Section47
Teana
(――昨日はいろいろあったなぁ……)
ドタバタしながらアルフォンスのこととかヴァイスハルトのこととかマリエルさんのこととか聞いちゃって。
でも……ルーシェちゃんと仲直りできてよかった。
本当は私も仲直りしたかったし、こんなふうに過去のことで喧嘩しっぱなしって良くないとも思ってたけど……
なんか意地になっちゃってたみたい。
「ティアナ?どうしたの?」
……あ、ルーシェちゃんに心配されちゃった。
考え事してるといっつも周りが見えなくなるってジルにも言われたし気を付けないと!
「ううん、なんでもないよ」
「そう?それならいいんだけど、もう一回ここ合わせてみよう」
「うん!」
私はルーシェちゃんと学校のピアノの練習室で一緒に演奏や歌を合わせながらコンサートに向けて練習している。
――コンサートといってもジルの叔母の家……つまりエルナとアルフォンスが住んでいたあの家で歴史研究会のみんなを集めてするんだけどね。
あの家でルーシェちゃんと一緒に演奏すると思うとなんかわくわくするなぁ。
まさかジルの親戚がラインブルクと繋がってたなんで思わなかったけど……
でもだから真実が知れたんだよね、ジルには感謝しないと!
「ルーシェちゃん、いい感じにできたね」
「そうね、この調子で行けば2週間あれば間に合いそう」
ジルが叔母さんを説得してなんとか2週間後に予定をとってくれたんだよね。
なんだかんだでいっつもジルがやってくれるなぁ。
――あ、そうだ……
「ルーシェちゃん、曲なんだけどね……」
「ん?どうしたの?」
「……ええと、ええと、今更なんだけど本当にこの曲で大丈夫?」
「……なんで?」
「その、シエラちゃんのお父さんの時の曲だから――」
私はそこまで言ってはっとなる。
(――もしかしたら忘れてたのに思い出させちゃったかな……)
しばらく考え込んだ様子だったけど、ルーシェちゃんは口を開いた。
「……うーん、確かにあんまりいい思い出じゃないけど、だからこそ今度は歴史研究会のみんなに私たちの演奏を聞いてもらっていいコンサートにしたいなって思うんだよね」
「ルーシェちゃんがそう思うなら、私も頑張る!」
昨日も話したけど、過去は過去だもんね。
せっかくこういう形でやり直すことができるんだからルーシェちゃんのためにも頑張らないと。
「じゃあルーシェちゃん、もう一回練習しよう!」
「うん、頑張ろう!」