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無双への一歩

*ーー試験日1日目ーー*


俺は朝食を取った後、訓練場へ行った。そこにはメカが用意されていた。人型で自分の体よりひとまわり大きい程度だ。


副校長「よし、全員集まったな。これより訓練内容を説明する。全員、集合!」


俺らは副校長の周りに集まる。ユカリとココアは少し遠いが一緒にいるようだ。


副校長「では今日は色んなメカを使って自分に合うものを選んでもらう。一応一人1種類には最低乗ってもらうつもりだ。訓練機のため出力パワーは抑えてあるが、入学後にはすぐにでも戦闘専用機に乗り換えてもらうつもりだ。今回のはどんな戦闘法が自分に会うのか君たち自身で確かめてほしい。」


ふっ、訓練機の戦闘でも無双してやるよ。神も認めた俺の力の前にひれ伏すがいい。副校長さん、俺を小馬鹿にした事、たっぷり後悔させてやんよ。


副校長「班を分けた。体格を重視して考慮し、こちらで決めさせてもらった。この通りに分かれて順番に自分の適性がどこにあるのかを調べてくれ。では幸福を祈る」


よし、やるか。ユカリたちの班は…別々になってしまったな。

試し乗りが始まった。なんかコケてる人がいる。操縦が難しいんだろうか。取り敢えず俺も最初の機体に乗ってみる。


俺「うわああぁぁぁ!!」


ガラガラガシャン!手をつくことができず、頭から地面に激突した。


俺「いってててー」


副校長がやってくる。


副校長「大丈夫か?…大丈夫そうだな。フン、慢心するからだ。その慢心が戦闘では命取りになると思え」


心配してくれたものの、俺の顔を見た瞬間に態度が刺々しくなってしまった。くそ、よりによって副校長に見られるとは…気を取り直してもう一度!


俺「ぐ、ぐぬぬぬぬ……重い……」


あの金髪女!魔力ステータス以外気にしなくていいって言ったじゃんか!バリバリパワーいるんですけど!特に近接戦闘は戦士として両手大剣を振るうより数倍はパワーがいるんじゃないだろうか。立つだけで精一杯だ。

前進するたびにズシン、ズシンという音が体に響く。こんなの、空中戦どころかジャンプすらできっこない。

と、思ってた矢先、隣のメカがジャンプした。


女?「フッ!」


ダンッ!!という音を立てて着地。すげぇ。パワータイプか。いや、俺にもできるはずだ。もう少し練習してみよう。


俺 [ドスッドスッドスッ]


少しなら駆ける事もできるようだ。でもすぐバテてしまう。魔力など気にしてる暇もない。


副校長「交代!全員先ほどのように整列し、メカを降りよ!」


副校長「次は一つずつ後ろにズレて機体をまた試してもらう。以後、交代合図があったら同じように機体を交換してもらう。では搭乗し次第各自訓練に励め!」


2機目も試乗してみることにする。ん?少し軽いな。なるほど、軽装で素早くする代わりに重装備のような防御力はないということなのか?走ってみると、さっきより走りが安定してバテにくい。隣を見てみるとさっきジャンプしてた子がめちゃくちゃ重そうにしていた。ってことは次乗るのは俺か。


3機目。超重装備機体。こんなの扱える奴いるのだろうか。そもそも立てない。膝と手を地面につけたまま動けない。これは俺には無理だな。


昼休憩があった。

みんなで自己紹介し合った。異世界っぽいキラキラネームが目立った事以外、特筆するべき事はなかったな。まあ全員野郎だったし。


昼休憩が終わった後も機体探しの続きだ。

4, 5, 6機と試してみたが、どれもこれもしっくりこない。俺にはメカは合わないんじゃないだろうか?


