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清掃員異世界転生_封水の勇者 ~俺の清掃スキルが異世界の穢れを祓うまで~  作者: もしものべりすと


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第三十二話 封水点防衛戦

月末。


瘴帝国の大攻勢が、始まった。


「敵軍、来襲!」


前線から、悲鳴のような報告が届く。


「数は……五万以上!」


「五万……予想以上だ」


ガルドは、歯を食いしばった。


「だが、引くわけにはいかん。全軍、迎撃態勢!」


聖王国軍は、防衛線で瘴帝国軍を迎え撃った。


激しい戦闘が始まった。剣と魔法がぶつかり合い、悲鳴と怒号が入り混じる。


「押し返せ! 一歩も引くな!」


騎士たちが、必死に戦う。だが、敵の数は圧倒的だった。


「左翼が、崩れかけています!」


「援軍を送れ!」


戦況は、徐々に不利に傾いていった。


一方——


王都の地下では、リーネたちが別の戦いに臨んでいた。


「来ます!」


ライオネルが叫んだ。


封水点に向かう通路に、黒い影が現れた。瘴帝国の別動隊だ。


「数は、約五十。精鋭部隊のようです」


「予想通りね」


リーネは、両手に光を灯した。


「ゴルド老師、結界を」


「任せろ」


ゴルド老師が、地面に術式を描いた。光の壁が立ち上がり、通路を塞ぐ。


「この結界で、敵を足止めする。その間に、浄化を」


「わかりました」


リーネは、封水点の祭壇に向かった。


先日の戦いで強化したはずだが、敵が何か仕掛けてくる可能性がある。念のため、さらに防御を固める。


「封水——追加強化」


リーネの光が、祭壇に流れ込む。


その時——


「結界が、破られます!」


ライオネルの叫び。


振り返ると、ゴルド老師の結界に亀裂が入っていた。敵の攻撃が、予想以上に強力だ。


「くそっ……こいつら、強化兵士か……!」


ゴルド老師が、苦しそうに呟いた。


結界が、完全に砕けた。


敵の精鋭部隊が、なだれ込んでくる。


「迎え撃て!」


聖浄班の騎士たちが、剣を構えた。


だが、敵は強かった。瘴気で強化された兵士たちは、通常の騎士の数倍の戦闘能力を持っている。


「くっ……!」


「押されてる……!」


一人、また一人と、聖浄班の騎士が倒れていく。


「リーネ王女、危険です! 撤退を——」


「撤退はしません」


リーネは、祭壇から手を離さなかった。


「ここを守るのが、私の役目です」


「しかし——」


「セイは、私を信じて任せてくれました。その信頼を、裏切るわけにはいきません」


リーネの目が、金色に輝いた。


「浄化の巫女の力……もう一度、使います」


「王女殿下……!」


リーネの体から、眩い光が溢れ出した。


「封水——絶対防御!」


光が、封水点全体を包み込んだ。巨大な結界が形成され、敵の攻撃を完全に遮断する。


「なっ……!」


敵の指揮官が、驚愕の声を上げた。


「何だ、この力は……!」


「私は、浄化の巫女。この場所の守護者です」


リーネは、静かに言った。


「ここは、通しません」


光の結界は、揺るがなかった。


敵が何度攻撃しても、一切のダメージを受けない。完璧な防御だった。


「撤退だ……!」


敵の指揮官が、命令を下した。


「これ以上は無駄だ。引け!」


敵部隊が、退却していく。


リーネは、そのまま結界を維持し続けた。


「……守り切りました」


膝から力が抜け、崩れ落ちそうになる。


「王女殿下!」


ライオネルが、リーネを支えた。


「大丈夫です……少し、疲れただけ……」


リーネは、微笑んだ。


「セイ……私も、やりました……」


意識が、遠のいていった。

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