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伝説のバンドの狂詩曲

♪~♪♪~♪~♪♪~♪~♪♪~♪~♪♪~♪~♪


「で、フリーダは街の楽団を辞めたけど音楽を続けたい気持ちがあるわけね?」

彼女はコクリと頷いた。


私たちは長身の彼女(フリーダ)を連れて広場のベンチに座って話を聞いていた。


(「音楽は大好きなんで)(すけど、活動費を払う)(のが厳しくなってきて)(、しかも弟が病気にな)(ってしまい薬代のため)(に唯一持っていたリュ)(ートも売ってしま)(ったの」)


フリーダは消え入りそうな声で話しているが、別に下を向いたりオドオドしてるわけじゃない。単純に声が小さいだけみたいだった。


私はフリーダの左手を見せてもらう。彼女の大きな手の指先にはまだ硬さが残っていた。

(リュートってたしかギターの祖先だっけ?いけるかな?)

「フリーダ、これ貸してあげる。毎日練習して一週間後にエリサーナ様の教会に来て私たちの前で何か弾いてくれる?」

持っていたギターを差し出した。

「ヒメカ!初めて会った相手を信用しすぎよ!持ち逃げされたらどうするのよ?」

「パメラ、私はフリーダを信じてみたい。楽器はまた買えばいいけどメンバーはそうはいかないから」


フリーダはギターを抱きしめると笑顔で言った。


(「ありがとう。絶対に)(後悔はさせないわ!必)(ず貴女の期待に応えて)(、ううん、期待以上の)(実力を見せて)(あげる!」)


(すっごい笑顔で力強い言葉なんだけど、、、


声が小っちゃ~~~い!!!)



♪~♪♪~♪~♪♪~♪~♪♪~♪~♪♪~♪~♪


それから一週間、私とパメラは一緒に曲作りやお店の演奏活動をしながら順調に経験を積んでいた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

名前 ヒメカ 16歳

職業 バンドマン Lv.11

種族 人間

EP 2638

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

EPの仕組みも判明した。

レベルが上がると100EP、エリサーナ像を1体配るごとに10EP、演奏の観客一人につき1EPが増えていくみたいだ。


そして私の新兵器、N〇N60S 入門バイオリンセット お値段なんとEP437!

昔取った杵柄じゃないけど久しぶりに弾いてみたら好感触だったのでパメラのピアノと二重奏してみたりした。


「フリーダ遅いねぇ」

「ヒメカの目が節穴(ふしあな)だったんじゃない?」

「わお、パメラさん辛辣~。彼女は本物だと思ったんだけどなぁ」

約束の日、教会でフリーダを待ちながら曲作りをしていたけど、集中できないのでスキルの『楽器手配』を眺めながら時間を潰していた。


「わたし待~つ~わ♪いつまでも待~つ~わ♪」

「なにそれ?呪いの歌?」

「違うわよ!切ない恋心を綴った至高の名曲よ!」

「そろそろ仕事に行ってくるわね」

「いってらっしゃ~い。気を付けてね~」

今日はパメラが一人で仕事だったので私は彼女を見送った。


(たまには教会を掃除でもしながら気分転換してみよう)

教会に居候させてもらっておいて随分な言い草だが、アネットは私をエリサーナ様の使徒だと信じており、作曲や練習に専念できるよう厚遇してくれているのだった。


夕陽が沈み掛けた黄昏時、一人の影が荷物を抱えて教会に入ってきた。

「エリサーナ様の教会へようこそ。どのようなご用件ですか?」

私はアネットの真似をしてその人物に話しかけた。


(「ヒメカ、、、)(お願い、、、)(助けて」)

それはボロボロになったフリーダだった。


♪~♪♪~♪~♪♪~♪~♪♪~♪~♪♪~♪~♪

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