慎ましい喜びとともに…
長期にわたる柳川の戦いシリーズの最後を飾る物語です。
どうぞごゆっくりとご堪能いただければと思います。
◇◇
立花誾千代の「誾」という字は、慎ましく他人の言うことに耳を傾ける、という願いを込めてつけられたらしいーー
しかし、歳を重ねるとともに彼女は、彼女の作り出した『虚像』にとらわれ、決して慎ましいとは言えない女性となってしまった。
だが、その『虚像』の殻の中に篭っていた本当の彼女は、名前負けなどしない、純真で慎ましい人であったのである。
その『虚像』の殻を破るまで、彼女は大きな遠回りをしてきたし、様々な人や自分を傷つけてきた。
それでもそんな彼女に変わらぬ愛情を注いでくれた家族がいて、彼女を慕う立花の家臣たちや侍女たちがいた。
その大きな愛を『本物』と感じたことが、『虚像』を打ち崩すことになったのだ。
そんな彼女は、柳川の激戦を宮永にある彼女の屋敷の中で終えると、そのまま城には戻らず、その屋敷の中で静かに暮らしていた。
しかしその理由は、以前のように、夫である立花宗茂から離れたいという、虚像にとらわれたものではない。
それは…
病の療養の為であったのだ…
先の戦いは、彼女はそのガラス細工のような命に大きな打撃を与えてしまった。そして、一度亀裂の入ったその命は、もはや完治することはかなわず、徐々にそのひびを大きくしていったのである。
しかし、そんな体のことなど悲嘆することなく、彼女は穏やかな日々を送っていた。
柳川城やその支城の修復や、政務や民の暮らしの立て直しなど、忙殺されているはずの夫、宗茂は、それでも公務の合間を縫うようにして、毎日彼女を見舞いにやってきた。
夫と過ごす時間は、彼女に活力と幸福を与えていた。
どんなに体がきつくても、夫が訪ねてくれば、彼女はその体を起こし、彼を迎えた。
そして彼が笛を吹けば、やせ細った手を叩き、音頭をとった。
よく笑い合い、よく語り合ったーー
この時間と愛が、彼女を穏やかにしていると言っても過言ではなかった。
それに立花四天王の由布惟信や、十時連貞、それに自分も瀕死の重傷を負っているはずの小野鎮幸までもが、頻繁に彼女を訪ね、彼女は暇することもなく、笑顔で毎日を過ごしていたのである。
そんな彼女を見ている侍女たちの、
ーー奥方様のあのような笑顔を初めて見ました
という、陰口も耳には入ってきたが、彼女は以前のように、目くじらなど立てることもなく、穏やかな気持ちでいたのである。
………
……
冬の最中にあって、柔らかな陽射しが宮永の屋敷を包む、そんなある日ーー
一人の立花宗茂の家臣が、誾千代を訪ねてやってきた。
「おや、奥方様。お加減がよろしいのですかな?」
久々に病床を出て軒下で外を眺めていた誾千代に、その家臣はたずねた。
「ふふ、これは薦野殿。そうね。今日は暖かいし、たまには外に出て気分転換でも、と思ったのだよ。
ところで、何か良いことでもあったのかい?
以前お会いした時より、随分と晴れやかな顔をしておる」
その問いかけに、訪ねてきた家臣…薦野増時は、目を丸くした。
「おお、これは恐れ入りました。
奥方様には何も隠すことは出来ませぬな」
「ふふ、今までは人の顔など見ることを嫌っていたが、近頃は話し相手の顔をよく見ることにしているのだ。
すると、面白いものだな。
徐々に分かってきたのだ。話し相手が、今どんな気持ちでいるのか、ということが…
して、今日は何用でこられたのか?