夕食の時間になった。

班ごとに行うため、ユカリココアとは別になったが班のみんなと話をすることができた。


班員A「合いそうないい機体あった?なんかバリ重いのあったやん?」


班員B「わかるwwあのめっちゃゴツい奴。あんなん着るやついんの?」


班員C「いくら装甲が厚くても遅すぎちゃ攻撃当たらないっしょ。武装も色々あったみたいだけど無駄が多いって感じ」


班員D「普通にあの二本の大剣、一本で良いよな。それか二本でいいから片手で持てるもう少しスリムな剣にするとか」


班員A「ホンマそれ。予備付けるくらいならスピード取るわ」


班員D「1つすごい軽いのなかった?あれなら容易に飛び回れるよな。戦闘に唯一集中できそうな機体だった」


班員A「確かに人間と似たような感覚で戦えそうなのはアレしかないな。でも装甲も武装もほとんどないからなあ…一応魔力銃だけ取り付けてあるんだっけ?」


班員E「そうだな。元々は偵察用に開発されたらしくて、今も訓練機としてだけじゃなく前線で偵察に使われてるらしいな」


班員D「あれは俺にはしっくりきた。適性なんてわかんねぇけど、取り敢えずあれを極めてみようかな」


班員A「いいじゃん。もう決まりって感じか。みんなもう決まった?俺はファイアイーグルかな」


という感じで盛り上がっている。今日の機体か…そんなにいいのなかったな。一番軽いやつでも戦闘となると俺にはきつい。


班員A「あ、えーと、名前なんだっけ」


俺「タクト」


班員A「なんか今日いい機体あった?」


俺「特にはなかったかな」


班員A「そうか…明日にはまた新しいものが出てくるみたいだからそんな気にすんな」


俺「そう…だな」


今日の一番軽い機体でも精一杯だったのに…明日になっても重さは同じくらいだろうから合う機体見つかる望みは薄い。思考が黒い感情を排出しているようだった。

ひとしきり話した後、俺たちは解散した。明日に備えるために。


俺 (機動隊にしろ魔導士にしろ、俺は体力と力が絶望的に無い。取り敢えずメカにもっと慣れないと。)


そんなことを考えながら眠りに落ちた。


*ーー2日目ーー*


朝食を取った後、訓練場に行った。って、


俺「でっかーーー!!!」


叫んでしまった。めちゃくちゃどでかいメカがあった。体積的に昨日のメカの27倍くらいはあるんじゃないだろうか。いくら訓練場が大きいからってこんなの飛び回されたら…


副校長「これより今日の訓練内容を説明する!全員、集合!」


受験者A「デケー、これが魔力機動隊が乗る最新兵器か」


受験者B「ああ。でも魔力が一定以上じゃないと使うことも許されないみたいだ」


副校長「では今日の練習内容を説明する。昨日の機体に加え、MP、魔力がBランク以上のものにはあの大きなメカに試乗してもらう。当てはまる人は私についてきなさい。それ以外は昨日と同じように訓練機を使いこなせるようにはげめ。以上、幸福を祈る!」


みんな行ってしまった。意外に少ない。全体の1割くらいだろうか。まあこれから学生になるんだし、その段階でBランク以上が希少なのはうなずけるか。

副校長が説明し始めた。


副校長「このモンスターマシンを操るには膨大な魔力が必要だ。さらに精度の高い魔力制御を行わねばたちまち暴走してしまう。よって、5人ずつ試乗してもらい、マンツーマンで教官をつけ、指導をしてもらうことにする。待ち時間はこの説明書でも読んでおけ。では訓練開始!」


説明書には操縦の仕方のイロハが書いてある。ほう、なるほど。イメージと魔力が大事なのか。思いを乗せて魔力を込めれば手にした魔晶石を通じて魔力を魔法として発揮する魔晶石の部分に伝わり、関節を動かす…って、意外と難しそうだぞ?


副校長「タクト君、奇遇だな。お前の今日の教官は私だ」


むっ、ちょうど空いたのが副校長だったのか。


副校長「では搭乗してもらう。私も搭乗しながら説明する。暴れられてはシャレにならんからな。では説明書通りに始動魔法を発動しろ」


説明書通りに魔力を込める。…なんだこの感じは。魔力が体に流れ込んでくる。


副校長「では歩く練習だ。私についてこい」


ドスッドスッドスッと副校長が歩いていく。俺もついていこうとするが、どうにもうまく動かない。そりゃそうだ。いきなり新しい感覚を使って新しいバランス感覚を植え付けられるのだから。

俺はすぐ転倒してしまった。


副校長「何をしている!さっさとついてこい!」


よろよろ、ガッシャーン。またすぐ転んでしまう。


副校長「頭で歩く姿をイメージするな!歩く時の手足の自分の筋肉動き、それをイメージして魔力に込めろ!」


筋肉の動きをイメージ…こうか?

