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104話 追走する既視感②
「どういう事ですか、説明してください。 前線一人でなんて。」
そう詰め寄ってきたのは、ニエトンだった。
「順を追って話すから離せ。時間が無い。」
出撃準備しながら、言葉を続ける。
「通信で聞いたろ、標的は例の赤霧の鎧だ。
集団での機動力で追い付くのはおそらく無理だ。今回はそれぞれ個別行動で動く。」
「でもそれじゃ、追い付いても制圧なんて──」
「それに、まだした事無いだろ、チェイス戦。」
「そりゃあ昔はやってたって聞いたけど、僕が入ってからは全然無かったし。」
「『ダーティ・ホイール』の運用形態が変わって、やらない方針になったからな。
5人は標的を囲うよう追走、逃走しようとした時に待つ形で対応を。」
そしてガレージへ向かう途中、背後からトゥワンの声も聞こえる。
「大丈夫だ、リーダーなら。」
「でも──」
「あえて言うなら、近くで見れないのが残念だな。最古参のライダーの走りを。」