何か良いことをお話しにでも来たのか?」
誾千代はすらすらと喋ると、増時の顔を見つめた。
誾千代のその顔は、少しだけ病によって頬がこけてはいるが、凛とした大きな瞳や、少し伸びた髪、そして真っ白な肌…まるで磨き抜かれた人形のように美しいものであった。
増時は眩しそうに彼女の顔から目を少しだけそらして言った。
「ええ、実は、息子たちが奉公に出ることになりまして…」
「はて?引き続き、お主とともに城島の城の再建と、守りに努めるのではないのか?」
「はい、それは長男の吉右衛門に任せることにいたしました。
実は、奉公にでるのは、その下の息子たちでして…」
「では、甚兵衛と弥兵衛のことか?」
「これは、息子たちの名前まで覚えておられるとは…ありがたきことにございます。
はい、そうです。
その二人を奉公に出すことといたしました」
「そうか…寂しくなるな…」
と、誾千代は視線を落とした。
そんな彼女を励ますように、増時は努めて明るい声で続けた。
「奉公と言っても、いっときの事にございます。
それに奉公先は、柳川城を守った一番の功労者である名将、桂広繁殿。
桂殿とともに、大坂城の豊臣秀頼様の元で働けば、様々な事を学び、いつしかそれを立花のお家のために役立てるに違いありません」
「そうか。それは喜ばしいものであるな」
と、幾分か彼女は気を取り戻したようで、落とした視線を再び上にあげたその顔には、笑顔も見られた。
そして…
増時は、本題に移ることにした。
実は、息子たちの奉公のことよりも、はるかに重要な事を伝える為に、今日ここへ来たのだ。
彼は、彼女に分からないようにぐっと腹に力を込めると、彼女に告げた。
「実は、本日でそれがしも柳川城を御暇させて頂くこととなりまして、ご挨拶を差し上げたく、ここに参った次第にございます」
誾千代はその言葉をさながら予想していたかのように、さして驚きもせずに、彼に返す。
「そうか…薦野殿の表情が晴れやかであったのは、これが理由だったのだな…
これからどうするつもりなのだ?」
「はい…梅岳寺で、道雪公のお墓を守ろうと考えております」
「そうか…」
そこまでで会話は途切れた。
誾千代は屋敷の中庭に目をやると、一輪の牡丹の大きな花が咲いている。
しばらく続いた沈黙を破るように、誾千代は増時に話しかけた。
「あれは冬に咲く牡丹なのだそうだ。葉も少なく、折れそうな程に細い木に、凛と咲く大きな花…今年になって初めて花を咲かせました。
美しいと思わんか?」
「はい…おっしゃる通り、美しいですな」
「実はこの花の木は、屋敷を建てた時に、宗茂殿が植えたものなのだ」
「ほう…そうでしたか!殿自らとは、ありがたいものですな」
「ああ、全くだ。あの頃は、いつになっても花を咲かせないこの木を見る度に不快であったが、不思議なものだな。
花を咲かせた今では愛おしくてかなわん」
それは…と言いかけて、増時は口をつぐんだ。
なぜなら、口に出すのは野暮な事だと、自重したためであった。
またしばらく沈黙が続く。
増時がそろそろその場をあとにしようとしたその時…
寂しげな声で誾千代が口を開いた。
「…一つだけ頼みごとを聞いてはもらえぬか?」
「なんでしょう…」
「われの代わりに父上にお願いして欲しいのだ」
「はい、何をでしょう」
「次の春…宗茂殿と桜が見たい…それまで待ってくれないか…と」
その言葉を聞いた瞬間ーー
増時は、その頬を強く張られた気がして、はっとし、目を大きく見開いた。
彼は全く気づいていなかったのだ。
立花誾千代の、その命の灯火が消えかかっていることを…
それほどに、今目の前にいる彼女は、気高く、その瞳からは生きている喜びに満ちたものであったのだ。
