あの配信をおすすめしたい!
文フリで出そうと思っていましたが残念ながら流れてしまったので、クオリティは保証できません。
楽しみやすい入りやすい
いろいろなVを知るきっかけになる
企画系Vtuberの紹介と個人的な感想とおすすめ配信
※ 本文は個人の好みや解釈に大きく左右され、知識の深度や関心の度合いにはばらつきがあります。周防パトラちゃんも「きみのきみのその距離感がひとつひとつ解像度なの」と言っています。
はじめに
バーチャルユーチューバー(以下Vtuber)に興味を持ち始めた人が最初に戸惑うのは何から見ればいいのか分からないということだと思います。本文ではVtuberの世界を楽しむ上で最も取っつきやすい、企画配信について紹介していきます。初心者でも気軽に楽しめて、たくさんのVtuberについて知ることのできる企画配信。そのほとんどはVtuberたち本人によって企画、構成、司会、演出等々されています。その中でも特に人気のある配信を行う企画系Vtuber五名を取り上げて、それぞれの傾向と特徴、おすすめの配信と個人的な見どころについて簡単に説明します。
企画系Vtuber紹介
一人目 緑仙
傾向と特徴
にじさんじ所属
企画内容における着眼点の面白さ、センスの良さ、おしゃれ度が光る
頭の回転が早く、瞬時の対応、反応の良さ、的確なツッコミなど場を盛り上げるための高いスキルも併せ持つ。
みんなが見たいものを提供しつつ知的好奇心をそそられるような、ありそうでなかった企画が魅力。
おすすめの配信
「卯月で笑ったら即引退」
(出演 卯月コウ、因幡はねる、笹木咲、夕陽リリ、魔野るしあ)
因幡はねるとの合同企画(通称 みどねる企画)。面白くないことに定評のある配信者「卯月コウ」が何かしらの面白いことをするので笑ってしまうような程度の低いゲストは即Vtuber引退といった内容。すべり芸、微妙な空気感、笑ってはいけない系の好きな人におすすめ。
「第二回にじさんじ乙女ゲーム製作委員会」
(出演 葉加瀬冬雪、ニュイ・ソシエール、奈羅花)
他人の妄想垂れ流しを聞くのは面白い、ということで、にじさんじ所属の男性配信者をメインキャラクターに据えた乙女ゲームを作ろうという企画。想定される主人公との関係性、シチュエーション、エピソードなどについて、有識者三名による意見交換が行われる。乙女ゲーム廃人脳のとめどなく流れ続ける妄想を司会の緑仙が上手くさばいてありそうなプロットに仕上げていく。
「笑ってはいけない! 感動エピソード選手権」
(出演 グウェル・オス・ガール、夢追翔、葉加瀬冬雪、レヴィ・エリファ、早瀬走、メリッサ・キンレンカ、加賀美ハヤト、町田ちま、轟京子、健屋花那、弦月藤士郎、ドーラ、黛灰、甲斐田晴、ベルモンド・バンデラス)
ゲストにまつわる「絶対に感動する」エピソードの再現VTRを視聴中、審査員が口に含んだ水を吹き出してしまったら失格という内容。シンプルな構成だが作り込み次第で大きな盛り上がりの狙える配信としてにじさんじの自主制作力の高さも注目ポイント。再現イラスト、声の芝居、楽曲、歌唱を全て所属の配信者で制作しており、決して内輪止まりにならない完成度で最後まで楽しく笑える配信。
二人目 グウェル・オス・ガール
傾向と特徴
にじさんじ所属
既存のプラットフォームに面白くなりそうなメンバーを入れて確実に視聴者が楽しめるポイントを作る
企画の流れに沿ってルールに則った上での面白さを好む。
確実に面白く分かりやすいポイントを作るので視聴者も演者もコメント、リアクションがしやすい
流れをコントロールしたいタイプ。ルールを無視する演者は苦手 神楽めあ
おすすめの配信
「うみがめのスープシリーズ」
ある出来事に関する意図的かつ過剰に省略された文章について、出題者に「はい」か「いいえ」で答えられる質問を繰り返し、なぜその出来事が起こったのかという真相にたどり着くことを目的にした水平思考クイズ「うみがめのスープ」。ゲスト三名にいくつか用意した問題を難易度順に出題し力を合わせて回答させるというクイズ番組形式の内容。ゲストの個性が質問や回答の仕方によく表れていて、トーク形式とはまた違った形で配信者たちの魅力を知ることができる。問題の答えを一緒になって考えていくというそもそもの楽しみもあり、頭の体操にもなる配信。
