Section16
Teana
やっとブロンシェル、じゃなくてクォンツィアについたー!
さっと見回しても街の統一感がすごく綺麗!
……私もこんな場所に住んでみたいなぁ。
私たちはクォンツィアについて電車を降りた後、ちょうど昼食を駅の前のレストランで取ったところ。
今からコンサートを見に行くためにコンサートホールまで歩くみたい。
「ねえジル、今日はホテルに泊まるんでしょ?」
「そうだよ、と言ってもまあ、今日だけなんだけどね」
ルーシェちゃんがジルに話しかけているのが聞こえたけどホテルに泊まるのかな……?
私もジルに聞いてよう!
「ジル、ホテルってどんなホテルに泊まるの?」
「ええと……なんて名――」
「……ラブホテルだ」
ジルが答えるより先に、ラルフが答えてくれた!
ラブホテル……ってなにかな?
広くてベッドふかふかだったらいいなぁー!
「ねえラルフ、ラブホテルって広いの?あとベッドふかふか??」
「……ええと、だな」
……??
なんかラルフ黙っちゃった。
「ラルフ……冗談言おうとして自分で墓穴掘ってどうすんの……」
ジルはラルフに話しかけてるけど……どうなってるんだろう。
「悪いティアナ、今のは忘れてくれ」
「何で忘れないと駄目なの……??」
「何でもだ……」
よくわかんないー!
だけど、なんかラルフも大変みたいだし忘れてあげよう。
そんな感じで雑談しながら、私たちはコンサートホールへと向かった。
――しばらく歩いてコンサートホールに着くと、結構大勢の人が集まっていた。
こんなに多くの人、ティリンじゃ見れないかもしれない。
「……すごい人だね、ティアナはぐれないように気をつけてね」
ジルにまた注意されたー。
もう、子供じゃないんだから!
「はぐれないよー!もうルーシェちゃんにずっとくっついてるからいいもん!」
「……え、それは、その……」
「ルーシェちゃんにくっついてれば大丈夫!」
「ティアナ……その、暑いからそんなにしがみつかれると……暑い……」
ルーシェちゃん何か言ってるけど周りがざわざわうるさくて聞こえない!
……とりあえず、席を探さないとね。
なんだか、チケットを買うときにみんなと一緒に席が取れなくて、私とルーシェちゃんの二人と、ジルとクレアちゃんと、ラルフで分かれて座ることになっちゃったらしい。
「ルーシェちゃん、ここでいいの……?」
私はチケットの席を見つけてルーシェちゃんに話しかけた。
「うん、ここでいいみたい。そういえば、このコンサートってティアナがジルに頼んだんだよね?」
「そうだよ!私ピアノのコンサート大好きだから、なんかクォンツィアでコンサートの鑑賞したいなって思って」
「そうなんだー。あ、こんなこと言っちゃティアナに悪いかもしれないけど私コンサートとかちょっと苦手なんだよね」
……え?
以外だけど、気持ちは分かるような気がする。
興味ない人にとっては退屈だろうし、つまらないかもしれないよね。
「……ルーシェちゃん、あんまり無理とかしなくて大丈夫だよー?」
「ええと、コンサート聴くのは好きなんだけどね!なんか、なんて言うんだろうわかんない!」
ルーシェちゃんが混乱してる、なんかかわいい!
……人の好みだもんね、考え方は人それぞれだとは思う。
と、そんなことを話している間にコンサートは始まった――