Section2
Teana
昨日はなんだかとってもいろいろ楽しい一日だった。
ルーシェちゃんとクレアちゃんが研究会に入ってくれるかもしれないし!
というわけで、私はジルと一緒に2人を待っている。
いつ来るか楽しみ!
「ティアナ、昨日も言ったけどあんまり知らない人に迷惑かけちゃダメだよ?」
「ごめんジル、でも旅行も研究会ももっと人多いほうがいいでしょ?」
「……そうだけど、自分たちの都合で他の人に迷惑をかけるのは良くないと思う」
――ジルの意地悪。
私はこの活気のない研究会を盛り上げるためにわざわざ人集めしてるのに!
でも、実際昨日はちょっとはしゃぎっすぎちゃって、あんまり言い返せないのが悔しい。
「――誰かいるかー」
あ、ラルフが来た。
ラルフはいつも唐突に現れるからびっくりする……
「ラルフ、何も言わずにいきなり入ってこないでよ」
「ごめんごめん、まあ許してくれよ」
「遊びに来てくれるのは嬉しいけど、ティアナも僕もびっくりするじゃないか」
「だからごめんって!」
ジルも私と同じこと考えてたんだ、でもラルフっていつもこんな感じなんだよね。
私がそんなことを考えていると、ラルフの後ろから誰か来たみたいだった。
「――ええと、こんにちはー」
「……こんにちは」
私の待っていた二人が来た!
なんだか今日も盛り上がって面白い一日になりそう。
すぐに挨拶挨拶♪
「ルーシェちゃんとクレアちゃん、こんにちはー!」
「ええと、ちゃん付けはしないでいいからね?」
挨拶返されるよりも先にクレアちゃんにちゃん付けするなって言われた!
ジルの言葉も思い出して、流石に昨日から馴れ馴れしすぎたかも。
「ごめんね、ちょっと馴れ馴れしすぎたよね……?」
「あ、いや……そうじゃなくて、ちゃん付けされるのに慣れてないから」
……そうだったんだ。
ちょっと気にしてたけど大丈夫みたい。
「二人共、よく来てくれたね」
ジルが私に続いて挨拶する。
「あ、ええと……この人は?」
ルーシェちゃんはラルフが気になるみたい。
まあ、知らない人がいたら気になるよね、私もそうだし!
とりあえず、私が紹介しておこうかな。
「この人はラルフ!なんか人見知りだけどいい人だよ!」
「……ティアナ、それじゃ何も伝わらないってば」
う……
だってわからないんだもん!
私が心の中でジルに文句を言っているとラルフが自分から自己紹介をした。
「俺はラルフ、ここにちょくちょく顔を出したりしてて、ジルの友達って感じだ」
「ラルフはティアナが言ってたようにちょっと人見知りだけど、結構根は優しい奴だから仲良くしてやってね」
「……ジル、余計なこと言うなって」
(――なんか、こんなに盛り上がるのは久しぶり!)
みんなで仲良く話してると自分もわくわくするんだよね。
なので、是非とも二人には歴史研究会に入って欲しい!
できればだけど……みんなで旅行とか行きたいなぁ。
きっとみんないい人だし、五人で旅行とか行ったら絶対楽しいよね!
「そういえば、旅行ってどこに行ったりするの?」
ちょうど私が話したかった内容をルーシェちゃんが言ってくれた。
「うーん、今調べているのは200年くらい前の戦争の話なんだけど、その資料とかを集めながら現地調査に行こうと思ってるんだ」
「――200年くらい前の戦争?」
「そう、アネクシオン戦争って言われてる戦争なんだけど……」
ジルが戦争の話について語りだした。
「もともと今のこの国は200年くらい前には5つに分かれてたんだよ」
「あ、それは知ってる。それでシュヴァルツが勝って統一したんだよね?」
……うんうん、それは何度もジルから聞かされた話だー。
「そうそう、結局戦争には勝ったんだけど、いろいろとそのやり方というか……よくわからないことがいくつかあるんだよ」
確かに、当時の常識で考えてもあまりにもいろいろと奇妙な点がある。
その5つの国はそれぞれシュヴァルツ、ブロンシェル、ミネラドロワ、グリス、アルジェントで、シュヴァルツが今統一して一つの大きな国になっている。
それを短期間のうちにシュヴァルツは5つの国をまとめて統一してしまったという話がどうもおかしいらしいんだけど。
……まあ、私はあんまり詳しくないからよくわからないんだけどね!
ジルの話を聞いている間、ルーシェちゃんとクレアちゃんはちょっとよく分からないながらも結構まともに話を聞いている様子だった。
もしかしたら二人共興味を持ってくれたかもしれない。
……一方のラルフは窓の方を見ながらなんか黄昏てるみたい。
しかもなんかぶつぶつ呟いてるし……
「まあ、簡単に話すとこんなところかな。ちょっとは興味持ってくれた?」
「……」
「あ、興味なくても全然構わないからね。僕としてはここに来て話してくれるだけでも……」
「……めっちゃ面白い!!」
……いきなり大声を上げたのはルーシェちゃんだった。
私も含めてみんなびっくりしてるみたい、さっきまでおとなしかったのにルーシェちゃんって面白いなぁ。
「ちょっとルーシェ、いきなり何……」
クレアちゃんも驚いてる様子。
「ジルの話面白い!もっと聞かせて!」
「ルーシェが興味持ってくれて嬉しいよ、僕の話でよければいくらでも」
「うんうん、聞く聞く!」
ルーシェちゃんもだけどクレアちゃんのほうもジルの話に興味を持ってくれたみたい。
このまま二人共研究会に入ってくれればいいんだけど……
「……それでね、ブロンシェルはシュヴァルツに……」
「うんうん!!それでそれで?」
ルーシェちゃんが目をキラキラ輝かせながらジルの歴史の話を聞いている。
「クレア、私歴史研究会入る。もう決めた、今決めた!」
「わかったから落ち着きなさい……」
「……クレアも入るよね?まあ入らないとは言わせないけど!」
「はいはい……」
「ルーシェもクレアも研究会入ってくれるの?それは嬉しいな!」
「人数増えれば面白そうだし、いいんじゃないか?」
この流れだと多分二人共入ってくれそう!
ラルフまで後押ししてるので私も後押ししてみることにした。
「そうだよー、人数増えれば楽しいし、それにええとええと……楽しいよ!!」
うん、楽しければOKだよね。
――結局、会ってから2日で二人共歴史研究会に入ってくれることになった。
二人とも仲良くやれそうだし、これも私が誘ったおかげだよね!
なんだかこれからどんどん楽しくなりそうで私は胸がワクワクしたままその日を過ごした――




