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Entwined complexity  作者: emiru
現在編(第一章)
13/109

Section11

Lucerna

宿についてから、私たちは男女それぞれ別れて部屋に入った。

その後夕食を食べて、シャワーを浴びて、もう10時。

……今日は初日だけあって張り切っていただけにちょっと疲れたかもしれない。

「あれティアナ、どうかしたの?」

ティアナはなんかボーっとしている感じだ。

「ちょっと眠いだけだよー……」

どうやらティアナも疲れてたみたいで、旅行でよくやる夜話みたいなことはできないかも。

ちょっと楽しみにしてたんだけど……

……って。

「るーしぇちゃん……」

挿絵(By みてみん)

気がつくとティアナが私の肩に寄りかかってる!

なんかティアナって小さいのにふわふわしてるなぁ。

寝てるのか寝てないのか分からないけど、目をつむって肩に寄りかかってるのがかわいい。

どうしても憎めないかわいさがあるんだよね、この子は。

(――ティアナはかわいいなぁ……)

ぎゅーってしたくなっちゃう。

……しないけどね。

でもなでなでくらいならいいかな?

――なでなで。

――なでなでなで。

――なでなでなでな……

「ルーシェ何やってるの……」

あ、クレアに気づかれた。

「なんかもふもふしててなでなでしたくなっちゃって……」

「ふぁうー」

ティアナは寝てるのかおきてるのかわからないけど。

と、そんな私たちのやりとりを見ていたクレアが口を開いた。

「ルーシェ、ティアナをいじるのやめなさいよ……」

「ごめんごめん」

「そろそろちゃんと寝かしてあげたら?」

クレアにそう促されたので、ティアナに話しかけてみる。

「ティアナ、もう寝る?」

私が聞くとびくっとしてティアナは起きた。

「え!ええとええと、寝ない!」

「ティアナ眠そうだけど大丈夫?」

私は寄りかかっているティアナに聞く。

「うーん、出来ればもう寝たいけど……大丈夫だよ」

ちょっと無理してそうな感じがするけど、大丈夫かな?

……もしかしたらティアナはいつも早く寝てるのかもしれないし、それなら遅くまでつき合わせるのもあまりよくない。

「ティアナ、なんか話そうよー」

……こういうときに空気を読めないクレアだった。

さっきまで寝かしてあげたらっていってたのに。

まあ、一緒に話すのは楽しいけどね!

「クレアちゃん、なに?」

「ティアナって、なんか趣味とか得意なこととかある?」

「あるよー!」

……以外にそれは気になるかもしれない。

何なんだろう?

「なになにー?教えて」

「うーん、ピアノとか大好きー!」

――ピアノかぁ。

ピアノは昔弾いてたことがあったけど、なんか自分に合わないというかうまくならないというか……そんな感じで最近はちょくちょくしか弾いてない。

……なんだろう、懐かしい気分。

「ティアナはピアノ好きなんだ、私も昔はやってたよ、今はたまに弾くくらいだけど」

なんとなく興味があったので私も会話に参加。

「ルーシェちゃんもなんだ!ルーシェちゃんは趣味とかあるの?」

……私の趣味かー、何だろう?

強いて言えば、歌が好きなこととか……かな。

「うーん、歌を歌うのは好きだよ」

「あ、確かに。ルーシェは歌うまいよね」

「ルーシェちゃん歌うまいんだ!」

うまいと言うか、歌うのが好きなだけなんだけどね。

両親は2歳くらいのころから歌い始めたとか言ってたし。

「なんか好きなんだよね、歌うとすっきりしない?」

「うんー、私は歌うまくないからわかんない……」

……以外かも。

ティアナは歌とか美味いそうだけど。

でもピアノ弾けるのは羨ましいなぁ、私も弾けるようになりたかった……

「そっかー。……そういえばクレアって趣味とかあんまりないよね?」

「んー、ないことはないけどね」

なんかクレアの趣味って思い当たらないんだけど、何かあったっけ。

「なになにー!教えて!」

さっきのクレアの真似してみる。

「私の真似したから教えない」

「ごめんなさいクレアさん許して」

たいてい謝ればまあ、クレアは許してくれる。

「やだ」

――え。

そんな馬鹿な。

クレアの扱いは完璧だったはずなのに、どこで間違えたんだ!!

「クレアちゃん、私も聞きたいー!」

「……う」

ティアナに押されてる!?

もしかしたらいい弱点を見つけたかもしれない。

「……まあ、趣味といっても料理なんだけどね」

そしてあっさりとばらした。

というかクレアが料理すきなのとか上手いのとか知ってるし。

「……それ趣味なの」

「趣味でいいんじゃないの」

……まあ、いっか。

趣味でも趣味じゃなくても好きなことに熱心になることは悪いことではないよね。

「趣味だよー!クレアちゃんはいいなー。私料理とかぜんぜん駄目だからジルに全部作ってもらうよ」

この子駄目な子だ……

お嫁にいけなくなっちゃうよティアナ。

ジルもジルで大変そうだなぁ。

でもぜんぜん嫌がってる感じじゃないからほのぼのとするけどね。

これでジルが気難しかったら、絶対幼馴染とか無理だったんじゃないかと思う。

「あと、ええと、私眠くなってきちゃった……」

「あ、ごめんね、なんかいろいろ話しかけちゃって」

気づけば12時を回ってたし、ジルからも今日は早く寝るように言われていた。

なんでも明日はクラクスをまた回ったああと、クォンツィアに向かうらしいし。

「ううん、大丈夫だよ。楽しかったからまた明日も話したい!」

「そうだね、私も楽しかった、また明日話そう!」

そういって私たちは明日に備えて寝るのだった――

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