ゴール
「ねーねー、僕の今日のゴール見てた!?」
1つ年下のお隣さん、ヒロは得意気に言った。
「見てた見てた!かっこよかったね~。」
こう褒めながら、鈴はヒロの頭をぽんぽんと撫でた。
ヒロは、えへへ、と、嬉しそうに笑った。
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「なーなー、鈴!今日の俺のゴール、見た!?」
「もちろん見てたよ……マネージャーだからね。」
「かっこよかった!?」
「はいはい、かっこよかったよ~。」
ヒロがサッカーを初めて8年が経った。今では同じ高校サッカー部のマネージャーとプレーヤーで先輩後輩関係にある。
成長したヒロはかっこよくなった。
と同時に、あの時は弟みたいですごく可愛かったのになあ、と、少し寂しく思う。
それでも、試合のあとに自分がかっこよかったか聞いてくるのは変わらない。
昔を思い出してぼんやりとしていると、ヒロがうずうずとした眼で見ていることに気がついた。
「……どうしたの?ま、まさか、褒められ足りないの?」
「いや……そうじゃなくて…………頭ぽんぽんは?」
「え!?」
「いや、昔から俺がゴール決めたらやってるじゃん。」
「あー……。そうだったね。ルーティンってやつね。」
私は少しあきれながら手を伸ばした。
しかし、
彼の頭に手が届かない。
大きくなりおって。
「え……と、かがんでいただけませんか?」
「あ……そうだね!」
そしてヒロはしゃがんで頭を差し出してきた。
「ヒロが一番かっこよかったよ。」
と言って頭をなでた。
ヒロは昔と変わらないかわいい笑顔で大きくうなずいた。
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