表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
刹那  作者: するめ315
5/15

5

今回少し長めです。


その上、R15っぽい表現を含みます。

ご不快に感じる方は、読まないことをお勧めします。

夢を見た。

ずっと一人でいたのに、いつの間にか誰かに手をひかれながら歩く夢。

握られている手がとても温かくて、さびしいと思っていたことなんて忘れてしまった―――。


***


「雪……那……。」


ぼやけた視界、ぼんやりとした頭、けれど、名を呼ばれたほうに無意識に顔を向けた。

徐々に視界が開けていき、声をかけている人物が誰だかわかった。


「陛……下……。」

「雪那。良かった。3日間眠り続けていたのだぞ、大丈夫か。どこか痛みを感じるところはあるか。」

「いえ……大丈夫です。ここは……。」

「医務室だ。目が覚めたなら部屋に戻れるように手配する。」

「はい。ありがとうございます。」


ぼんやりとした思考回路で会話をしていた。

なぜ私は、医務室になどいるのだろう……。

ハッと気がついた。

ぼんやりとしていた思考回路が一気に動き出す。


「陛下。お怪我はありませんか。ナーナ姫は無事ですか。怪我は。」


息継ぎも無しに一気にまくしたてた。

陛下とナーナ姫にもしものことがあったら―――。


「王妃様、落ち着いてください。」

「宰相殿……。」


声をかけられるまで、宰相オリビア殿が医務室にいるなんて気付かなかった。


「皇女様はご無事です。怪我1つありません。ただ―――」


ナーナ姫に何かあったのだろうか。怪我はないとおっしゃっていたのに……。


「ただ―――王妃様がお怪我をなされ、お目ざめにならないことにショックを受けていらっしゃいます。侍女の話では、ここ3日は放心状態だそうです。」


早くナーナ姫にあって不安を解消してあげなくてわ。トラウマになってしまう。

何より私が、この目で姫の無事を確認したい。


「そこの唐変木……アッ違った。皇帝陛下も怪我なく、無事ですよ。王妃様のおかげです。」


……聞いてはいけない言葉が聞こえた気がした。しかも、そのまま流されてしまった。


「王妃様は、今しばらくお休みください。まだ、熱があるのですから。私は大臣や皇女様に、王妃様がお目覚めになられたことを、報告してまいります。」

「わかりました。お願いいたします。」

「お体に無理をなさらない程度でよいのですが、そこの唐変ぼ……皇帝陛下のお話を聞いて差し上げてください。では、失礼いたします。」


バタン―――


オリビア殿が部屋から出ていくと、沈黙が流れた。


「……。」

「………。」

「…………………。」

「……あの……陛下、宰相殿がおっしゃっていたお話とは……。」


沈黙に耐えられず、先に口を開いたのは私だった。


「………………。」


陛下からの返事はない。

私が寝込んでいる間に何か問題でもあったのだろうか。

思考をめぐらせている間に視界の端で、陛下が動いた。


ギシ―――


ベットがきしみ、陛下が私が寝ているベットに座った。


手が伸び、私の頬に陛下が触れた。まるで、何かを確認しているよう――。

この体温、私知ってる。さっきの夢の温かさと同じ。


ギシ―――


ハッと息をのんだ。

思考に浸っていた間に、鼻先が触れ合うほど近くに陛下がいた。

動いたのは陛下だった。


「雪那。雪那。雪那―――。」


幾度となく名を呼ばれ、口づけをされた。

徐々に口づけが深くなっていった。


ぴちゃ、くちゃ―――


卑猥な音で耳が犯されていく―――。


「ん…んん……はぁ……」


思考が跡形もなく溶けてた。


しかし、陛下が覆いかぶさり、胸をもまれた瞬間、思考が戻った。

私は今日、避妊薬を飲んでいない。

普段であれば1日くらい大丈夫だが、3日寝ていたなら、その期間飲んでいないことになる。


ダメだ―――。


ドン―――


思わず陛下を突き飛ばした。


「……なぜ、いつも俺を拒絶するんだ!!!」


陛下の顔が一瞬悲しそうにゆがんだ。しかし、すぐに怒りの色に塗り替えられた。

怒りに身を任せるように、陛下は襲いかかってきた。


「やめて、やめてください。お願い。ヤダァ……やめてぇ…おねがい。」


どんなに抵抗しても所詮怪我人の体力では、逞しい成人男性の体をもつ陛下にかなうはずもない。

その上、徐々に、身体が快楽という名の甘い熱に溶けていく―――。


ヤメテ……オ願イ…妊娠ダケハシタクナイノ……。


愛サレナイト知ッテイルカラ―――。



次回は、陛下視点です。

襲い掛かった理由とか書けるように頑張ります。


ここまで読んでくださった方、ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