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英傑活動の傍らで  作者: ふぃる


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105/109

105話 追走する既視感③

 一人出発し走る「英傑の路」。

 ダーティ・ホイールのメンバーどころか、他の英傑すら人払いされていて。

 地図を見るまでもなく、黒を纏った標的は、白昼の中で目立っていた。


 久し振りに自由に走れる、なんて感傷に浸る暇なんてなく。

 けどその自由さは今の強み。長らく使ってなかったこの二輪車の機能を起動する。

 不可視の魔力の力場が広がり、周囲に点在する魔力の足場を作る装置と繋がる。


 対し、赤霧の鎧もこちらの接近に気付く。

 大きな腕の振りとともに、魔力体の斬撃が複数飛んでくる。

 狙いは雑だが数が多い。いくつかはまっすぐこちらに向かってくる。


 久し振りだが、イメージの作り方は覚えてる。

 相対位置、前方、円盤。その大きさと位置も、装置を通してイメージを伝達する。

 指定通りに生成された、光沢の壁が斬撃を防ぐ。


 一陣過ぎ、視界が改めて開ける。

 奴はまだ見える場所に居る。路地に隠れるとかそういうつもりは無いらしい。

 それはそうだろう、読みが正しければ。


 しかし見える、大きな翼の動き。

 報道には写真が無く見た目は初見だが、あれが奴の移動方法か。

 おそらく、奴も「トップ英傑」との対決を狙ってる。その上で、露骨に見せる逃げの構え。


 …いいだろう。

 思惑に乗った上で、超えてやる。

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