7話 これから
「結局これからどうするの?」
「んー、せっかく新しい事に挑戦していくんだしどうせなら同じような戦力の人とやりたいよな」
「いやアルと同じような人なんて多分一人もいないよ?」
「いや、流石にこのままいく訳じゃないからね?」
今のままだと、装備を初心者に合わせたとしてもステータスは軒並みすごい数値になってるので初心者との差はすごいことになる。まぁそこはステータスを下げる装備を作れば解決できる。
どうせ新しく戦闘するならやっぱ1から進めて楽しんでいきたい。
「アルがそうするなら私も新しいジョブ取得して一緒にパーティー組も!」
「いやお前いたらお前のファンが集まって面倒臭いことになるからやだ」
「むぅー」
俺はこいつみたいな街を歩いたらサインや握手をねだられているのを横で見とくのは嫌だし、こいつみたいにあの視線をスルーするような心も持ち合わせていない。
てかずっと一緒にいるのはめんどくさい事になりそうだからやだ。
「てか6年もやっててなんでそんなに知名度がないの?」
「引きこもって生産ばっかしてるからじゃないか?それになんだっけか。影のなんちゃらみたいな2つ名で一時期正体探しみたいなの流行ってたけど、俺あんな2つ名で出ていきたくないよ」
「いーじゃん。かっこいいんだし」
絶対に嫌だ。乄幻想☦︎︎覇王軍乄のギルマスがめっちゃ張り切って探してたのを知って絶対にバレないようにしてたからな。仲間だと思われるのは嫌だ。
てかそこまで俺の存在が知られてないわけじゃないを全然知ってる人は知ってるだろ。初心者層とかの知名度がないだけで。
「もうすぐ夏休みだから初心者イベントが来るし、増えた初心者でパーティー組むことにするから」
「また人増えるんだ。この前25億人記念キャンペーンやってたのにもう30億行きそうだね?」
「え、今ってそんな多かったっけ?この前のユーザー数イベント、俺からしたら全然うまくなかったからスルーしてた」
限定配布とかも無かったし、金策が出来たらしいけど、俺は最近金で困ることなんてあんま無かったしな。
「とりあえず明日は組合の方に行ってパーティー探しでもしてくるわ」
「分かった。じゃあ私は配信あるからここでお別れしよう」
「今日は何配信?」
「雑談しながら素材集め」
「じゃあ蘇生草集めてきて」
「はーい」
とりあえず俺は家に帰って弱体装備でも作るか。ステータス系だからちょっと苦戦するかもな。