた。
更に速度を上げる。次の手の為に。
敵の次の攻撃が見える。けど到達する前に間に合う。
建物間の隙間を埋める自動床、しかし今回は加工を加えた。
付け足した坂を使い、大きく跳ねる。
更にひねりを加えて設定する空中足場で制御を取る。
戸惑いながらも空中のこっちに狙いを定める赤霧の鎧。しかしもう遅い。
ブースターにため込んだ魔力を解放、同時に上下逆さとなった足場での制御。
鋭く降るその軌跡は、赤霧の鎧の進路に先回りする形でち着地した。
「よう、話題の悪者さんよ。
ちぃと話聞かせてくれや。」




