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清掃員異世界転生_封水の勇者 ~俺の清掃スキルが異世界の穢れを祓うまで~  作者: もしものべりすと


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第二十五話 リーネの覚醒

「決着……?」


誠一は、黒崎を睨んだ。


「封水点を放っておいて、お前と戦ってる場合じゃない」


「そうだな。だから、早く済ませよう」


黒崎が、手を上げた。


黒い瘴気が、その手から溢れ出す。密度が、これまで見たどの瘴気よりも高い。


「俺の力を見せてやる」


瘴気が、津波のように押し寄せた。


「浄化!」


誠一が光を放つ。だが、黒崎の瘴気は、その光を押し返していく。


「無駄だよ、汐見。お前の浄化じゃ、俺には勝てない」


「くそっ……!」


誠一は押されていた。三日間の疲労が、体に重くのしかかる。


「セイ!」


リーネが、駆けつけてきた。


「リーネ、来るな! 危険だ!」


「でも——」


「お前は、封水点を!」


誠一は叫んだ。


「俺があいつを引きつける! その間に、封印を修復してくれ!」


リーネは、一瞬躊躇した。だが、すぐに決意を固めた。


「……わかりました。必ず、修復します」


リーネは、祭壇に向かって走った。


「逃がさない」


黒崎が、リーネに向けて瘴気を放とうとした。


「させるか!」


誠一が、その前に立ちはだかった。


「浄化・全力解放!」


かつてないほど強い光が、誠一の体から放たれた。黒崎の瘴気が、一瞬だけ押し返される。


「ほう……少しは抵抗するか」


「リーネ、今だ!」


リーネは、祭壇に両手を置いた。


目を閉じ、集中する。セイに教わったことを、全て思い出す。


封水とは、境界を維持すること。清潔と汚染を分けること。この世界と、魔界を分けること。


「私には……できる……」


リーネの手から、光が溢れ出した。


その光は、誠一のものとは違っていた。より純粋で、より神聖な輝き。


「これは……」


誠一が、驚きの声を上げた。


「浄化の巫女の、真の力……」


リーネの体が、光に包まれていく。銀色の髪が、風もないのになびいている。紫色の瞳が、金色に輝いている。


「封水——完全復元!」


光が、祭壇に流れ込んでいく。崩れかけていた封印が、みるみる修復されていく。亀裂が塞がり、瘴気が押し返される。


「なっ……!」


黒崎が、驚愕の表情を浮かべた。


「あの女、何者だ……!」


「浄化の巫女だ」


誠一が答えた。


「この国を守る、守護者の末裔だ」


リーネの光が、祭壇を完全に覆った。封印は、以前よりも強固になっている。


「これで……終わり……」


リーネは、力尽きたように膝をついた。


「リーネ!」


誠一が駆け寄ろうとした。


「待て」


黒崎の声が、二人を止めた。


「……面白い。予想以上に、手強いな」


黒崎は、瘴気を収めた。


「今日は、引くことにしよう」


「何……?」


「封印は修復された。これ以上ここにいても、意味がない」


黒崎は、後退りながら言った。


「だが、覚えておけ、汐見。これは、始まりに過ぎない」


「待て、黒崎!」


「次に会うときは、お前の全てを奪う。王女も、仲間も、この国も」


黒崎の体が、黒い靄に包まれていく。


「楽しみにしてるよ」


笑い声を残し、黒崎は消えていった。


誠一は、拳を握りしめた。


「逃がしたか……」


「セイ……」


リーネが、弱々しい声で言った。


「封印は……修復できました……」


「ああ、よくやった。リーネ」


誠一は、リーネを支えた。


「君のおかげで、助かった」


「私……覚醒、したみたいです……」


リーネは、微笑んだ。


「セイに、教わったから……」


「休め。あとは、俺たちに任せろ」


リーネは、そっと目を閉じた。


戦いは終わった。だが、これは序章に過ぎないことを、誠一は理解していた。


黒崎は、必ずまた来る。


その時に備えて、さらに強くならなければならない。


誠一は、暗い地下通路を見つめながら、決意を新たにした。

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