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Entwined complexity  作者: emiru
現在編(第一章)
14/109

Section12

Gilles

目が覚めると自分の部屋のベッドはないことに気づいた。

宿のベッドで自分が寝ている、いつもと違う感覚。

……旅行の時のこういう気分が新鮮でいいと思う。

時間は6時半、そろそろ起きてもいい頃だ。

「ジル、起きたのか」

「ん?ラルフも起きてたんだ」

「俺はいつも5時ごろには起きてる」

それは何よりいいことではあると思うんだけど。

なんでそれで遅刻するんだろうか……

……遅寝早起きはよくないんじゃないかな。

「ラルフはそんなに早く起きて何やってるの?」

「勉強だな」

真面目すぎて少しびっくりした。

確かによく見ると参考書を机に広げて、ノートにいろいろ書いてある。

「すごいね、今まで知らなかったよ。何かしたいこととかあるんだっけ?」

なんか前は国に関わる仕事がしたいとか言ってたような気がする。

「まだあまり決まってないが、やっておいて損はないだろう」

「もしかして、今回の旅行も勉強のためだったりする?」

「今回は遊ぶために来た」

……え。

歴史の勉強とかのためじゃないんだ。

それだったらもっと楽しめばいいのに。

僕の目的は歴史の研究だけど、他のみんなにそれを付き合わせようとは思っていない。

だから昨日はティアナとクレアには自由に行動してもらったし、別行動にした。

「それなら、ラルフも気兼ねしなくていいと思うよ」

「ん?あぁ、いやこれでも十分楽しいさ。なかなかに面白いメンバーだ」

「そう思ってくれてるならよかったよ、それじゃあ今日もめいいっぱい楽しもうか!」

「おう、そうだな!」

なぜか乗ってくれるラルフだった。

僕としてはあんまりラルフは普段口数が少ないから、素直にいろんなことに乗ってきてくれると嬉しい。

……じゃあ、さっさと着替えて朝食を食べに行くかな。

そんなことを考えながら僕らは起床した――


一階に降りると、既に何人かの人が朝食を取っていた。

そして、しばらく待っているとティアナたちが来た。

「ごめん、ちょっと寝坊しちゃって……」

来て早々、クレアに謝られた。

確かにクレアとルーシェはともかくティアナの髪の毛がぼさぼさになっている。

まあ少し遅かったけど、ぜんぜん気にはしていない。

「大丈夫、僕もさっき起きたところだよ。それじゃあ朝ごはんを食べようか」

そういってみんなで朝食を食べ始める。

「ジルー!今日はどこ行くの?」

あれだけ説明したんだけど、忘れられているみたいだった。

本当にティアナはしょうがないなぁ。

「今日は特にあんまり予定はないんだけど、一つ行く場所があるって行ったの覚えてない?」

「覚えてない!」

「……ティアナ、ちゃんと覚えといてよ。鉱山に見学に行くんだ」

「鉱山!!鉱山に何しに行くの?」

(……だから見学だってば――)

「見学しに行くんだけど、目的はその歴史かな。ミネラドロワの工業発展について詳しい資料とかが展示してあるんだ」

資料の展示という点では、昨日とあまり変わらない。

ただ、今日行く鉱山はミネラドロワの歴史などにも深く関わっているため今まで知れなかったミネラドロワの歴史をより深く知ることができるかもしれない。

何より大きな鉱山で、200年ほど前から相変わらず採掘を続けている。

生産量こそ劣ってしまったが、今でも国内有数の鉱山の一つだそうだ。

「なんか面白そう!」

ルシェルナは歴史好きみたいで、結構興味があるみたいだ。

「興味もってくれて何よりだよ。あ、どうせだから今説明しておくけど、明日はクォンツィアに行くからね」

「クォンツィアって……ブロンシェルだよね?」

ティアナはクォンツィアに興味あるみたいだけど……

ブロンシェルというか、今はシュヴァルツに統一されてるけどね。

「今はシュヴァルツだけどね。ティアナはブロンシェルに興味あるの?」

「うん!なんか綺麗で文化的っぽい感じだよね!」

「そうだね、芸術の街として知られているからね」

クォンツィアは、ブロンシェルを調べる上でも重要な都市だし歴史も深い。

明日から行くつもりだけど、だいぶ調べたいことがいろいろある。

まあ、とにかく今日は鉱山見学だ。

朝ごはんを食べて張り切って出かけよう!

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