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第一章  似すぎる姉妹(6)

 バードを出て、朝影は少女に連れられてとあるスイーツ店に入った。


「ここは……」


 朝影には、この店に見覚えがあった。そう、ここは黒神と一緒に来たスイーツ店である。とはいえ、彼女は中には入っていなかったので、実質初めての入店となる。

 少女の方は慣れているのか、サッと入ると目当てのスイーツがある場所に近づいていく。よりにもよって、黒神の好物である苺のショートケーキが目当てだったらしい。


「アナタは何も買わないのっ?」

「え、あ……うん。予定外の支出はしないほうがいいかな」

「そっか、じゃあ私が奢ってあげるねっ!」


 そういうと、少女はケーキを2つ取ってレジへと小走りで向かっていった。朝影は止めようとしたが、少女は全く聞く耳を持たなかった。


「ちょっ、そういうのは……って、もう買ってるし。不思議な人ね……」


 少女はケーキの入った箱を右手に持って、レジから朝影のほうへと走ってくる。その表情は嬉しそうだ。


「あっ、他に何か欲しいものあるっ? 良かったら……」

「ううん、それだけで十分よ。その、ありがとう」

「どういたしましてっ!」


 2人は店の外に出て、ベンチに座った。少女からケーキと店で貰ったのであろうプラスチックのスプーンを貰い、食べ始める。


(ん、美味しい。なるほど、外界のケーキとは味がかなり違うわね。こっちのほうが好きかも)


 少女のほうは一口食べるごとに嬉々とした表情を浮かべながら、足をバタつかせたりしてリアクションをとっている。見た目に反して、かなり子どもっぽい性格のようだ。


「ねえ、まだ自己紹介してなかったわね。私は朝影光、貴方は?」

「んー、私は月宮早苗(つきみやさなえ)だよっ。高校2年生っ!」

「じゃあ、同い年ね……って、貴方学校は?」

「え? ああ、私はまだいいのっ」


 月宮の学校は冬休みなのだろうか。


「そっか。月宮さん、ここにはよく来るの?」

「早苗でいいよっ。うん、お姉ちゃんとよく来てるよっ!」

「お姉ちゃん……? 姉妹、なの?」


「うん、2人姉妹っ。お姉ちゃんは学校だから、今日は私1人なのっ」

「それで、偶々出会った私を誘ったの?」

「光ちゃんも寂しそうだったからっ!」


 怒りをぶちまけていただけのような気もするが、少なくとも月宮の目には寂しそうに見えていたのだろう。


「姉妹、か。私もお姉ちゃんがいるわ……今はどこにいるのか分からないけど」

「そっかー、似てるね、私たちっ!」

「そうね、ふふふ」


 月宮のペースに巻き込まれてしまっているが、朝影はそれでも楽しかった。同い年の女の子と話すのが久しぶりだから、というのもあるがそれ以上に月宮の性格が朝影と相性がいいのかもしれない。

 2人の談話は続く。

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