「魔界ノりりむが積分の問題を解けるまでおわれません」
(出演 魔界ノりりむ)
非常に人気かつ話題になった耐久配信(主にゲームや登録者数の達成など、ある目的を設定してクリアするまで終了しない配信)の一つ。小学生並みの算数ですらおぼつかない魔界ノりりむが分数も知らない状態から始めるグウェル・オス・ガールの特別授業。果たして本当に積分(高校数学)までたどり着くことができるのかといった内容。勉強って楽しい、勉強するって面白い。そんな言葉が自然と飛び出し、落ちこぼれてしまった生徒でも適切に向き合えばやる気を見せるし本人も知らない可能性が隠れているかもしれないと前向きな気持ちになれるような配信。学校ではなおざりにされてしまうようなかなり根本的な質問にも丁寧かつわかりやすい解説が行われ、魔界ノりりむの比喩やくだけた言い回しによる(ある種本質を捉えているような)独特な理解の仕方も理屈一辺倒にならない楽しさがある。
「【恋愛相談】恋愛相談こたえちゃうぞ♡」
(出演 早瀬走、相羽ういは、グウェル・オス・ガール)
グウェルではなく早瀬走の企画ではあるが……。視聴者からの恋愛にまつわるマシュマロ(Twitterにおける匿名のコメント機能)を紹介し、三名でその悩みに答えていこうというシンプルな内容。理詰めのグウェルと感覚派の早瀬走のコントラストがまず面白く、最終的に真反対に見えた二人の考え方が結論において合致するのも興味深い。恋愛や結婚とはそもそもなんぞやという相羽ういはのピュアすぎる疑問に、グウェルが世間一般からするとかなり独特で奇妙と思われるような考察を述べていく場面があるのだが、それによってある種の気づきを得たと思われる相羽の姿に、それぞれ固有の価値観における社会の在り方に対する理解の仕方を見たようで個人的にとても好きな配信。
三人目 因幡はねる
傾向と特徴
有閑喫茶あにまーれ組長
予想外
視聴者の思いも寄らないようなものを見せてくれる
企画の流れは作るが細かい所はかなりざっくり
偶然の化学反応を楽しむタイプ
外すときは外すが当たったときはでかい、というか、なにこれこんなの見たことないみたいな自分の知らない感覚をぞわぞわぞくぞくさせられるような配信が見れる
ルールを無視破壊するタイプの演者が好き 神楽めあ 文野環 実母
肝が座っている
形式づくり、構成の上手さ(どんなメンツが集まっても最低限の形にはなっている)
良い意味で人を選ばない。他のVがなかなか声をかけないようなタイプのVtuberや著名人と積極的にコラボする
二の足を踏まない、怖いもの知らずなところがありコンプラギリギリを攻めているようにも見えるが、聡明かつ常識があるので挑戦的な企画でもきちんと成立させる(むしろ個人や身内内での配信のほうがやばい)
頭の回転が速いので質問が上手い
ポムポムプリンとコラボしたことがある
おすすめの配信
「Vのから騒ぎシリーズ」
某有名テレビ番組の形式を借りて、ゲストのVtuber達に質問形式で話題を掘り下げていくトーク系バラエティ。いろいろなVtuberについて知りたい人、単純に知的好奇心を満足させたい人におすすめ。Vtuberの世界への入門的な番組としても最適な選択肢の一つ。
シリーズ全体を通して面白いが個人的に好きな配信を挙げると、
「嫁来いVtuber編」
(出演 白上フブキ、西園寺メアリ、御伽原江良、宝鐘マリン、でびでび・でびる)
とんでもない化学反応が起こった回。V界隈屈指のダメ男キャッチャー西園寺メアリとかわいいにもセクシーにもなりきれないけどとにかく明るい天真爛漫欲望丸出し海賊コスプレ女こと宝鐘マリンとの掛け合いがひたすらに面白い。脇を固めるゲストも抜群の安定感を見せる。
「Vのおじ騒ぎ」