お、、、おお!意外に直感的にイケる!始動魔法でリンクしているおかげだろうか。

最初は「ドンッ!ドンッ!」という音がコックピットまで響いていたが副校長の尻を追いかけてるうちに踏みしめるように歩く癖が治っていき、割とすぐに普通に歩けるようになった。


副校長「フン、勘はいいようだな。では走る訓練だ」


俺は走ってみた。意外にイケるぞ!

割と余裕だった。訓練場のトラックを走っている所だが、あまり本気で走ると副校長を追い抜かしてしまいそうだ。

さっきは差が開いていたのにもうぴったり後ろにくっついている。

好奇心からか俺は副校長のメカのお尻を触ってしまった。


副校長「ひゃん!な、なんのつもりだ貴様!」


俺はゴツっとした手触りを手に感じたことと副校長が触られたことに反応したことから俺は確信した。


俺 (やっ、やっぱり感覚と繋がってるんだ、これ!)


俺「すみません、よろめいてしまいました」


副校長「全く、速く走ろうとしすぎるからだ。今日はこのくらいの速さに慣れることに注力しろ」


周りを見るとみんな転んでる。意外に難しいようだ。コツさえを掴めば普通に走れるのに。

ひとしきり走った後、副校長が言った。


副校長「よし、まあ一度目はこれくらいでいいだろう。昼休憩をとっておけ」


俺「わかりました。ありがとうございました」


ふう、昼飯食うか。


食堂に行くとユカリとココアがいた。


ユカリ「あっ、タクト君だ!お疲れ〜っ!」


ココア「お疲れ様。一緒に食べよう?」


俺「ああ、そうさせてもらうよ」


うっ、迷う。ユカリの隣に座ろうか、ココアの隣に座ろうか。ここから近いのはユカリだけど誘ったのはココアだし……なんかどちらかを選ぶ事がどちらかの方を好きと言ってるみたいで恥ずかしい。そう、これが人と関わらなかったニートが感じてしまう微妙な距離感ってやつだ。


ユカリ「どうしたの?早く座りなよ〜」


と、ユカリが隣の椅子の座面をポンポンと叩く。ふう、呪縛から解放された。神対応ありがとうございます。


ユカリ「今日のあのモンスターマシン動かすの大変だったよねー!」


俺「あ、ああ。ユカリもこっち組だったのか」


ユカリ「そうだよ。ココアちゃんもね」


ココアは親指を上に突き立ててみせた。イエスということでいいんだろうか。


俺「全然気が付かなかった。どこにいたんだ?」


ユカリ「後ろの方にいたよ。まあタクト君は最前列にいたから気付かなくても不思議じゃないけど」


俺「声かけてくれれば良かったのに」


ユカリ「すぐに訓練開始しちゃったからさ」


少し沈黙が流れた。


俺「2人とも今日はドカ盛りだね」


ユカリ「もうなんかすごいお腹空いちゃって。超ドカ盛り丼二杯頼んじゃった」


く、食えるのかこれ……一杯でも1人で食う自信ないぞ。ディナーならワンチャン1杯イケるかな。


ココア「今日の訓練消費魔力量凄かったよね。私はメンカタカラメヤサイダブルニンニクアブラマシマシ頼んだ。あのモンスターマシン、動かすだけでこんなに魔力食ってたら戦闘できないよ」


メンカタカラメヤサイダブルニンニクアブラマシマシだとー!通称オナ地さんがぺろっと完食して腹を壊したというあれか!可愛い顔してなんてやつ!つーかそもそも異世界にあったこと自体驚きだよ!


ユカリ「それな。戦闘時間もほとんど確保できないよね。すぐ魔力バテしちゃう」


確かにあんな重いもの制御しようと思ったら相当魔力使いそうだよな。俺はそんな疲れてないけど。


俺「いうほど疲れたか?確かにバランスはコツ掴まないと難しいんだろうけど」


ユカリ「タクト君は疲れてないの?」


俺「う〜ん、そんなにかなあ…」


ユカリ「すご〜い、さすが」


ココア「あんなに走り回ってたのに」


見ててくれたのか。


ユカリ「タクト君MPと魔力のランクいくつなの?」


どうしよう。確か副校長が機密にとか言ってたな。仕方ない、あの言い方は勘に触ったが約束は約束だ。


俺「Aランクだよ」


ユカリ「へ〜!入る前からAランクなんて珍しい!ほとんどいないんじゃない?」


ココア「ちなMPだけならアタイもAランクやで」


ユカリ「うんうん、2人ともすご〜い!ねえねえ、じゃあさ、今日の夕食の時にステータス見せ合わない?であのモンスターマシンにするのかとか将来のこととか話し合ってみたい」


