象徴詩『ストレンジ・ペット』
シトシト真夜中
中途重爆撃期
塹壕の貝殻
寝台の下から這い出てくる
どろどろぺニスの生えた愛玩生物
赤く夜伽する滑らかな光沢とヘドロの海
デパートの屋上から買う原色の水玉
ランチに食わされる妬み
示す情動は都合良く
舌に結ぶリボン
のし掛かってくる煙草の煙が
隠す救いを排す個個
マイナスのような憑依
言説空間の人質
ヌルヌル首を引き抜かれて黙る瞳
心臓の器から啜る
銀板写真に撮られている
開いた覗き窓
真っ赤なぺニスが隣で寝そべり
ぐちぐちと自涜に耽る
軍靴が血の扉一枚を隔てて
行進して行くぬかるんだ廊下
憑かれ切って声は無く
欠けた頭は鈍く
浄化されて どろどろの肉
ぺニスの水を焼き付けたエマーユ
私の寝台の底で
お前の薬莢と遺珠を拾った