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不遇スキル

 

「ここまで来れば大丈夫ですかね?」

「……ふぅ、そうだな」


 サービス初日の人混みをリサに手を引かれて駆け抜け、訓練場と書かれた建物に飛び込んで足を止める。


「ったく、相変わらずナンパはうざったい……」


「仕方ありませんよ、兄さんは美人さんなんですから」


「美人よりはかっこいいって言われたい……いや、いっそかっこ悪いって言われてもいいからナンパはやめて欲しい」


 なにが悲しくて男が男からナンパにされないといけないんだか。


「なぁ、やっぱり元に戻し……」

「ああ、今日が私たちの初めての記念日に……」

「いや、何でもない」


 どうにかさっきの精悍系の男顔に戻せないか交渉してみるが、敢えなく撃沈。……ちくしょう。


「ところでここは?」


「訓練場の個室スペースです。インスタンスエリアなので私たち以外は誰も来ませんし、周りや後片付けを気にせず訓練もできます。少しならスキルレベルも上げられますよ。

 まぁ最初ですから死ににくいですし、デスペナルティもあまり気にならない時期ですから、街周辺の狩り場の方が効率がいいので、ここは不人気スポットなんですけどね」


 不人気なのは逃げる俺たちにとって好都合だったな。


「そういや今日は追跡や増殖があまりなかったな」


 いつもなら逃げても追いかけてくる奴は居るし、騒ぎを聞きつけて来る野次馬の一部がナンパ野郎にクラスチェンジしたりするんだが。


「私が《忍び足スキル》のアーツを使ったからですね」


 アーツというのはAP(アーツポイント)を消費して使用できる、いわゆる技のこと。例えば剣系のスキルなら《スラッシュ》という通常の斬撃よりも高攻撃力の斬撃アクションのアーツがある。

 《忍び足スキル》は周囲から感知されにくくなるものだが、それは敵NPCだけでなく、プレイヤーも含むのか……。


「プレイヤーにも有効なら、俺も取っときゃよかったな」


「高確率で先制攻撃できますから、普通にオススメのスキルですよ。

 私は他に《格闘武器》《殴り》《蹴り》《投げ》《駆動》《光属性適性》《闇属性適性》《夜目》《柔軟》を選びましたけど、兄さんはどういうスキルを取ったのですか?」


 リサは近接格闘系か。防御系スキルがないのが気になるが……リサなら大丈夫か。


「俺は《全武器適性》《全属性適性》《武器防御》《格闘》《駆動》《解体》《採取》《目力(めぢから)》《アイテム作成》」


「……兄さん、見事に地雷スキルをとってますね。半分が地雷や不遇スキルですよ」


「半分って……どれがまずいスキルなんだ?」

 いくつかは何となくわかるが……。


「《全武器適性》と《全属性適性》と《格闘》と《目力(めぢから)》と《アイテム作成》ですよ。

 このゲームに限らず万能系は何でも出来る反面、器用貧乏なのは常識だと思うのですが……」


「《全武器適性》《全属性適性》のことなら使用感を確かめてから他のに変える予定だが……。

 他のは何が理由なんだ?」 


「えっ? 他のもすべて万能系スキルですよ?」

「え?」


 ……どういうこと?

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