アースの日常その1
みなさん初めまして。
私はアースと申します。男性・年齢は45歳。以後お見知りおきを・・・ってのもガラでは無いのでこの辺にしておきます。
私は、アースサークル(私のサークルという意味ではありませんよ?)という名のギルドで設備の保守管理をしているギルド員です。
私自身があまり仕事をしたくないこともあり、グランド整備等は魔術機械にて自動化を進めてきました。
グランド整備等は魔術機械の正確さには人間は勝てません。
今回は、洗濯後に乾いた洗濯物を回収するための魔術機械を作成して効率化を図ろうと思います。
そのためには、上司のロイドさんに魔術機械を作ってもらわないといけません。
早速、ロイドさんの執務室に行きお願いをしましょう。
「ロイドさん、洗濯物を回収する魔術機械の設計図を作成したんですが作っていただけませんか?」
「それってギルド予算使ってまで必要?」
「他の仕事をしてて洗濯物の回収を忘れたり、雨が降ってるのに気が付かずに再度洗濯の必要がなくなると思いませんか?」
「確かに他事してると忘れるよなぁ、予算使うかは考えておくから設計図は置いといてくれる?」
「わかりました。よろしくお願いいたします。」
私は言われた通り、ロイドさんの机の上に設計図を置いて退室をしました。
ロイドさんは魔術機械の製作者として1流でその制作方法や理論を学会で発表しており、その道では有名な方です。
洗濯物自動取込機(仮)の設計図をロイドさんに渡しつつ、グランドで鍛錬してるギルド員をのんびり眺めます。(魔術機械のおかげで私の作業が減り仕事の拘束時間が少なくて助かります)
私の住む世界では、剣等の近接武器や弓等の遠距離武器。銃や魔術も存在します。
グランドで鍛錬しているギルド員は、それぞれの武器で鍛錬しています。まぁ、最初から達人には誰もなれないので当然ですね。
眺めていると、最近ギルドに入ってきたシンさんが剣の鍛錬をしているようです。
シンさんは、剣と魔術の両方を使える魔術剣士との事で入団時に結構話題になっていたので覚えています。
シンさんは、剣の型の練習をしているようですが何かと戦ってるように見えるのが凄いですね。
シンさんの訓練が一区切りしたみたいなので水を差し入れしましょう。
「シンさん、型の練習ですか?精が出ますね。良かったらどうぞ。」
「アースさん、ありがとうございます。」
「ギルドは慣れましたか?」
「人間関係的にはまだまだです。でも、練習場は整備されてて訓練がしやすいです。」
「設備の保守管理の人間としては、その言葉は嬉しいですね。グランドは魔術機械で整備してますので訓練は思いっきりやってください。」
「グランドの状態を気にせず訓練が出来るのは助かります。ただ、剣と魔術の連続技が微妙なんですよね。」
「連続技ですか?」
「連続技として考えているんですが、繋がりが悪いんですよ。」
「少し見せていただいてもいいですか?」
「別に構いませんよ」
シンさんは、連続技をグランドにある人型の的にやってくれるようです。
人型に突進しつつ剣を振り下ろし、振り下ろした状態でバックステップをしつつ炎弾を1発撃ち離脱。それから炎球の追撃。そして炎球の煙幕がはれる前に飛び込んで剣で1撃を加えて更に炎弾と続くんですね。
「なるほど、確かに技が単発で続いてるような感じですね。」
「そうなんですよね。」
「剣と魔術はどちらが得意なんですか?」
「どちらかというと剣ですね。」
「では、バックステップ時の魔術は炎弾ではなく炎壁にして距離を取ってから時間をかけて攻撃魔術を使うのはどうですか?」
「なるほど。少し練習してみます。」
シンさんの連続技が良くなるといいなと思いつつ、そろそろ仕事に戻るとしましょう。
「シンさん、申し訳ないのだけどそろそろ仕事に戻るので失礼します。」
「わかりました。連続技の案、ありがとうございます。」
シンさんと別れつつ、そろそろ保守管理の仕事をするとしましょう。