↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
7/25

東京は人が多いから

「お、このビルかな、1階にスタバがあるし」


ギターケースを背にビルを見上げていると、入り口から見覚えのある顔が出てきた。


「あぁ、UTUMIお姉様やっと来たーーっ!」


「やあ、結衣ちゃんおひさぁ!」


安心したので手を振ってみた。


「もう!おひさじゃありませんよ1時間も遅刻ですよ、夏元さん先に準備するってスタジオにいっちゃいましたよ」


「いやぁ、初めて渋谷に来たから迷っちゃってさ」


「渋谷、初めてなんですか?」


「スクランブル交差点歩いちゃった、人がいっぱいでお祭りみたいだった」


「おのぼりさんですか!」


今日は夏元のおっちゃんに呼ばれて東京に来たんだけど、いつもはタクシーで目的地に直行なのだが、たまには東京見学でもと待ち合わせの会社がある渋谷まで歩いて来ている、丸の内線から東京メトロ銀座線への乗り換えがわからなくて、また駅員さんに案内してもらってしまった。東京の駅員さんは皆んなとても親切で助かるね。


「何度も電話したのに出ないし、事故でもあったのかと心配したんですからね」


プンプンと怒る結衣ちゃんを前に、あれ?と思いポケットの中のスマホを取り出して見れば、結構な数の着信が、やべえ機内モードにしてたわ。

私の態度で色々と察したのか、結衣ちゃんは呆れたような表情を見せる、すみませんね〜いい歳したお姉さんなのに田舎者なもんで。


時間になっても来ない俺の案内役で残ってくれたakbの山口結衣ちゃんは、スマホで夏元のおっちゃんにすぐに連絡してくれた。


「夏元さん、UTUMIお姉様やっと来ました、歩いて来たら迷ったそうです、はい、すぐにそっちに行きます」


電話を切ると結衣ちゃんは俺の手を取り待機していたタクシーに乗り込んだ。

しっかりした娘だな、まだ18歳だっけ、本当にごめんね、東京の街は人が多くて時間が読めなかったんだよ。





録音スタジオに行くと夏元のおっちゃん激おこだった。


「お前なぁ、一応社会人なんだから時間は守れな、信用問題だぞ」


「すみません、東京ってまだ慣れなくて」


「まったく、今時その歳まで東京来たことない奴は珍しいぞ」


「ハハハ」うっさいわ!


「と言うか、お前が一人で渋谷なんか歩いて大丈夫だったのか」


「?、なんか見られてはいましたけど、別に大丈夫でしたよ、むしろ長野の方が変装しないと人寄って来ますよ」


「そう言えば中山さんが、お前が長野でまたやらかしたって愚痴ってたな」


この辺は日本ならではだなと夏元さんが言う、日本では結構有名な外国人俳優や歌手がファンが寄ってこないで普通に街を歩けると感動する人は多いらしい、あぁ〜、ちょっとわかる気はする、日本人て英語苦手だから外人さんに話しかけられないんだよな、それか顔の見分けが出来ない、でも俺は日本人だけどな。

長野は田舎だから芸能人が珍しいんだ、きっと。


「まぁいいや、ほれ、ドーム演る時のセットリストな」


「冬にやるのに、もう考えてるんですか」


「冬にやるから、もう考えてるんだろうが」


「夏元さんも大変ですね〜」


「何人事みたいに言ってんだ、お前まだアルバムも出してないし持ち歌少ないんだから、今から覚えなきゃいけない曲多いぞ」


「ゲゲっ!マジで、ペラ ちょ20曲もやるんですか!」


これ菅野さんがマキュロスで作った曲入れてくんないかな?10曲くらいあったぞ。


「足らない分は10曲くらい俺の歌入れといた、そのために今日は結衣に案内を任せたんだ」


「お姉様とまた一緒のステージに立てるなんて光栄です!!akbの歌だったら私バッチリ教えられますから」


結衣ちゃんが隣で腕を絡めながら微笑む、ん、結衣ちゃんもライブに出てくれるの?


「え、akbってアイドルソングなんじゃ、私の歳だとちょっと無理ない」


え、ゆきりんが居た、あのお姉ちゃん綺麗だよな。


「アレンジは任せる、自分で歌いやすいようにしろ、菅野さんやHOTOMIに相談してもいい、なんなら作曲家何人か紹介するぞ」


マジで、それってバイトの仕事じゃなくない、プロがやった方が良くない?


「試しにその中でどれか知ってる奴歌ってみろよ、ギター持って来てるだろ」


う〜ん、知ってる曲か、俺あまり邦楽聞かないんだよな、ん、これCMでよく流れてたな、夏元さんの曲だったのか」


ジャルリ♪


「じゃあ、これ、恋するフューチャークッキーってやつ」


「お姉様が歌うフューチャークッキー!!」



ジャカジャ♪

ジャンジャ、ジャカジャカ♬


「な、夏元P、この曲ってこんなにジャジーな曲でしたっけ…かっこいい」

「凄く楽しそうに歌ってるのに、喜びと言うか希望に溢れてるような」

「いい歌詞だろ、ネタでリストに入れといたんだけどな、これ歌うとはな」


「YouTubeのチャンネル動画撮ってる時から思ってたけど、とんでもない化物だなコイツ」


ジャンジャ、ジャカジャカジャン♬



パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ!!


俺が歌い終わると結衣ちゃんが拍手してくれる、夏元のおっちゃんは呆れ顔だ。


「あぁ、結構一人でも歌えるもんですね、大勢で歌わなきゃ駄目な曲かと思ってました」


「ハハ、まあな、しかしお前うろ覚えでよくそこまで歌えるな、アドリブだらけでもうアレンジ出来てるよ、今度このセトリの曲全部歌ってデータ送ってこい、採点してやる」


「あざま〜す!」


俺がうろ覚えだったのバレてら、夏元のおっちゃんもこれはやべえって思ったのかな、でも手伝ってもらえるのは助かる。

あれ?結衣ちゃんずっと拍手しながら泣いてるけど、嫌なら拍手やめてもいいよ。



この日はついでだからと、結衣ちゃんと一緒にYouTubeのチャンネルの動画を撮らされた、途中で椿坂の松田由莉奈まつだゆりなちゃんがすごい形相で乱入して来た、この二人仲良いんだな。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。