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46 マイホームの完成


 ベッドが欲しい。寝袋で睡眠をとっても、翌日に疲れが残る事は無い。値段も安いしね。だから機能的には必要無いけれど、気分的に欲しいと思う。

 なので今日はベッド作りだ。


 まずは木枠を組んで足をつける。あまり高く無くて良いだろう。横1m・縦2mで高さは30cm程度。そんな枠を作ったらスライム革を張りつける。

 結果、トランポリンが出来た。良く跳ねる。中々の性能だけれど、思っていたんと違う。


「わぁ! 面白いですよ」

「いや、そういう物じゃないんだけど……。まあ良いか」


 クロ―シアが楽しそうに跳ねているので、これはそのまま外に設置した。

 イルメスは壮大なジャンプを決めているし、ウィンディは空中でウインドカッターを発動して2段ジャンプをかましている。いい遊具が出来て良かった。


 もう1度木枠を組んで、それにスノコを竹で作って取り付ける。その上からスライム革を張りつけた。こちらは適度な固さとしなりがあって、寝るのにも快適そうだ。そこへ、シーツ替わりにプレーリーウルフの皮を敷いた。結構、体裁が整ったと思う。


 大まかな形が出来たので、早速改修の作業台でグレードアップを試みる。すると、スライム革にエアクッションコイルが入った感じの、しっかりとしたベッドになった。横になると、身体の形を無理なく受け止めてくれて、水の上に浮かんでいる様な心地良さがある。

 プレーリーウルフの皮も毛皮として柔らかくなり、良い手触りだ。夏の毛だからだろうか、暑苦しい感じもしない。寝冷えしない丁度良い温度を提供してくれるだろう。


「これは気持ち良いですね。お昼まで寝坊しちゃいそうですよ」

「そうね。女神の寝具としては合格点だわ」

「この様な上等なベッドは村には無かったであります」


 女性陣の評判も良いので、これを量産する。基本の構造は簡単なので、サクサク作れた。改善してグレードアップする際に、設置場所の変更もできたので、2階に運ぶ手間も省けた。これは地味に嬉しいね。


「そういえば、ウィンディの村ではどんな寝具を使っていたんだ?」

「ビレスト村では木枠に藁を敷き詰めた物を使っていたであります」

「チクチクしそうだな」

「そうなんでありますよ。シーツを突き抜けて刺さる物もあったので、あまり快適ではありませんでした……」


 藁のベッドってちょっと憧れる部分があるけれど、実際は大変みたいだ。そういえば、親戚のおっちゃんが麦を刈った時に藁とかノゲとかが肌を荒らして蕁麻疹っぽくなるとか言ってたのを聞いた事がある。大丈夫な人は問題無いんだろうけれど、ダメな人には辛い物がありそうだ。


 でも、スライム革のベッドならそれも無いから安心だね。

 ある程度落ち着いたらビレスト村にも持って行ってあげようかな。1つ現物があればコピーができるしね。うん。そうしよう。


「そうですか! 有難うございます。きっと皆も喜んでくれるでありますよ」


 ウィンディは自分の事以上に喜んでいる。こういう反応をしてくれると、こちらも嬉しいね。やり甲斐があるよ。

 気合いを入れて作業をしたからか、あっさりとベッドが完成してしまった。


 よし、それじゃあ、棚も作ろう。


 まず、スノコを角材で5つ作る。それを日の字の形に釘打ちする。グラグラしない様に、斜めに筋交いを入れた。これで簡単な棚になる。

 これも改善してグレードアップしたら、より頑丈な物になった。俺が乗っても潰れないしグラつかない。今の所は仕舞っておく物はあまりないけれど、それぞれ皆のベッドサイドに設置する事にした。


 ……ついでだし、箱も作るか。個別に棚とチェストがあれば、体裁も良さそうな気がするしね。


 6つのスノコを作り、1つは蓋にする為に蝶番を取り付けた。サイコロ状の箱が、あっさり完成。更にグレードアップも試みる。どんどんと何段階もグレードアップをさせる。すると、出来ました。


 交易ボックスが出来た!


