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序章  入リ口

 時は遡り、12月31日。

 大晦日のこの日、街中では年越しのイベントなどで通りを埋め尽くすほどの人間がいた。各々楽しそうに今年最後のイベントを楽しんでいるようだ。

 だが、それは『表』の話だ。


 エデンには『裏』と呼ばれる領域が存在する。その名の通り裏社会のことで、ここでは多少の違法行為も免責される。

 そこに所属するものたちは主に一般人が寄り付かない路地裏や、そこにある建物などで生活している。


 『裏』には大きく分けて2つの組織が存在する。

 それが『(ホワイト)』と『(ブラック)』だ。『裏』とはこの二大勢力の抗争の場、と捉えるのが正解だ。


 そして、金髪のツンツン頭で中肉中背の少年、赤城焔(あかぎほむら)は『裏』に属するとある路地裏にいた。夜ということもあってか、携帯型デバイスの明かり無しでは周りが殆ど見えない。


 彼は数日前、親友である黒神終夜(くろかみしゅうや)と一緒に『楽園解放』という組織の隊長である神原嵐(かんばらあらし)と戦った。赤城は黒神と同じく入院をしていたが、黒神よりも少し早く退院した。

 その後、赤城はこの場所を探していたのだ。


「……来たか」


 闇の向こう側から、人影が近づいてくる。やがてその姿がデバイスの明かりに照らされた。

 中肉中背で、ショートの赤髪。その爽やかな顔立ちからは、とてもここにいるような人間とは思えない。


「それはこちらの台詞ですよ、焔さん。最終確認ですが、本当に宜しいんですね?」


 白を基調とした、軍服のような服を着た少年は優しい口調で尋ねる。


「ああ。そのためにここに来た」

「そうですか……それでは、ようこそ『裏』の世界へ。そしてようこそ『白』へ!」


 2人は握手を交わし、赤城のデバイスの明かりを頼りに闇の中へと進んでいった。

 これが、赤城にとっての入り口。こうして彼は『裏』へと踏み込んだ。

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