隠れイケメンと怖いヤンキー
1.きっかけ
彼女の第一印象はとても綺麗だなと思った。
普通に生活していたらモテてないとおかしいくらいの顔だちだ、俺と違って。
なのに学校で彼女が独りなのは雰囲気と行動からだろう。
正直とても怖い、いやかなり怖い。
顔が綺麗なのも相まってとても近寄りがたい。
それに彼女が中年の男を出歩いているという噂がいつか出回っていた。
だからたまにしか学校に来ないのに、彼女はいつも独りなのだ。
だけど最初の頃は彼女に言い寄る人もいただかそんな人に「ウザい 」とひと言。
それから彼女に言い寄る人は誰1人として居なくなった。
なんで俺が彼女の事に詳しいのかというと好きになっていたから!キモイあ~キモイ自分でもキモいと思う!授業中とか休み時間にバレないようにチラ見したりしてさ~あ~キモイ
でも好きなのは本当だ
正直入学したてはみんなと同じで美人だけど怖いヤンキーって印象だった。
けどある出来事がその印象を変えたんだ
ある時買い物に向かっている時に偶然彼女が歩いてるのが見えてしまった。
普段なら何も気にしないのだけど彼女の顔を見たら気になってしまった。
彼女は泣いていたのだ。
どうしても気になってしまった、若干気が引けるが後をつけた。
そして彼女の家らしき所に着いた。
らしき所と言ったのはとてもボロボロなアパートで中から小さい子供の声がする。
俺はとても親近感を覚えた。
俺は実は片親で父親が俺が3歳の時に死んでしまっている。顔も覚えていない
今は母さんと頑張って暮らしている。ボロボロなアパートで
中からは普段の彼女とは思えないくらい優しい声で子供達をあやしている。
俺は今日の晩御飯を母さんの好きなものにしようと考えながら買い物に向かった
そこからだ彼女が気になりだしたのは、一方的な思いだし、勝手に好きになったのはこっちだ
うざいだろうなこんな奴から好意持たれて
けど好きなんだそれは嘘じゃない
そんな自問自答しながら今日も夏目凛の事を考えていた。