交流
「改めて、僕は鳥先 灰で……」
「いや、プレイヤーネームでいいですよ。」
リアルの名前聞いても意味ないしな。
「そうですね。僕はサイチです。」
サイチ・・・才知ね。すごい名前をつけたもんだな。
「今年で20歳です。よろしくお願いします。」
やっぱり年上だったか。
「俺の方が年下なんで、敬語じゃなくていいですよ。」
年上から敬語で話されると、なんか変な感じがする。
「了解。君も敬語じゃなくていいよ。」
なんか、急に近所のお兄さんみたいになったな。
「私はクノス。よろしく。」
女の子は、言葉数が少なく、クールな雰囲気だ。
俺と話したくないだけかもしれないが。
「俺は珠洲クロ。よろしく。」
俺も人のこと言えないわ。
自己紹介が終わると、男……サイチが話し出す。
「お互い名前も分かったことだし、情報交換でもしようか。」
俺は話すのが得意ではないので、会話をつなげようとしてくれるのはありがたい。
「早速だけど、持っているユニークスキルと固有スキルを教えていれない?」
以外な事に、女の子……クノスがそんなことを言ってきた。
仲間と言っても、まだ信用していない。
本当は教えたくないが、それだと話が進まない。
「ユニークスキルは『スキルテイカー』で、固有スキルは『眷属化』。」
嘘を教えても良かったが、今後の事を考えると、本当の事を言っておいた方がいいだろう。
「嘘は言ってないみたいね。」
クノスがそんなことを言った。
まるで俺のスキルが分かっていたような口ぶりだ。
次に、サイチが語りだす。
「僕は、固有スキルが『忍法』、ユニークスキルは『プロビデンスの目』、ちなみに職業は忍者。」
結構戦闘向きのスキルだな。羨ましい。
最後にサノスが話し出す。
「私は、固有スキルが『審判』、ユニークスキルが『五眼:天眼』、職業は天使よ。」
いや、情報量多すぎて分からん。
「スキルの詳しい情報を教えてくれ。」
「『審判』は主に戦闘時に使う技。『天眼』は、人のステータスを見ることができる。だからあなたのスキルも分かってた。」
さっきのおかしな発言はそのせいか。
道理で、俺のスキルの事を詳しく聞かなかったんだな。
「スキルも分かったことだし、武器を買いに行かない?」
サイチがそんな提案をしてきた。
俺は武器があるが、2人は持ってないからな。
たが、武器屋に行く前に確認する事がある。
「ちなみに2人は持てる武器って何がある?」
「僕は短刀か刀だね。」
「私は、大剣しか持てない。」
全員近接武器じゃないか。
まあ俺は杖持てるけど。魔法使えないと意味ないからな。
これから苦労しそうだ。