(出演 舞元啓介、グウェル・オス・ガール、アメリカザリガニひらい、伊東ライフ、懲役太郎)
元懲役囚、成人指定同人作家、お笑いコンビアメリカザリガニの平井に、天下のにじさんじからオモシロおじさん二人を加えた因幡はねるの配信でしかありえないような顔合わせ。何が起こるか分からない何が起こっているのかも分からないとんでもないハプニングそのものみたいな回なのになんだかんだ上手くまとまっている謎の元気をもらえる配信。
「あたおか編」
(出演 御伽原江良、郡道美玲、神楽めあ、夏色まつり)
Vtuber界トップクラスの問題児が勢揃いした怪獣大戦争。約束された神回。
「【あにまーれ感謝祭】カップルのノロケ話でイラついたら1000円募金」
(出演 兎鞠まり、龍ケ崎リン、風見くく、羽柴なつみ)
年に一度の因幡はねるによる大人気チャリティー企画。浮ついた馬鹿が死ぬほど嫌いな因幡はねるがネット上から漁ってきたカップルのノロケ話にイラついたらその度に千円を募金するという国境なき医師団がYou Tubeに出してた広告みたいな内容。第二回からは強力な役者陣による声劇が加わり、威力の倍増したイチャイチャラブラブ頭スカスカ文書に因幡はねるがキレ散らかしながら金をバラ撒く様子がやたらと面白い。ただ、因幡はねるが好きな人向けかも……。
「神楽めあを救いたい」
(出演 神楽めあ、アメリカザリガニひらい、グウェル・オス・ガール、シェリン・バーガンディ、懲役太郎、花畑チャイカ、魔野るしあ、緑仙)
クリスマスに二人きりで青の洞窟に行った男がその翌日に彼女との写真をSNSに上げていたことを配信上で愚痴ったらコメント欄に「二度と男の話すんな」と書かれた神楽めあ。そんな可哀想な女の子のために次のクリスマスは一緒に過ごせる素敵な彼氏を作ってあげようという少しお節介なお見合い企画。暴れまわる神楽めあに、話を合わせようとすれば傷を負い、対抗しようとすればなお傷を負い、誰も無傷では帰れない阿鼻叫喚の地獄絵図。果たして神楽めあは素敵な彼氏を手に入れてクリスマスを幸せに迎えることができるのか。多くは語らないので、自分の目で確かめてみてほしい。
「第二回ホロライブ女子力検定」
(出演 癒月ちょこ、犬山たまき、でびでび・でびる、緑仙、ホロライブメンバーたち)
現状非公開。癒月ちょこ主催で行われたプチ炎上企画。アイドル事務所ホロライブ所属のメンバー達が、彼氏にメールを書いたならという想定で女子力を競う極めて可愛らしいほのぼのとした内容のはずが、因幡はねるを筆頭に集められた審査員の言葉の切れ味があまりに鋭すぎた為、ホロライブメンバーにはトラウマを、ホロライブリスナーには割とガチめの悪印象を与えた伝説の企画。配信元のチャンネルが諸事情で何度か凍結した為、非公開になったと思われる。みどねる最初の邂逅。
「【年越しあにまーれ】今年はなんと9人だ! 2020年重大事件も振り返るぞ!」
(出演 宗谷いちか、日ノ隈らん、柚原いづみ、風見くく、羽柴なつみ、白宮みみ、飛良ひかり、瀬島るい、因幡はねる)
騒がしくて、楽しくて、お隣にも迷惑なあにまーれが帰ってきた! 闘将因幡はねるにもコントロール不可能なハイテンションで行われた、新体制による初のコラボ忘年会+新年会。
四人目 犬山たまき
傾向と特徴
のりプロ所属
主に対談形式、トーク中心の企画が上手い。みんなが見たいものを提供する。
トレンドをよく掴んでいる。
会話の流れを読んで上手く視聴者の聞きたいような話を引き出す。
人脈づくり、フットワークの軽さにおいてはV界隈でもトップクラス。
気になる相手がいれば積極的にコラボを行い、配信外での対応の良さにも定評がある。
おすすめの配信
「対談バトルシリーズ」
様々な人気のあるゲストを招いて対談形式で視聴者に紹介していく企画シリーズ。とにかく気になるVtuberができたら犬山たまきの配信を確認するのが良いと思えるほど安定感がある。視聴者からのマシュマロから的確な内容をピックアップし、みんなの気になること、聞きたかったこと、話題になった配信についてなどを軽快なトークを交えて掘り下げていく。