しかしそれはまさに『虚像』であった。
『本物』の彼女は、こうして座ってなどいられないほどに、体が悲鳴をあげているのだろう。
しかし、そうさせないのは、彼女がかの立花道雪公が唯一残した娘である事への誇りであったからなのだろうか、それとも周囲に心配させまいとする彼女なりの気遣いだったのだろうか…
だが一つ言えることは、その『虚像』は、以前の彼女のように、彼女が殻に閉じこもる為に作り出したものでなく、むしろ彼女が彼女でいたいが為に、彼女自身が望んで作り出したものということである。
ああ、なんと健気な…
なんと気高い…
なんと強い…
増時の背中に一筋の熱の線が走ったと思うと、それは彼の顔の温度を上昇させた。
そしてそれを冷やそうと、二つの瞳から涙が川のように流れ出したのだ。
彼は言葉を出せない。
それを見て、一瞬だけ驚いたような表情を浮かべた誾千代は、すぐに悪戯っぽい笑顔を浮かべて言った。
「ふふ、薦野殿。今更になって、柳川城を離れるのが惜しくなったのかな?」
「お、奥方様…ううっ…」
「もうよい、薦野殿。われの願い…いや、これは命令である。頼んだぞ。
では、そろそろわれは疲れた…もう、発つがいい。
冬も昼は短いからな」
「はい、この薦野増時、命に代えても、奥方様の願いを叶えてみせます…
だから…だから…どうか、奥方様もお体を大事になさって…ううっ…」
「ふふ、どこまでも真面目な薦野殿らしい、言葉だな。
では…さようなら…だ」
「ううっ…その言葉だけは…その挨拶だけは…それがしには言えませぬ…どうか、ご勘弁を…
では…どうか、お達者で…」
そう…その「さようなら」の言葉の持つ意味…
それが分からないほどに、増時は暗い人間ではなかった。
彼は、逆らえない時の流れに、その真面目一筋な気持ちを持って、必死にしがみつこうとしていたのである。
こうして立花道雪と宗茂を支えた忠臣、薦野増時は、史実と同様に宗茂の元から離れて、道雪公の墓守で生涯を終えるべく、梅岳寺へと移っていったのであった。
この日を境に、誾千代は床に伏せる時間が長くなっていった。
それでも彼女は見舞いに来る人々を、笑顔でもてなし、彼らの話を興味深く聞いていた。それは、見舞いに来る全員が、彼女が柳川城にいなくとも、城や宗茂の様子が分かるようにと、配慮してくれているように、つぶさに語ってくれていたからである。
それが彼女には嬉しくてたまらないものであった。
もっと生きたい――
いつしか芽生えたその想いとは裏腹に、彼女の体の中に巣食う病魔は、確実に彼女の命を縮めていったのである。
そして…
年は変わり、季節も移っていった。
厳しい冬は終わり、誾千代が心より到来を待ちわびていた春がやってきたのである。
慶長6年(1601年)3月のある日――
その日はそんな春の訪れを肌身で感じられる程に、特に暖かな日であった。
春のうららかな陽射しが、誾千代の部屋を温もりで満たしている中、彼女はすっかり弱々しくなってしまった寝息を立てて、それでも穏やかな表情を浮かべて横になっていた。
この頃になると、彼女は横になっている時間の方が長く、わずかな食事を口にする時だけ、体を起こすようになっていたのだ。
昼より少し前の頃だろうか…
彼女の部屋に人が訪ねてくる足音が聞こえてきた。
誾千代はその足音に目を覚ますと、
「はて…もう食事の頃合いであろうか…」
と、不思議そうに心の中でつぶやいた。
彼女の一日一回の食事は、ちょうど正午頃と決まっており、それよりは早いのではないかと、彼女は感じていたのである。
そして、その足音が一つではないことに、彼女は
「ああ…誰か見舞いに来てくれたのか…ありがたいことだ」
と、つぶやくと、再びその目をそっと閉じた。
