表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

無差別殺人鬼とワタシは同居をはじめる。

作者: 七瀬




___ワタシは、何も持っていない!

ワタシの人生は、何も得ていない人生!



___ずっと、そう思ってるわ。




 *



___そんな時、ワタシの住んでいるマンションの前で。

夜10時ごろ、雨に打たれてずぶ濡れになっている男性を見たの。



彼は、深緑のレインコートを着ていて、下はズボンで上はフードを

被っていたから? どんな顔か見えなかった!



___ただ、どこを見ているのか?

雨に濡れて立っているだけ。



ワタシは、思わず彼に声をかけてしまう。


『___あぁ、あのう? どうしたんですか? 雨でビショビショ

でしょ? よかったら? ワタシの部屋に来ますか?』

『・・・・・・』



その男性ひとは、ワタシをチラッと見たら?

ワタシに向かって、小さく【うん】と頷いた。



___ワタシは、マンションの部屋の番号を押して。

マンションの中に入り、彼は黙ってワタシの後ろを着いてきた。 




・・・そして、ワタシの部屋の508号室の前に着くと。

ワタシは、鍵でドアを開けて、彼にこう言った。


『___さあ~! 中に入ってください。』


___彼は、黙って玄関まで入ると?

着ていたレインコートを脱いだの。



___そしたらね?

彼の顔には、血がベットリとついていたわ!


ワタシは、びっくりしたのと? 彼が怪我をしていると思い。

直ぐに、家にあった救急箱を手にして彼を部屋の中に入れて

手当したのよ。



『___どうしたんですか? この怪我、どこかで転んだんですか?』

『・・・・・・』

『___何かで? 引っかかれた跡みたいですよ!』

『・・・・・・』



___彼は、ここまでにまだ一言も発していなかった。


ワタシは、何故なのか?

この男性ひとが心配で心配で仕方がなかったのよ。


『___今日は、ここに泊まっていってください!』

『・・・・・・』




 *



___その頃。

少し、離れたマンションの一室で。

家族5人が、何者かに? 殺された事件が起きていたの!

警察や救急車の音がワタシの部屋まで聞こえていたわ!



___ワタシは、そのニュースを朝のテレビ番組で知ったの。


『___この近くのマンションで、殺人が起きたみたいです。

貴方も、気を付けてくださいね。』

『・・・・・・』




・・・結局、犯人は捕まっていないらしい。




 ▽



___その後。


ワタシは、この男性ひとと同居することになったわ。

彼は、行くところもないみたいで、、、。


だから? 少しの間だけ!

ワタシは、この男性ひとと同居することに決めたの!


『___今日の、晩ご飯? 何がいいですか?』

『・・・カレー、』

『___わかりました! 家に帰った、カレー作りますね!』

『・・・・・・』



___少しずつだったけど?

ワタシと、会話をしてくれるようになったわ!

なんだか? それが嬉しかったの。




 *



___その間にも。

彼は、ワタシが仕事に行っている間に無差別殺人を繰り返して

いたみたい、、、。


___それでも、警察に捕まる事はなかった。

何故なのか? 彼は、“完全犯罪” が出来る頭のキレる男性ひと

だったから。


 

___警察を欺いていた。

彼は、犯人候補としても浮上してこなかったひと。



___今まで、逮捕歴・前科歴・犯罪歴もまったく無く。

【優良市民】だったのよ。




___彼を、疑う者は? 誰もいなかったわ!

“ワタシ以外” はね!




 *



___ワタシは、彼の行動が不思議に思ったのよ。

ワタシが、仕事が終わって家に帰って来るころ、彼は家に居るけど?

なんだか? ワタシより少し前に帰ってきたような気配があるの。




___それに、【彼がカレーが食べたい!】と言った日の次の日は?

必ず、朝のニュースで! ワタシのマンションの近くで殺人が起きている。



・・・これって? 偶然なのかしら?







___でも、もし?

彼が、“無差別殺人鬼” だったとしても!

ワタシは、彼を愛し続けるわ!


___それでもいいのよ。

ただ、彼がワタシの傍に居てくれるのなら、、、。

ワタシは、彼の手で殺されたい!




最後までお読みいただきありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