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失敗した異世界召喚  作者: 愚者
赤ちゃんライフ
1/5

失敗




 どこまでも広がる青い空にどこまでも続く白い雲。

 

 

 雲の上にたっている俺。



 そして俺の目の前には見事なまでの土下座をしている老人。





 辺りを見回しても土下座してうる老人しかいなさそう。

 スマン、俺にはこの状況は意味がわからん。

 とりあえず状況でも聞けば解決するかな?

 

「ここはどこで、あなたは誰で、なぜに土下座?」


 質問に目の前の老人がすこし顔を上げて答えてくれた。

 

「まずは、ワシは大まかに言えば神じゃ、役割とかいろいろあるので管理者や創造者などいろいろ呼ばれておる者じゃ。

君は別の世界に召喚、所謂異世界へ召喚されたわけじゃ」


「異世界召喚ってことは、これから魔王だのと戦えとか世界の危機だからどうたら~って戦いに借り出されたりするんですか?」


「いや、正確にはされたと言うよりされかけたが正しいな。

本来なら勇者召喚や英雄召喚は神への救済を求めるもので、敵の重要度や強さによって人の姿になった天使や神がその世界を救い、導きに行く儀式なのじゃ。

それが理由はわからぬが世界を飛び越えて君が召喚されそうになったのじゃが、別の世界から召喚することを想定されてない様式美のような見た目だけの召喚陣がその力に耐えられるわけもなく途中で壊れ失敗に終わったのじゃ」


 様式美って……。

 えらくぶっちゃけたな……。


「しかし召喚の力自体は君に届いており、十分ではない力だったせいで、魂だけで肉体を呼び寄せるができなく、中途半端に終わったせいで君の元居た世界を抜け召喚先の世界に行く前に終わり、その結果が世界と世界の狭間に魂だけ取り残されたのじゃ。

それを感知し急いで対処しようとしたのじゃが、魂が抜けた肉体は残念ながらすでに死亡しており戻すことができなくて謝罪の意味で土下座をしておったのじゃ」


「なるほど、とりあえず事情はわかりました。神様が直接関わっていないのであればもう謝罪は十分です。

それでこれから俺はどうすればいいんですか?」


「それなのじゃが、さっきも言ったように肉体がもう死んでおるので元の世界にそのまま戻すわけにはいかないし、いきなりだと天国にも送れないから、お詫びの意味でも加護などで優遇処置を取れるワシの管理しておる世界、呼び出される予定じゃった世界にこないか?」


「行くのは構わないですが、どんな世界なのか聞いても?

あと記憶ってどうなるんですか?」


「ある程度予想している通りの世界じゃ、魔法やスキルがある世界で、いろいろな種族がいて、魔物がいて、お宝があるダンジョンがあったり、魔物のような貴族がいたりのファンタジーな世界じゃ、与える加護やスキルなどはワシが決めるが転生先の家柄や階級などは希望に沿うようにするし、次の人生はどんな人生にしたいか言ってくれればそれも考慮して加護やスキルなどを付与しようと考えておる。

記憶についてじゃが今の状態になるな、知識はある程度は覚えているかもしれないが、家族の名前など思い出せないことがあるじゃろ?

記憶などはあくまで肉体に記録されるものじゃから魂だけの状態だと記憶できる最大量が足りなくて記憶が不完全になってしまうのじゃよ。」


 魔物のような貴族ってコワッ。

 スキルとか選べないのは残念だけど仕方ないか。

 あー、たしかに自分の名前とかの人物名はさっぱり出てこないのに物の名称は出てくるよくわからん状態だ。


「転生先ですか……成人くらいの孤児や天涯孤独の身での状態でスタートとかって無理ですか?

無理ならそれなりに裕福な悪徳貴族とか王族とかのめんどくさくなさそうな家でお願いします。

次の人生の方針については、せっかくなので世界を冒険して回り異世界を満喫したいですね」


 せっかくの異世界なんだから楽しみだし、しがらみや決められた道ってつまらなさそうだし大変そうだからね。


「孤児や天涯孤独で成人から始めるのは、常識や新しい世界の習慣などいろいろ情報がたりなさ過ぎるし、肉体を一から作るのはさすがに無理じゃな。

裕福な家で将来的に冒険をしたいから跡継ぎや家の都合などで縛られないって解釈でいいか?

それくらいなら条件に見合う家はあるからできそうじゃな。

他に質問や希望などあれば聞くがないならさっそく転生してもらうぞ?

ここはあまり長居していい場所じゃないのでな」


 赤ちゃんからはじめるのはいろいろきついものがあると思ったがしょうがないか。


「あ~、それならひとつだけ、召喚されそうになったってことは魔王なんかもいるんですか?」


「召喚した理由についてはちと話せないが魔王は一応いるが倒さなければいけない存在じゃないし気にしなくても大丈夫じゃよ」


 とりあえずこれから生まれる世界がいきなり破滅の危機とかじゃなくてよかった。


「では急かすようで悪いが転生してもらうぞ。

次の人生の幸運を祈っておる」


 神様がどこからか身の丈ほどありそうな杖で足元をトンと叩くと俺はあたたかい光に包まれそこで意識が途切れた。



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