近頃は見舞いに来てくれた人々には申し訳なく思ってはいたのだが、彼女は横になったままで、来訪者を迎えるのが常となっていたのである。
もちろん、それを無礼とする者など誰一人としていなかった。
むしろ、そんな状態であっても、見舞いに心から感謝を示す誾千代に対して、敬う気持ちであふれていたのであった。
しかし…
彼女はその足音を聞いて、はっとし、再び目を開けた。
「宗茂殿…!?」
そう、この足音は確かに立花宗茂その人であったのだ。
その他の誰であっても、足音で人を区別することは出来ない彼女であったが、夫である宗茂のそれだけは聞きわける事が出来た。そしてその愛おしい足音が、徐々に大きくなっていることに彼女は驚いていたのである。
なぜなら、宗茂が見舞いくるのは決まって公務が片付いた夕方と決まっており、こんな早くにこの屋敷に来ることはあり得なかったのである。
「城の事を放っておくなど…これは小言の一つでも言わねばならん…」
と、彼女はその言葉とは裏腹に、口元は緩んでいたのだった。
そして、その足音がいよいよ部屋の前まで来たその時…
彼女はその目を疑った。
なんと、由布惟信や十時連貞、小野鎮幸を始め、彼女が顔を知った重臣たちはおろか、まだ小姓になりたてと思われるような、若い衆に至るまで、立花家の家臣団が顔を揃えていたのである。
それだけではない。
その背後には、侍女たちや、宗茂の側室たちの姿も見受けられる。
そして、柳川を去った薦野増時の二人の息子、甚兵衛と弥兵衛の姿もあった。
「お…お主たち…どうして…?」
全く状況をつかめない誾千代に対して、宗茂が笑顔で言った。
「行くぞ、誾千代!早く支度をいたせ!」
「しかし、われはこのように動けぬ身なれど…」
「そのような事は分かっておる!しかし、今日だけは無理をしてもらうぞ!」
いつも誾千代の体の事を気遣っていた宗茂が、ここまで強引に彼女を外へと連れ出そうとしているのだ。
よほどの事に違いない…そう感じた彼女は、観念したように、横になりながら首を縦に振った。
すると、奥から宗茂の側室たちや、侍女たちが素早く前に出てくると、彼女の体をそっと起こした。
「宗茂様。これより奥方様のお着替えになります。男たちはお外でお待ちなされ」
と、側室の一人が宗茂を優しく叱りつけた。
「やや!これはしたり!皆の者、外へ出るのだ!男は男で準備を始めようではないか」
――おお!
と、低い声で男たちは返事をすると、立花家の男であることを示すように、次の瞬間には足並み揃えて部屋から見えなくなっていったのであった。
………
……
誾千代が籠に入れられながら、外に出てきたのは、それから半刻の後であった。
ところどころに空には雲が見えるが、その色はどこまでも青く、小鳥たちが楽しげに唄う声が心地よい。
彼女はこの後一体全体何が起こるかなど、全くもって想像もつかなかった。
わずかな外からの柔らかな光が入ってくる籠に揺られ、彼女は不安と期待に胸を高鳴らせていたのである。
「誾千代、もう少しだからな。少し揺れるが辛抱しておくれ」
「宗茂殿、一体どこに向かわれているのでしょう」
「それは着いてからの楽しみとしようではないか。それ、もう目の前だ」
その宗茂の言葉とともに、彼女を乗せた籠は静かにその場に下ろされた。
そして、ゆっくりと彼女の視界が開けてくる。
そこで彼女の大きな瞳に飛び込んできたのは――
満開の桜であった――
「これは…」
あまりの壮大な景色に彼女は言葉を失う。
そんな彼女に対して、宗茂ははにかみながら、小さな声で言った。
「薦野殿から、話を聞いてな…誾千代の願いを叶えてやりたかったのだ」
その宗茂のあまりに優しすぎる言葉を聞いた瞬間――
――うわぁぁぁぁぁ!!
