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ぶっつけ入学試験

試験の説明があった。

今回の試験は、試験といってもステータスを測って意気込みを言うだけらしい。なんだ、ラクショーじゃん。

どうやら試験は2つあり、一次試験はステータス、二次試験はメカの実務訓練らしい。

ただし、二次試験はメカに乗るのに慣れるため、7日間の訓練後に実施するらしい。そこである程度適性があるかどうか見極めようって訳だ。


案内人「はーい、次はタクトさーん」


よしじゃあ俺だな。試験の全体を知った以上、何も恐れるものはない。


試験官「これを握ったままこの魔法陣の中に置いてください」


こうか。

置くと試験官が魔法を唱え出す。


試験官「もにょもにょもにょもにょ」


ああ、こんな便利な魔法があるとは。楽過ぎんか?じゃあ次の意気込みについて考えておきますかね。一言でいいらしいから、まあここは素直に俺TUEEEしたい!とか?いやいや、これは私利私欲にまみれている人間になってしまう。では少し捻って学園のリーダーになりたい!とか?いやいや、それはそれで面倒くさいか?では魔王を倒して世界を救いたい!とか?なんか壮大だな。これまた面倒な事になりそう。では死んだおじいちゃんのために立派な王都軍の一員に…

と思っていたら試験官が震え出した。


試験官「なんなんだこの数値は…もしやと思うが魔族の類か?」


俺「いや、人間ですが」


試験官「そうか。これは失礼しました。こちらがあなたのステータスになります」


その内容には不明瞭な点があった。


*タクトのステータス*(S~G)

HP: E

MP: ⬜️⬜️不明

力: F

防御:  F

魔力: ⬜️⬜️A

素早さ: F

正確さ: F

特殊スキルーー 超魔法適性


*以上*


MPは言わずもがな、魔力の欄は塗り潰されている。なぜだ。しかし、意味不明な魔法以外ゴミだなー。前回より下がってるぞ。


試験官「あとで話があります。教官室に来なさい」


そう言われて次の試験場に移動させられてしまった。


*ーー試験室ーー*


試験官「はい、入学の意気込みを一言でどうぞ!」


受験者「入学金を免除してもらうからには結果にコミットします!」


受験生「私は重戦士ゴードン様のように接近戦に強いパイロットになりたいです!」


受験生「私はメカという新兵器を操縦する事によりゴードン様を超えて見せます!」


ほうほう、いいじゃないか。自分の夢があって目標もしっかりある。ゴードンってやつは凄いやつらしいな。確かに記憶から名前は出てくる。魔王軍のボスクラスと一人で互角に戦ったとか。

しかしある時を境にインフレホラフキ大会へと変貌を遂げてしまう。


受験生「私が操縦すれば魔王軍精鋭100体に匹敵します」


受験生「私が操縦すれば魔王軍精鋭200体に匹敵します」


受験生「私が操縦すれば魔王軍精鋭300体に匹敵します」


受験生「私が操縦すれば魔王軍精鋭500体に匹敵します」


受験生「私が操縦すれば魔王軍将軍を撃破できます」


受験生「私が操縦すれば魔王軍将軍を全て撃破できます」


おいおいおい、なんだこれ。次俺じゃねえか。くそっ、ここで変なこと言ったら落ちちまう。いや、しかし本当に俺ならやりかねないと自分で思う。なんつったって俺は神に認められし俺TUEEEだからな。


試験官「意気込みをどうぞ」


俺「私が操縦すれば魔王を倒せます」


シーン……

最後の順番だった俺は来るとこまで来てしまったようだ。

静かな試験室を無言で退出して、その先にある広い訓練場へ出た。それにしても凄い場所だ。クリスタルのような地面が一面に広がっており、横壁がなく学校が山頂にあるため景色も良い。しかし魔法障壁のようなものが張り巡らされており、安全性は抜群だ。地面もよく見るとクリスタルの上に薄い魔法障壁がかかっている。魔硝石だろうか。