ココア「面白そう。賛成。マイドリームはでっかいよタクト君もいいよね?」


俺「お、おう」


これは…副校長に相談するか。


ココア「ゲップ。ごちそうさまでした。…あっそろそろ時間だ。行こう」


ユカリ「わはひもはやふふぁへはいふぉ、むごむご、ゴックン」


俺「何言ってるかわからん、先行くぞ」


ユカリは親指を上に突き立てて言う。


ユカリ「ここは俺に任せて先に行け」


いや、喋るのに夢中で食うの遅れた人にドヤ顔で言われても。


ココア「やっぱり待つ」


ユカリ「な、なぜ戻ってきてしまったんだ!誰のためにここで1人で飯を食っていると思っている!」


俺 (お前のためだろ)


ココア 「ば、ばかやろう!お前を置いて行けるかよ!」


ユカリ「お、お前…ちくしょう、なんていい友をもったんだ」


ココア「私も手伝う。丼ぶり貸して。タクト君もどう?もぐもぐ」


俺 (スゲェ…あれ全部食ったのにまだ食ってるよ…ココアちゃん小柄だけど意外に大食い?)


俺「あ、ああ。食べるよ」


ユカリ「助かるぅ〜!私もこれを後5分で食べるのはきついと思ってたんだよね」


ココア「ユカリちゃん、また手が止まってる。もぐもぐ」


ユカリ「えっ、ああそうね。パク、むぐむぐ」


ココア「ウゲェェェップ。もう食べられない」


そりゃそうだろ。ひょっとして無理してたのか?しかしニンニク臭いな。俺はニンニクの香り好きだからいいけど。


ココア「はい、あーん」


俺「ファッ!?」


ココア「ファッじゃないでしょ。私はもう食べられないからせめてタクト君の食べるお手伝いをしようと思って。はい、あーん」


ユカリ「ちょっと待ってよ、向かい側にいるココアちゃんより隣にいる私があーんする方が食べやすいでしょ?はい、あーん」


ココア「ユカリちゃんは早く食べないと遅れちゃうよ?それに席が問題なら」


と言ってココアがもう一方の左隣にきた。


ココア「これで文句ないよね?ユカリちゃんは早く食べないとデース。はいタクト君、あーん」


ユカリ「その通りだけどあーんする必要はないでしょ」


ココア「…確かに。じゃあ私がタクト君と一緒に噛んで口移しとか。少なくとも私が噛んだ奴は飲み込めるから食べる速さは2倍弱くらいになるんじゃない?」


俺 (ココアさんマジっすかー?!今日暴走してない?いや、初めて会った時も少し第一印象とは違うと思ったけれども)


ユカリ「それだったらタクト君である必要はないわ。私にしても良いんじゃないかしら」


ココア「大体今のところユカリちゃんの丼ぶりの残りが3割で私たちの残りが半分くらい。ユカリちゃんの丼を先に食べちゃうと残りの一つのどんぶりを3人でつつかないといけなくなっちゃう。」


ユカリ「それならそっちの丼の中身を噛んで私に食べさせれば良いわ」


ココア「席移動しないといけないし面倒くさい。今は一刻を争う時。近い人とペアを組むのが自然だと思う。さらにさっきの食べっぷりを見る限りユカリちゃんよりタクト君の方が食べるのが早いと思った。速い方に処理してもらう。当たり前のことでしょ?」


ユカリ「あらそう、タクト君はどう思う?」


睨み付けるような鋭い視線でこっちを見る。断って欲しいんだろうか。ってかもうとっくに時間過ぎてるし!


