Section9
Teana
クレープ屋さん……どこだろう。
ええと、ええと、どうしよう。
――あれ?
ここ、どこだっけ。
「ちょっとティアナ、かなり歩いたけどまだなの?」
私ががむしゃらに進んでるのがバレたのか、クレアちゃんに聞かれる。
……どうしよう。
「ええと……道がわかんなくなちゃって……」
「え……」
クレアちゃんごめんなさい!!
どうしようどうしよう……
「あーそんな顔しないでいいから!大丈夫大丈夫、私たぶん分かるから」
「本当……?」
「うん、大丈夫だって。ほらこの案内板見て、私たちは今ここで、ここから来たわけ。ここからこう行くとここがクレープ屋さんだと思う」
クレアちゃんすごい……
だけど、なんか私悪いことしちゃったなぁ……
ちょっと見栄を張りすぎちゃったかもしれない、反省反省。
「ごめんね、クレアちゃん……私のせいで」
「大丈夫だから!あんまり気にしないでいいよ」
「ありがとう……」
「それに、歩いていた間道はちょっと違ったけど来る方向はあってたみたいだし、結果オーライだよ」
そういってもらえると私嬉しい!
私が悪いのは変わりないんだけど……
結局ガイドブックを頼りに、私とクレアちゃんはクレープ屋さんに向かい、無事つくことができた。
クレアちゃんもスイーツ大好きって聞いてたけど、なんか一番高くて大きいの頼んでびっくり!
太ったりしないかな?大丈夫なのかな……?
「ティアナもスイーツ好きなんでしょ?なんでこれ頼まなかったのよ」
「ええと、ええと……高かったから!」
「あんまり値段変わらないと思うんだけど……」
「そうなんだけど!その、大きいからそんなに食べれないかなって思って!」
……なんて言えばいいのか分からないよー。
だって、面と向かって「太りそう」とか言えないし……
私もクレープ普通に食べちゃってるけど!
「うーん、それはそうかもね。これ普通のサイズの2倍くらいはあるし」
それ分かってるんだ……
でも……なんかクレアちゃんって面白い!
こうやって二人でいるとお互いのあまり知らない一面が見えて嬉しくなる。
「……あ、もうこんな時間だ」
「え?今何時なの?」
時計を見るともう午後3時半だった。
ここまで来るのに1時間近くかかったからあんまりのんびりはしていられない……よね?
あ、でもあと30分くらいなら大丈夫かな。
「3時半だけど、もう少しくらいなら大丈夫かな?」
「そうねー、じゃあもうちょっとのんびりしてよっか」
「クレアちゃんはそう言ってるけどしっかりしてるよね!私と違って!」
「うーん、まあルーシェがあんな感じだから。あの子ああ見えて意外に真面目で健気だから私が支えてあげようかなって思ってるんだよね」
……クレアちゃんって友達思いなんだなぁ。
私はルーシェちゃんとは違うと思うけど、ジルに迷惑かけてるのかな。
どうせならクレアちゃんに聞いてみよう。
「クレアちゃん、私ってジルに迷惑かけてると思う……?」
うーん、と唸りながらクレアちゃんは考え込んだ。
どうなんだろう!
で、結局。
「んー、傍から見たらめっちゃ迷惑かけてるね」
「……うぅ」
やっぱり迷惑かけてたよね。
でも、その後にクレアちゃんは付け加えて話し続ける。
「でも、たぶんジルがティアナに対してちょっとおせっかいというか、世話焼きな感じあるから、持ちつ持たれつの関係に見えるかな」
「じゃあ私迷惑かけてない?」
「まあ、迷惑じゃないと思うよ。それにティアナはみんなのムードメーカみたいな感じだし」
やったー!!
クレアちゃんに認められた、嬉しい!
「ティアナ、結構時間たったしそろそろ行こっか」
「うん!」
――そういえば、ムードメーカってどういう意味だっけ??
ムードなメーカーかな。
……?
わかんないからいいや!