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魔法って便利だなぁ



 ルーカス兄上とジークが来てくれた次の日。


 俺は早速魔法の練習!!・・・とはいかなかった。

 なんでも再来月ある兄上主催のお茶会に俺は招待されているらしい。

 で、お茶会とは言っても主催は王太子だからそこそこの人数が来るみたいで。それに出席するからには最低限のマナーは覚えなきゃいけないんだそうだ。



 正直やだ、超めんどくさい。



 いやだってこちとら前世が生まれも育ちも平々凡々な庶民ですよ?

 更に今世は離宮に閉じ込められた5歳児ですよ?

 更に更にその5年間兄上達とメリー達以外に人と接する機会ゼロですよ?


 これぜーったい人見知り拗らせてるって!自信あるもん!!

 そんな状態で大勢の人と接しろとか無理だって!マナーとか社交とかやだ〜、めんどくせ〜、欠席した〜い!!


 ・・・無理だけど。



 そんな訳で今日から午前中と食事時はマナー講座となりましたとさ。


 で、午後が勉強と魔法練習。

 この勉強は今までもちょこっとしてて、フリッドとメリーが読み書きなんかを教えてくれてた。

 だけど、今日からはなんと!大量の教科書があります!!ルーカス兄上が使っていた、母さんのメモ付き教科書!!


 昨日の夕方、カール達が持って来てくれた時は驚いたなぁ。だって目測で横幅60センチ×高さ180センチくらいある本棚が教科書で埋まった。というか本棚ごと持って来た。しかもこれで全部じゃない、だと?

 嘘でしょ、王族ってどんだけ勉強しないとダメなんですか?泣いていい?



 なーんて、気が重〜くなりながら教科書を一冊取って読んでみたら・・・めっちゃくちゃ分かりやすくて面白かった。

 教科書じゃなくてメモが。


 注目すべき点、分かりにくい箇所の解説、他との関係性やちょっとした裏話などなど。

 それら全てが子どもでも理解出来るように分かりやすい言葉で書かれている。


 メリーが話してくれたんだけど、母さんの目指していた職業は教師だったらしい。

 叶える前に王妃になっちゃったけど、きっとその夢を捨てきれなかったんだろうな。教師としての熱意が、メモから伝わって来る。



 『学問はとっても面白い!

 知らないことを知れることは、理解出来ることは楽しい!

 それを子ども達に知ってほしい、感じてほしい!』



 おかげですっごく読みやすくて覚えやすいです、この教科書!兄上ありがとうございます!!



 ・・・ただ、ただね?

 他の人が気付いてるかどうかは知らないけども、俺は母さんについてある事に気付いてしまった。



 母さんは語学と歴史が得意で、特に歴史は昨日の俺の円形様語りのようなことをしちゃうレベルで好きだったらしい。だからか、歴史の教科書に関してはメモの量が半端ない。もう教科書の隙間じゃ足りないからと別冊で手作りノートがある。しかもめっちゃ分厚い。もうコレが教科書で良くないか!?って思うくらい分厚い。

 この時点で「そっか、母さんは歴史オタクだったのか」と、すごい分かるわぁ〜みたいな親近感を覚えてたんだが・・・。

 その別冊に



『戦争や争いが絶えない時代は男色が許される傾向が強い。むしろ進んで男色を行っていたと言えるわ。つまりかの有名な英雄アステロとその戦友であり後の解放王ダレスもそういった関係であった可能性が!!他にもミスティやヤーゴンやキワエルも怪しいわね!!その視点で残されている彼らの手紙を読むとまた意味合いが変わってくるの!!特に手紙のこことかこことか怪しくない?つまり男色とはうんたらかんたら・・・』



という感じの文章がチラホラありまして・・・。


 あれれぇ?もしかして、母さん腐じょ・・・ゲフンゲフン。



 故人の秘密は秘密のままに。

 俺は何も知りません。



 ・・・兄上が気付いてて、そういうのをオープンにしても大丈夫なんだって分かるまでは黙っておこうそうしよう。




 さてさて、そんな感じで楽しく(?)お勉強して、おやつ食べ終わったら(今日はドーナツだった、まんまるうま〜い!)、今度こそお待ちかね!魔法の練習でございます!!


 俺の魔法属性は水と木。

 水は名前の通りそのままとして、木は名前の通りとは言い難い。正確には植物属性と表現すべきだろう。木だけじゃなくて草花も、もちろん野菜や果物も操る事が出来る。


 つまり、俺1人で食糧問題がほぼ解決する!!なんてこったい、コレはおいしい!食糧なだけに!!


 なので早速庭の隅っこの日当たりの良い場所に畑を作ってもらった。ちなみにその畑もザックが大地属性の魔法を使ってあっという間。前世の農家さんの苦労が一瞬か・・・魔法便利だなぁ。

 とりあえず今回は丸い野菜代表のミニトマトさんと低木でジャムが美味しいブルーベリーさんを育ててみよう。


 トマトの種とブルーベリーの苗木を植えて、魔法で水やりして、更に種と苗木に魔力を送る・・・んだけど、難しっ!!

 水やりはシャワーのイメージでなんとか発動したけど、魔力を送るってちょっとよく分からないんだよな・・・。手を突き出して魔力を放出してるんだけど、コレでちゃんと送れてる?

 なんかこう、ぐぐ〜んと育つイメージをすれば良いのか?


 ・・・はっ!!そうだ●トロだ!!あの植えたどんぐり達が巨木になるシーン!!



 これが当たりだったみたいで早速芽が出た!

 もちろんト●ロのように急にでっかく伸びる訳じゃなかったけど、植えてすぐ芽が出てる時点で十分摩訶不思議ファンタジー!



 そして数日後には俺が魔法で育てたミニトマトのサラダとブルーベリーのジャムが食卓に出て来たのだった。

 魔法ってすごい!!


 うん、大分要領が掴めて来た。

 という訳でお次はいよいよ魔法による工作だ!


ここまで読んでくださってありがとうございます。

誤字脱字ありましたら、知らせていただけると大変助かります。


少しでも面白いと思っていただけたら↓から評価、感想コメントなどをいただけると嬉しいです。

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