景色に見惚れていながら合格発表を待っていた。

30分程経ったあと、校長が来た。

うわ、変態エロじじいっぽい。


校長「では合格者を発表する!」


ゴクリ…誰もが緊張する瞬間だ。


校長「全員、合格!ただしレヴィン・タクト以外!」


俺「ファッ!?」


シーン……またやってしまったか。しかし何故俺だけ…


校長「レヴィン・タクトの合格はあとで決めてもらう」


そうか、まあ突然だったしな。


校長「ウォッホン!これから副校長から実務試験や説明があります。では二次試験も頑張ってください。幸福を祈る!」


健闘じゃないのか。いや、良いことだけれども。

校長は去ってしまった。

副校長は知的お姉さん。でもちょっと厳しソス。


副校長「では日程を説明します。ほにゃららーん」


説明の内容は7日間のことだった。いろんな機種のメカの操作の仕方を覚えて一番合うものを3日間以内に決める。さらに3日間、決めたものを使いこなせるようにする、というものだった。そして最後の1日は実戦テストだ。5戦の内3勝で勝ち抜けらしい。ぜってー生き残ってやるぜ。


副校長「最後に一つ。レヴィン・タクトよ。あなたは副校長室までくること。では以上。解散!」


俺だけ呼ばれてしまった。あのステータスのことだろうか。


*ーー副校長室ーー*


副校長「これからいうことはくれぐれも機密にな。いいか?」


よくわからないがうなずかないと先に進まなそうだ。


俺「はい」


副校長「タクトよ。このステータスはなんですか?」


ステータスを見せられる。あれ?さっきと違うぞ?


*タクトのステータス*(S~G)

HP: E

MP: S+

力: F

防御:  F

魔力: S+

素早さ: F

正確さ: F

特殊スキルーー 超魔法適性


*以上*


副校長「見ての通り、魔力は見事にS+だ。S+。この意味がわかるか?」


俺「はて。サッパリわかりません。」


副校長「Sランクとは歴代最高の数値帯の時に出るランクだ。そしてS+ランクとはそのランクを超える全ての値をとる。つまりお前は歴代最高を超えた未知数のステータスを2つも持っている」


なるほど。何故かはわからんが俺は選ばれし魔力の持ち主というわけだ。それも過去最高を超える未知数の魔力で。


副校長「さらにこの魔定石で測れる数値の限界だが」


といい、二枚目のステータスを見せられる。これは…数値?



*タクトのステータス*(S~G)

HP: 1200

MP: 99999+

力: 300

防御:  300

魔力: 99999+

素早さ: 500

正確さ: 12

特殊スキルーー 超魔法適性


*以上*


副校長「どうしたらこんな十万以上の数値を叩き出せるんですか!何か隠蔽魔法使ったでしょう。白状しなさい!」


俺「お、俺は何もしていません!」


副校長「そんなバカなはずないでしょう。ではこうしましょう。教官でも破れない魔法には興味がありますが、ここは機動隊学校です。素直に白状したうえでもう二度としないと誓い、なおかつ実力が伴っているという条件なら一次試験合格を認めてもいいです」


俺「本当になにもしてないんですってば!」


副校長「そんな確率……!……。いいですか?歴代の最高賢者と言われた方でもステータスはMP25000, 魔力18000が限界だったんですよ」


俺「俺が強すぎるんでしょう」


副校長「……ふふ、ふふふふふ。まあ、実力ないものは落とされます。二次試験で落ちるのがオチでしょう。どうせすぐ実力はわかるのですから」


濡れ衣だっていうのにバカにしやがって…


俺「ええ。楽しみにしていてください。三連勝で通ってやりますよ」


副校長「では余裕そうなので追加で。もし本当に99999+とまではいかないまでも規格外の力を持っていたら危険。そう、全員合格という結果から分かる通り、この一次試験は他の受験者の命を守るものなんです。名目は受験ですが危険がないかを第一に測らせてもらっています。あなたも人は殺したくないでしょう。」


