Section6
Lucerna
やっと旧ミネラドロワの首都、クラクスに着いた。
朝8時頃に出発したけれど、もう12時を回る時間。
みんなとゲームをしたり、ご飯食べたりしてあんまり退屈はしなかったけど、だいぶ時間が経ったと思う。
ジルの言っていた通り工業中心の街で、来る途中の電車の中でも工場が立ち並んでいるのが印象的だった。
「じゃあ、これからクラクスの歴史資料館に行こうと思う」
そうだ、歴史資料館に行くんだった。
――たぶんティアナとかクレアは退屈だよね。
何も言わなかったけど、案の定ちょっとティアナは重苦しい表情だ。
ちょっと拗ねてるみたいな感じだった。
クレアはなんともなさそうな顔をしてるけどもしかしたら内心ちょっと暇かもしれない。
もともと私が強引に誘ったようなものだったし……
それを察してくれたのかジルはもう一言付け加えた。
「あ、ティアナは退屈だろうと思って別行動にしようと思ってたんだよ」
「え!いいの?やったー!」
……そしてこのテンションの移り変わり。
まあ、確かにティアナは歴史研究会のメンバーだけどあんまり興味なさそうだもんね。
でも流石にティアナ一人にするのはちょっと心配だからたぶん考えはあるんだろうけど。
そして案の定、ジルはさらにもう一言付け加えた。
「クレアは資料館とか行きたくないよね?」
「……私はどっちでもいいかな、みんなが行くなら付き合うよ」
「ラルフはどうする?」
「俺は歴史のことは興味あるから資料館でいい」
ジルは少し考えて、しばらくして口を開いた。
「じゃあこうしよう、ティアナとクレアの2人、僕とルーシェとラルフの3人で行動する。クレアにならティアナに何かあってもしっかり対応できるだろうし、
いいと思うんだけどどうかな?」
「うん、私はいいよ」
クレアは快く受け入れてくれた。
なんか少し位嫌な顔すると思ってたけど、そんなことなかったみたい。
「……よし。じゃあ、夕方5時くらいにまたここに集合しようか」
「わかった、その間まで私たちは観光してればいいのね」
「うん、じゃあティアナ頼むね」
……当のティアナはなんか目を輝かせてもうあちこち行きたくてうずうずしてるみたいだ。
クレアはクレアでどこか行きたい所とかあるのかな?
まあ私ならともかく、クレアならジルの言う通りティアナのことで何かあっても大丈夫だと思う。
――と、それじゃあ私も行こうかな。
歴史資料館ってどんなところなんだろう、楽しみ!