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Entwined complexity  作者: emiru
現在編(第五章)
100/109

Section43

Lucerna

「――それは違うよ。シエラ・エルスリールを殺したのはアルフォンスじゃない――」

……ジル!?

私たち三人の目の前に現れて話を遮ったのは、ジルだった。

そんないきなり現れたジルを前にティアナが最初に口を開いた。

「ジル、どうしてここに……」

「やっと謎が解けたんだよ、全てのね」

謎って、もしかしてアルジェントがなんでシュヴァルツにいきなり攻撃されたかっていう……ことだよね。

それはアルフォンスの差し金だったってことがいまこの書類で明らかになったばかりだけど、どういうことだろう。

私の心の疑問に答えるように、ジルは続けた。

「シエラを殺したのは、ヴァイスハルト・ローゼンミュラーなんだ。僕は自分の研究でもどうしてシュヴァルツはアルジェントを真っ先に攻撃したのかについてずっと疑問を抱いていた」

ヴァイスハルト……?

何でヴァイスハルトが私を殺す必要があったんだろう?

「多分いろいろ言っても分からないと思うけど、これを見てほしいんだ」

そう言ってジルが取り出したのは古い何かの日記帳のようなものだった。

「これは……?」

ずっと話を聞いて黙っていたクレアがジルに聞いた。

確かに、これはなんなのかな。

「これはアルフォンスの日記なんだ、ここに全ての真相が書いてあったんだよ」

――え?

アルフォンスの日記……?

どうしてそんなものがジルの手元にあるのかにも疑問だけど、アルフォンスが日記を書いていたなんて。

……そして、この事実に一番黙っていられなかったティアナが口を開いた。

「なんで、アルフォンスの日記をジルが持ってるの……」

「ええと、話すと長くなるんだけど僕はアルフォンス個人についててもずっと調べてて、何か200年前の戦争について手がかりがないか探っていたんだけど調べているうちにある所にたどり着いたんだよ」

「ある所?」

「そう、アルフォンスが最後まで住んでいた場所だよ、彼はアルジェントに着てからまた戦争の際にブロンシェルに戻っているんだ」

すごい……

ジルはそこまで調べたんだ、たぶんいろんな文献とか片っ端から調べて回ったんだろうなぁ。

でも、思えば私の中でもアルフォンスとティアナが白の国のどこに住んでどんな人生を送ったのかなんてわからないからそれは気になるかもしれない。

「それで、それがどうかしたの?」

ティアナはやっぱりこの話には興味があるようで、続きを聞きたがっているみたいだった。

ジルは少し間をおいてからそれに答えた。

「そしてたどり着いた場所が……僕の叔母の家だったんだ。思えば叔母の家は歴史ある家でラインブルク家との繋がりもあることがわかった」

ジルは私たちに驚く暇も与えずに喋り続ける。

「それで、叔母の家にルーシェ達がどこかに言っている間に行っていろいろと昔の倉庫とかを探していたら案の序アルフォンスの私物がいくつか出てきたんだよ」

「まさか……あの場所が――」

ティアナは本当に驚いた様子で何かを思い出したような表情を浮かべている。

きっとティアナもティアナで思うことがいっぱいあったんだよね。

……私もそうだったから気持ちは分かる。

そんな空気のまま私たち4人はとりあえずティアナの家に入って続きを話すことにした――

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