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R︰bridge  作者: 社紗界雷
4/5

仲間(仮)

街に戻ると、辺りは静まり返っていた。

さつきまでの騒がしさが嘘のようだ。

(怪我人はどこにいったんだ?)

街の中心まで歩いていくと、人が溜まっている場所を見つけた。

そこは広場のような場所で、道が石畳なのに対し、広場は芝生になっているようだった。

ざっと見た感じ、200人近くの人がいた。

近くの建物の陰に移動して、聞き耳をたてる。

「さっきの人死んだんじゃ……」

「出る方法考えないと……」

「人のステータス見れねえじゃん……」

「ただのドッキリかなんかだろ……」

なんとも頭の悪そうな会話ばかりが聞こえる。

というか、ゲーマーってみんな陰キャなんじゃないの?

なんで知らない人と話せる関係になってんの?

「裏切り者が」

思わず声が出てしまった。

もちろん自分にしか聞こえない声量で。

すると、後ろから声をかけられた。

「すみません。少しいいですか?」

振り向くと、そこには男と女の子がいた。

男の方は、黒髪で高身長、いわゆる爽やかイケメンだ。

女の子の方は、男とは対象的で、白髪で低身長、妹みたいな可愛さがある子だ。

少し間を置いてから、男が話しだす。

「どうやってモンスターを倒したんですか?」

背筋が凍るような緊張が走る。

尾行でもしていなければ分からないはずだが、このゲームが始まってから、そんな余裕は無かったはずだ。

すると、男は慌てて説明を始める。

「見ていたとかそういうのではなく、ユニークスキルで分かるだけです。」

「ユニークスキル?」

「ええ。僕のユニークスキルは『プロビデンスの目』といって、人の倒したモンスターとプレイヤーの数がわかるんです。」

それなら聞いてみたいことがある。

「俺の他にモンスター倒してた人っていましたか?」

すると、男は辺りを見渡し、

「あなた以外はいないみたいです。」

と、返答した。

案外使えそうなスキルだな。

戦闘では使えないけど。

「でも、ユニークスキルの事、俺に話してもよかったんですか?」

無いとは思うが、信用させて罠にはめるようなやつかもしれないからな。

イケメンだし。

「あなたから話を聞くのに、自分の話をしないのはフェアじゃないと思ったので。」

まだ話すとか言ってないんだけどね。

だが、仕方がないので狼を倒したときのことを話す。


俺の武勇伝を聞き終え、少しの沈黙の後に、

「少しいいかな。」

と、言われて、男に連れられて、路地の中に入る。

女の子はついてこない。

(何かされそうになったら殺るか)

そんな物騒なことを考えていると、男が口を開く。

「僕達とパーティーを組んでくれませんか?」

「・・・え?」

いきなり過ぎて、変な声を出してしまった。

「僕達とパーティーを組んで、一緒にモンスターを倒してください!」

男は必死に訴えてくる。

返答に悩んでいると、男は話しだした。

「僕とさっきの子、実は兄妹なんです。それで、なんとしても守ってあげたくて……。」

なんとなく察してたけど、兄妹だったんだな。

てかこいつ、もしかしてシスコンか?

「それなら別にいいですよ。」

仲間が多いに超したことはないだろう。

囮にも使えるしな。

使わんけど。

「ありがとうございます。では、戻って自己紹介でもしましょう。」

こうして、仲間(仮)が出来た。

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