俺「ユカリちゃんユカリちゃん!また話に夢中になって手止まってる!」


ユカリ「しまった!やっばっ!15分既にタイムオーバーしてるじゃん」


俺「ココアちゃんもユカリちゃん話し出すと気になっちゃうから少し黙っていよう!てかもう訓練場行って良いよ!この丼は俺がナチュラルに全部食べるから」


ココア「お前らを置いて先に行けるかよ!…つまんな…寝よー。グガー。クー。クー。」


な、なぜここで寝る……ああ、もう俺らどうなっちまうんだ?


俺「ユカリちゃん、お………。」


口に出そうとしてやめた。話しかけたらまた話に集中しかねない。


ユカリ「ほうひはんはむぐむぐ」


俺「やっぱなんでもない。食べようぜ」


俺はがっついた。


*ーーーー*


俺「はぁ、はぁ、これ完全遅刻じゃん。30分オーバーだ」


俺たちは息急き切って走っていた。


ユカリ「仕方ないでしょ。あんなに大量にあったんだから」


ココア「うんうん、仕方ない。それよりこれからどうするか、考えよ?」


ユカリ「もう急いで行くしかないわ。腹括りましょう」


俺 (副校長から何言われるんだろう)


トットッタッタッダッダッダッ、ピタッ。


3人「遅れました、ただいま戻りました」


副校長「もう30分オーバーよ」


3人「申し訳ありません」


副校長「あなたたち2人はそれぞれの教官の指示を仰ぎなさい」


2人「はい!」


行ってしまった。


副校長「さてと、貴様にはお仕置きが必要だな。後で副校長室にこい。」


俺「はい…」


お、俺はどうなってしまうんだ。


俺の訓練が始まった。今回は飛翔の練習だ。


副校長「浮遊魔法は使えるか?これからやることはあれの応用だが使えなくても機体を浮かせることはできる。イメージするだけでな」


俺「どのようにイメージするんでしょうか?」


副校長「フン、まずは自分で試せ。話はそれからだ。口答えする暇があるならさっさと始動魔法をかけるんだな」


俺「はい」


ご立腹だ。だがこれしきでダメージは受けんよ。なんつったってあのニートの時期を俺は乗り越えてきたんだ。何も怖くない。むしろゾクゾクするぜ。


副校長「では私の後に続け!」


浮遊は思った以上に難しい。まず浮かない。イメージしても動かない。


副校長「まだか。チッ、使えん奴め」


ぬおおおお!!だ、だめだ。浮かない。はああぁぁぁぁ……!!ぷはあっ、無理だ。


副校長「そう力むな。魔力の風を感じろ。お前は魔力を放出することによって浮遊する。進みたい方向と反対の方向に魔力を放つイメージを持て」


俺 (こうか?)


そう思った瞬間、俺はドシューーー………とそら高く舞い上がった。


副校長「な、なんだと……!」


そのあとガツンという音を立てて魔力障壁にぶつかった。


俺「うわあああぁぁぁ!!!」


副校長「いかん!」


次の瞬間、俺は包まれるような感覚に見舞われた。


副校長「煽ってしまってすまなかったな。よく考えれば遅刻とステータスと訓練は何も関係ないな。さあ、訓練の続きだ。安定して飛べるようにしろ」


その後、副校長に指導されながら浮遊を練習し続けた。

飛べるようになったらなったで回転せずに浮遊するのが難しい。しかし副校長の指摘は的確でみるみる内に上手くなっていった。

俺は1時間後、安定して飛べるようになった。


副校長「よし、今日はここまで。副校長室、21:00に来い」


えっ…遅いな。寮制とはいえなぜそんな時間に…


俺「できればもうちょっと早い時間に…」


副校長「予定でもあるのか?」


俺「い、いえ」


副校長「なら良いだろう?私も忙しいんだ」


俺「は、はい」


副校長「次!」


俺は意味のわからない遅い時間の呼び出しに歓喜を感じていた。副校長は忙しいという曖昧な言葉で返した。つまりそんな大事な予定はないはずだ。今ここでれっきとした遅くなる理由が副校長にないなら、答えは一つ!副校長は俺に一目惚れしてしまい、一夜を明かしたいという事だな?!副校長さんよぉ、恥ずかしくて言えないんだな?ふふ、わたくし、今夜汚れなき体を卒業してしまいますわ。


解散となった俺は夕食までモンスターマシンの説明書を部屋で読むことにした。


ラノベ作家目指してます!

感想書いていただけるととても嬉しいです。

よろしくお願いしますm(_ _)m

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