なるほど。そんな意図があったのか。気づかなかった。規格外の俺が弾かれるわけだ。


副校長「ですからあなたには3日後、私と戦っていただきます。そして、危険がなさそうなら試験へ、危険そうなら合格とします」


まあ、当然と言えば当然か。


副校長「ちなみに私はこの学園では最強の機動隊員ですのでどうぞ遠慮なく。楽しみにしていますまあ、どうせホラフキでしょうけどね」


俺「わかりました。全力で戦わせていただきます」


俺は副校長室を後にした。


俺 (はんっ、上等だぜ。鼻の軟骨折れても知らねえぞ。神が認めた俺の力、みせてやんよ)


*ーー夕食ーー*


俺 (ほほお、みんなで夕食食うんだな?なっつかしぃーー!小学校以来だぜ。中学以来はトイレでぼっち飯上等だったからな。うわ、もうグループ作ってキャピキャピしてる奴がいるし。上級生に媚び売ってる奴もいるな。一年に一回の入試だとすると、一年前に発見されたということは俺らが入学したら二期生になるということか)


一期陽キャA「みんなで王様ゲームやろーぜ!ほら、そこの女の子!今日も下がりボブがかわいいねぇ!」


受験ボブ女「今日「も」って初めて会ったはずですが」


陽キャB「いいじゃん、楽しいよ〜、ね〜っ☆」


受験女A「うん!あっ、あたしが王様だ〜。じゃあ、2番が5番の耳たぶを噛む!」


俺「耳たぶを噛むだとぅーー!!!」


はっ。

シーン………

いかん。またやってしまった。

シーン……シーン……シーン……


陽キャA「あの〜、もしかして君もやりたい?」


少し間が空いたが、その後拍手が沸き起こった。


陽キャC「さすがはライトさん!勇者!」


陽キャB「ぎゃははは!こいつが入るのかよ〜」


受験女B「え〜、なんかヤダな〜」


受験女C「なんか臭そうなんだけどwwwひゃっひゃっひゃっ」


受験ボブ女「ちょっと、かわいそうでしょ!」


俺 (か、かわいそう!?ってことは俺が臭いのは認めるということか)


受験女C「じゃああなた彼の脇の匂い嗅いで見なさいよ。そうしたらこちらの非を認めるわ」


受験ボブ女「それは嫌」


即答か。


受験ボブ女「べつに彼でなくても嗅ぎたくないわ。そこのさっきから騒ぎ立ててる彼でもね」


指差された陽キャBはムッとする。


陽キャA「まあまあ、それくらいでいいでしょう。それより二人とも一緒にやらない?」


陽キャB「どっちもいらねーよ」


陽キャC「やりたいんならいいんじゃね?」


受験女A「あー、つまんな。あたしもう食べ終わったし部屋行くわ」


受験女B「あっ、私もー」


受験女C「じゃあ、私もー」


陽キャA「あっ、あっ、僕らの天使たち………」


重い雰囲気をつまらないと感じたのか、彼女たちは出て行ってしまった。


陽キャA「君ら二人はどっか行ってくれ……」


追い出されてしまった。


*ーー学食隅っこにてーー*


受験ボブ女「はあ、私ってなんでこうなんだろ」


さっきのことを気にしてるのだろうか。


俺「大丈夫ですよ。えっと、お名前は何でしたっけ?」


ユカリ「ユカリです。あなたは?」


俺「俺はタクトです。さっきは助け船出していただきありがとうございました」


ユカリ「こちらこそ勝手に口を挟んで面倒なことにしてしまってごめんなさい」


俺「いえいえ、元はといえば俺が叫んじゃったのが原因ですから」


…………。

少し沈黙が続いた後、ユカリが切り出した。


ユカリ「さて、食事を運んでこないと。実は私、友達と一緒なんだよね。良かったら一緒に食べない?」


な、何イィィ!!友達と一緒!?これはもしかして、ハーレム!?


俺「ぜひ!一緒に食べましょう!いや、食べさせてください!」


ユカリ「じゃっ、いこっか」


俺はユカリと一緒に食事を選ぶ事にした。

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