偏差値0...入学
初の試み、恋愛小説です。今までも何度か恋愛を盛り込んで来たことがありますが、こんな風にしっかり(?)書くのは初めてです。
それに今回は物語的な部分でファンタジー要素一切なし。自分で書いててこれでいいのか…!?など、いろいろ考えてしまいます。
今回はヤンデレちゃんが主人公です。主人公が病んでると動かしづらいところもありますが、頑張って書きますのでよろしくお願いします。
あと、今作では自分の好きな男の子がわんさか書けるのでとても楽しく書かせていただいてます。皆様もどうか楽しんでお読みくださいませ。
7168.
先輩、貴方の事がずっと好きです。
何度ノートにこの言葉を綴ればいいのか、もう一冊使い果たしてしまった。病んでるなんて言われたり引かれたりする、けど、とんでもない。これは私の愛の形よ…
ねぇ、せん ぱ い? わたしにだけ、 笑顔 をみせて。
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入学式―新品の制服に身を包んだ新入生と呼ばれる一年生が、何人錆びた鉄の門を通っただろうか。
私もその門をくぐって桜の花びらを大いに浴びた新入生の一人である。名は藍沢 汐音、自分ではよく分からないけれどかなり影が薄いらしい。唯一目立つところと言えば、この銀髪だろうか。因みに髪型はボブヘアと言っておく。
まぁそんなことはさておいて、私もこの四月に遂に花の高校生となることに成功したのだ。地獄の様な受験生生活を経て―。
「はああ~…空気がおいしい~っ。」
家から電車で一時間半ほど掛かったこの私立高校は、中三になるまで名前も知らなかった様な、まぁそれなりの高校である。偶々友人に「文化祭に行かないか」と誘われて遊びに行き、そこで名を知ったのだ。
正直自分でもこの高校に行くなんて思いもしなかったが(何せ偏差値が高いもので)、友人と行った文化祭が楽しくて楽しくて、悩んだ末決めたのである。
当然学費の問題で親からは大反対された。第一志望が私立で行けるほど家は裕福じゃないし、大体私の頭で入れるのか、と。
その二言目にカチンと来た私は、今までになく猛勉強に励んだのだ。見返してやる!その一心で。
そして私の努力は実り、晴れてこの高校に入学できたと。私の努力を見込んで、両親も渋々賛成してくれたし。
「まぁ…ホントの理由は文化祭だけじゃないけど。」
入学式も部活動紹介も委員会紹介も終わった今、学校は仮入部期間一色だ。全部活動が新入部員を増やすために必死である。
運動部から文化部まで一斉にチラシ配りをしているものだから、地面いっぱいにチラシのごみが散らかっている。美化委員や風紀委員はこれから忙しいのだろうなと感じさせる。
そして私が今向かっている先は、生徒会委員。特に真面目とも頭が良いとも言えない私が何故生徒会なのか、と聞いてくるクラスメイトが多々いた。もちろん自分でもそう思っている。
「そうよ、私は真面目でも秀才でもない。全ては愛しの先輩の為に――!!」
…誰もいないからできることだが、もしこの場に人が居たらかなり痛々しい光景だとやってから気づいた。やはり私は阿呆だと思う。
――そんな阿呆なヤンデレの紡ぐ(ドロドロ)青春コメディーが今、始まる…―