誾千代は慟哭した。
その慟哭とともに、爽やかな春風が辺りを包む。
春の木もその風に揺れ、小さな花びらが、青い空を桃色に染めた。
彼女は生きたかった。
もっとこの桜を愛する夫と見たかった。
来年も再来年も、この桜とともに皆と一緒に笑いたかった。
激しく、悲しい気持ちが『慟哭』となって現れる。
しかしそれは、時間とともに『号泣』へと変化していく。
桜の優しい微笑みと、彼女の様子を愛情をもってみつめる人々によって、悲しい気持ちは、いつしか感動へと変化していったのである。
そして、そこには彼女が、あの柳川の戦いの最中に見た『夢』の続きが、現実のものとなっていたのだ。
涙が…
止まらない…
止まるはずなどない…
それほどまでに、
彼女は幸せであった。
この時、彼女の中の全てが幸せに包まれていた。そんな彼女の気持ちに、巣食う病も、この時ばかりは自重してその姿を隠していた。
誾千代が泣き終えるのを静かに待っていた宗茂は、彼女が落ち着いたところで、優しく抱きかかえると、皆が待つ桜の木の下まで、ゆっくりと足を進めていく。
その場の全員が、笑顔と、飾り気のない愛をもって誾千代を迎え入れる。
そしてその背後にある、大きな桜の木は、そんな立花の家の者たちを、深い慈愛の微笑みをもって包んでいた。
そして、彼女の為に用意された腰かけに、彼女を寄りかからせると、宗茂はその場にいる全員に向けて告げた。
「さあ!みなのもの!始めようではないか!!えいとう!!」
――えいとう!!
その掛け声とともに、楽しい花見の宴が始まった。
立花宗茂が、軽やかに笛を吹く――
小野鎮幸が、若い衆相手に相撲を取り、むきになっている――
由布惟信が、みなを仕切り、宴を盛り上げる――
十時連貞は…集まってきた子猫たちに餌を与えている――
男たちも女たちも、よく働き、よく笑っていた――
みなが春を愛し、花を愛でていた。
人だけではなく、いつの間にかやってきた黒い子猫たちも楽しげにくつろぎ、小鳥たちも唄っていた。
誾千代は、幸せであった。
彼女は大きな事を望んでなどいない。
この場で愛する夫と、立花家の人々と過ごす…この事だけが望みであり、その慎ましい喜びに、彼女はこの上ない幸福に満たされていたのである。
ふと、陽に当たり過ぎたせいか、彼女は眩暈を起こした。
そこに添えられる、優しくて大きな手――
「誾千代、大丈夫かい?」
そこにかけられる春のそよ風のような声――
◇◇
そのわずか三日の後――
立花誾千代はわずか三十三の若さで、その生涯を閉じた。
史実では、翌年にその命を終えることとなるのだが、皮肉にも史実とは異なる柳川の激戦が、彼女の命を一年縮めることとなってしまったのである。
しかし…命とは、一年でも一日でも長らえる事が、本当に幸せなことなのだろうか…
その答えは、人それぞれであろう。
だが、この時の彼女は最後の最後まで、穏やかな笑顔を浮かべていたという…
それが示す意味は、ここで語るにおよぶものではないであろう。
彼女は、愛する夫が住む柳川城を臨む良清寺という寺にて、史実同様に手あつく葬られることとなった。無論、この寺は宗茂が彼女を弔う為に作らせた寺で、宗茂自身も柳川にいる時は、毎日のように彼女の墓の前で手を合わせていたのかもしれない。
そんな彼女の墓は、その形から「牡丹餅」と称されている。
もしかしたらそれは、彼女がこよなく愛した、余計な『葉』という『飾り』をつけず、どこまでも気高く大輪を咲かせる寒牡丹を表していたのかもしれない。
この寒牡丹という木は、花を咲かせるまでに、最低十年はかかるらしい。
花を咲かせることなく、寿命を迎える木も少なくないとのことだ。
しかし、彼女のこの寒牡丹のような飾らなく気高い人生は、その華を見事に咲かせた、と言ってもよいのではないか…そう思えてならないのである。
立花誾千代という女性に敬意を示し、その生涯を幸せに満ちたものとしたくて、この話を気持ちを込めて書きました。
みなさまは、どう感じられましたでしょうか。
さて、次回はなんと百話目になります…
全く進んでいなくて、申し訳ないのですが、早くも百話目です…
ということで、幕間として、「それぞれの花見」をお送りします。
これからもよろしくお願いいたします。