 これで、個人に1つの交易ボックスが持てる。前々から、共同生活をする上で、個人の自由に使える資産と共同で管理する資産を別けたいなって思っていたんだ。お金の問題はキッチリしないと後々揉める元って聞くしね。

 それに、ちょっとの物を確保するのに、一々確認を取るのも面倒だから。

 これは、安定して大量の薪を入手する目途がたったから可能になったなとも言えるね。


 更には未設置の予備も確保できる。こうなれば、ビレスト村の火災に遭った時みたいな、もしもの時の安心感が格段に高まるぞ。


 その他には……とりあえず必要そうなのはあるかな? 皆にも訊いてみよう。


「……そうですね。サンダルを作るのに、作業のしやすい台があると嬉しいです」

「パンをトーストする窯が欲しいわ。たき火で焼くのも美味しいけど、もっと全体をこんがりとさせたいの」

「魔女の住む家らしく、禍々しい研究室が欲しいであります!」


 クロ―シア案。今すぐ採用。イルメス案。明日以降に取り掛かる事に決定。俺もトーストしたパンは食べたいからね。ウィンディ案。却下。


「あうぅ。やはりダメでありますか……」

「そんなスペースは無いから。ダメ」


 彼女達の希望が出たので、作業に取り掛かる。


 クロ―シアの希望は、丁度良い高さの台を用意して、そこへロープを引掛けて這わせて、蔦を編み込みしやすい様にする補助機だ。

 彼女の体格に合わせて組み立てる。箱を作るよりも割と簡単に出来上がった。ウィンディの分も作ってやる。


 イルメスが何か言いたそうにしてたから、一応彼女の分も作ってやった。何か作った所で酸手の呪いで溶かされてしまうのだから、必要は無いはずだ。でも、仲間外れになっちゃうのも悪いから、作ってやった。簡単な構造だしね。


 ついでだから、俺の分も作る。そして、出来上がったら思いついた。これをグレードアップさせると、どうなるんだろうか?


 結果、改修の作業台までグレードアップ可能な事が分かった。


 そこまでグレードアップさせるには薪が1万束必要だからしていない。けれど、その前段階の修繕の作業台までサクサクと改善できた。

 これで、作業台の予備も確保出来る事になった。

 凄く生活の安定感というか、ゆとり感が生まれた。


「これで、もしもの備えが万全になりますね」


 そうだね。備えあれば憂い無しだ。物の備えもそうだし、知識の備えもそうだろう。また今度ビレスト村に行ったら、今日の事を教えてあげよう。


 こうやって、そうこうしていたら、新たなメッセージアイコンがポップしているのに気が付いた。確認してみよう。


 実績:マイホームの確保。おめでとうございます。拠点系スキルが解放されます。


 とあった。システム的にもマイホームと認められたみたいだ。

 この拠点系スキルって何だろう? 確認すると


 安全地帯の拡張n:千nP 直径10nメートルが安全地帯になる

 安全地帯の確保n:千nP n個の安全地帯を持てる

 リスポーンポイントの移動:千P 任意の地点をリスポーンポイントに変更できる


 こんなのがあった。安全地帯のスキルだけはレベルがあるらしい。それが今はn

。試しに2千P使って、安全地帯の拡張をレベル2にしてみる。

 次の感じに文章が変わった。


 安全地帯の拡張2:直径20メートルが安全地帯になる


 一気に安全地帯が倍になった。その証拠に、外の緑魔法陣が大きくなっている。

 今の拠点は4人だと手狭かなって思っていた所だから、これは嬉しいスキルだ。


 そして、どうやら一気にレベルアップも可能らしい。となると、1レベルずつ小刻みに上げていたら、それだけPのロスが出てしまう。

 参ったなぁ。早速千P損してしまった気分だ。実績Pは無限に獲得できるけれど、それだって時間がかかるから、なるべく無駄使いはしないに越した事は無い。


 だけど、どのタイミングで取得するかってのも問題になりそうだよね。一気に100レべルまでばばーんと上げるのも気持ち良さそうだけど、実用的には10レベルでも事足りそうだし。

 直径千メートルの拠点って相当な広さになるよね。下手すると、それだけの空間で生活が賄えそうだ。……面白そうだな。


 ビレスト村の復興で、一気にPを稼ぐ方法は会得したわけだから、不可能じゃ無いんだよな。何だったら、もっと高レベルにだって……。って、そうすると、モンスター素材を採取するのに遠くまで行く必要がでちゃうから、面倒になるだけか。

 どうしよう。面倒くさそうな事になりそうだけれど、むしろワクワクする自分が居る。皆の意見はどうだろうか?


「とことんまで突き詰めるべきね」

「限界までチャレンジするべきだと思うであります」

「拡張は程々に、確保数を上げた方が良いと思います」


 多数決では限界までだが、現実的にはクロ―シアの意見が正しそうだ。でも、無意味にだだっ広い拠点ってのも面白そうなんだよなぁ。……よし、決めた。


「拡張はレベル100まで。確保は限界までチャレンジする事に決めた。そのつもりで、皆協力してくれ」

「はい、わかりました」

「まかせなさいな」

「微力ながら頑張るであります」


 皆でハイタッチをして、新たな目標に向かう事になった。





しばらく更新停滞します。

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