Section7
Teana
なんとかジルの目から離れることができた!
いっつもジルは私のことについてとやかく言うんだもん。
でもやっとこうしてクレアちゃんと観光できるわけだし、いいかな?
「クレアちゃん、早速だけどどこ行くー?」
「……うーん、ジルから観光案内の冊子とか渡されたのはいいんだけど、どこから回ればいいんだか見当つかないんだよね」
「じゃあスイーツのお店行こう!」
「あ、それいいかも!」
やったー、クレアちゃんが賛成してくれた!
どこから回ればいいのかな?ちょっと冊子を見せてもらおうかな?
「……それとティアナ」
「クレアちゃん、なに?」
「ちゃん付けしないで……」
なんか、初日からこれずっと言われてる気がする……
私もやめようと思ってるんだけど、なんかちゃんって付けちゃうんだよね。
「……ごめんね。付けるのやめようって思ってるんだけど、なんかやめられなくて、ええとええと、それで……」
「あーまあ意識してくれればいいよ、ちょっとづつでいいから」
「うん!ありがとうクレアちゃん!」
……う。
また言ってしまった。
ちょっと楽しくなると駄目なんだよね。
あ、そういえば冊子見たい!
「ええと、あのクレアちゃ……クレア!」
あぶないあぶない。
「あはは……あんまり無理しなくてもいいけどね。それで、どうしたの?」
「あの、ジルからもらった冊子ちょっと見たいなって思って」
「ああ、これね。はい、どうぞ」
(――ええと、今ここなんだよね……こことかよさそう!)
……このクレープ屋さんはなんか有名らしい!
値段もほかのところより安そうだし、なんか名前がいいなー。
「ここなんかどうかな?クレープ屋さんなんだけど、安いしおいしそうだよ」
「いいかもね、ここ。じゃあここに行ってみる?」
「うん!じゃあクレアついて来てー!」
「……え、ティアナ道分かるの?」
もう、クレアちゃん馬鹿にしないでよー。
私だってもう大学生なんだし道くらい分かるんだから!
ちゃんといろいろできるところをクレアちゃんに見せてあげよう。
「分かるよ!!クレアちゃんついて来てね!」
……よし、頑張ろう。
クレープ屋さんにれっつごー!