「【案件なのに非公式…!?】アズールレーンセンシティブ研究会!?」
(出演 しぐれうい、宝鐘マリン)
人気ソーシャルゲーム「アズールレーン」からの案件企画。JK大好きイラストレーターしぐれういとお絵描き上手なオタク船長宝鐘マリン、なぜか漫画家の知識に異常に詳しい犬山たまきの三名で自らのフェチを刺激するキャラクターをチョイス。美少女キャラにおけるセンシティブとはなにかについて語り尽くす配信。
「【メンヘラ】神楽めあに愛されてLINEの通知が止まらない犬山たまき」
(出演 神楽めあ)
プライベートにおいても膨大なLINEメッセージを一方的に送り続ける神楽めあから通話の着信が止まらなくなる犬山たまき。神楽めあの最近の愚痴をひたすら聞かされるだけの配信なのにずっと面白い。ぴったり呼吸のあった二人による喧嘩仕立てのコラボ配信。因幡はねるを更に加えた三名によるコラボ配信(通称 はめたまコラボ)もおすすめ。
五人目 宝鐘マリン
傾向と特徴
ホロライブ所属
センスの良さ、着眼点の面白さに加えて、圧倒的にポップな魅力を持つ。
笑いの勘所を確実に掴み、楽しく、面白く、そしてかわいい企画内容。
アイドル事務所ホロライブ所属としても完成度の高い配信を行う。
おすすめ配信
「【ホストクラブ三期生】巫女と犬っ子をガチ恋に堕とせ NO.1ホストを目指して」
(出演 さくらみこ、戌神ころね、兎田ぺこら、潤羽るしあ、不知火フレア、白銀ノエル)
ホロライブ三期生がホストに扮して二名のゲストをカッコよく、かつセクシーにおもてなしをして売上を競うといった内容。事務所の先輩であるゲスト役にホスト役のメンバーが振り回される様子がとにかく面白い。三期生のバランスも良く、ボケ、イケメン、残念、いじられ、かわいい、おっとり系の各メンバーにそれぞれしっかり見どころの作られた、自由なようで練られた配信。
「Vtuber最強画伯決定戦」
(出演 名取さな、しぐれうい、でびでび・でびる、リゼ・ヘルエスタ、戌神ころね、周防パトラ)
厳選された四名の「画伯」達が、それぞれ審査員の出したテーマに基づく絵画を制作し、それを順番に論評していくといった内容。戌神ころねの邪悪さがやばい。配信の全てが戌神ころねの暗黒芸術のために用意された助走なのではと思わされるくらいインパクトのある作品と、その魅力を存分に伝えるため、しっかりと組み立てられた構成が魅力。
「痛いオリキャラカードバトル」
(出演 白上フブキ、潤羽るしあ、名取さな)
遥か昔(多分中学二年生くらい)に考えたオリジナルキャラクター(黒歴史)で熱い決闘=デュエル(カードバトル)を繰り広げようじゃないかという、大人になったオタクたちにできる遊びの、究極の正解の一つではないかと思わされるような企画。ともに重症の末期患者である白上フブキと宝鐘マリンの対決に、すでに彼岸に渡ってしまった桃色電脳女(自称)名取さなと唯一神と悪魔に愛された漆黒の堕天使(長い自称)サターン・ルシフェル・ウルハ(潤羽るしあ)を審判者に迎えた、アイデアの勝利とも言える非常にユニークかつ見どころの多い配信。
おわりに
Vtuberに興味を持ち始めたとき、例によって誰の何を見ればいいのか分からない状態に陥りました。友人がにじさんじ推しだったのでその辺りを闇雲に視聴していたのですが、上手く嵌るものが見つけられず。因幡はねる組長のから騒ぎとVakatuberに出会って初めて一気に世界が広がりVtuberという存在が面白く身近なものに感じられるようになりました。ここで取り上げた配信もなるべく幅をもたせるようには考えましたが、極めて限定的な、個人の趣味・嗜好に基づいて選ばれたものに過ぎません。Vtuberの世界は本当に広大で今なお配信者も活躍の場も増え続けています。おすすめされた人気配信者が自分に合わなくてもすぐには諦めず、心の底から楽しい気持ちになれるようなVtuberを気長に探してみてください。周防パトラちゃんも「いつでも会えるよ クリックして」と言っています。