俺と魔王と先生
説教されてどれくらいだろうか。
俺は冤罪にかけられていた。場所は生徒指導室。俺はさっき言ったが、俺は悪いことは何もしていない。先生の偏見と独断でこの状況に陥り、先生のお説教を聞かされている。もちろん先生の説教も俺の耳には届かない。なぜならそれは何度もいうが俺じゃないからだ。聞くたびに反省ではなく、怒りがこみ上げる。俺はそんな怒りを晴らすためにさっきまでのことと2日前のことを振り返ることにした。でも、その短い時間も終わり、また先生のお説教の声が聞こえる。はああ。と心の中でため息をついて、また記憶を辿り始める。その時またかなでの事が頭によぎった。
2日前、 かなでは朝から椅子から動かなかった。時より髪をぐわーっとかきあげるだけで、その時以外は死んだようだった。 あ、でも例外があったな。かなでは食事の時は元気に口に食べ物を押し込んでいた。かなでは食事には目がないのだ。ほんとよく食うんだよ。こいつ。
今は昼休憩。俺はまだ完全に友達と言える友達がいなく、昼休憩は憂鬱の時間を過ごしていた。まあ、中学の仲間達があまり行かない高校を選んだからしょうがないのだが、まさか俺のクラスには一緒の学校だったやつはかなでしかいないなんて思いもしなかった。
だから今日も俺は奇跡的に席があいつの後ろだったので、かなでと共に昼食を取っている。たまにクラスの女子から付き合ってるんじゃない?とか囁かれることがあるがそんな時は聞こえなてないようなフリをし、無視している。でも、俺も周囲の視線は正直恥ずかしかった。俺はそれを気にして、口に押し込むように食べ物を押し込み、一瞬で弁当を食べ終わり、横のクラスにいる友達にいつもなら会いに行く。のだが、今日はそうともいかなかった。俺はこいつとは一様幼なじみというよしみだから俺はほっとくわけにはいけないのだ。
「おい、大丈夫か。」「相変わらず食う時は元気みたいだな。先に言っておくが、昼は真面目に授業を受けといた方がいいと思うぞ。」俺はいつものようにさりげなく話しかけた。でも、あいつまだ食ってる最中で俺の話は聞いていないようだった。それもしょうがない。こいつの弁当は凡人が食べる倍。いや、その倍以上の弁当だからだ。一体食べたものはどこへいってしまうんだろうか。もし俺がこいつと同じ生活をしていたら、俺は毎日便秘になっていただろう。
俺はそれから、こいつが食い終るのを待っていた。
二、三分後。
かなではあの量の弁当をたいらげてしまった。やっと食い終わったかと思うと、こいつは席を戻し始めた。
俺はそれを止めるようにかなでに話しかける。「なあ、最近のアニメ何見てる?」「うん?何も見てなわよ。そんなこと話すために今まで待ってたの?」
俺はその反応に驚いた。これは意図した質問であり、あいつを話しに誘うものだったものだったのだが、俺のネタは案外すっぱときょひされた。
「ああ、そうさ。」「この前お前、最近のアニメは面白くないって言ってたよな。そんなお前に面白いアニメがあるから教えてやろうと思ったんだよ。」俺はここで引き下がると、今まで待った時間が意味のないものになると思い、開き治ることにした。
「へえー。」「控えめなあんたが言うってことだから、面白いみたいね。」「っでどういう話?」かなでは急かすように俺に聞く。
「いや、最近はやりのファンタジーものでな。魔王が主人公の話なんだよ。」「俺も最初は転生してきたのがサブキャラだとは思わなかったね。」「いや、もしかするとダブル主人公なのか。」俺はさっきのことを忘れて深く語ってしまった。俺は気づいていなかったが、かなではそれの途中で聞くのをやめていた。俺がそれに気づいたのは俺が話し始めようとした時だった。かなでは体を倒して頭を抱えていた。そこからかなでは長かった。うめいたり、叫んだり、頭をぐわああとかきあげたり、時には目に見えない何かとも戦ってもいた。
数分後、その死闘も終わりかなでは落ち着いた。俺は大丈夫かとかなでを心配そうに眺めていると、前から手が飛んできた。もちろんその手はかなでのものだった。「なんだ?」俺は自分の胸元にある手を見ながら言った。「弥、ありがとう。お陰で目を覚ますことができたよ。」かなでは俺の胸ぐらを掴んでいた手を離し、嬉しそうに俺に感謝の言葉をかけてくれた。
俺は自分が感謝されることなどした覚えがないので内心「はあ?」なんて思ったりもしたがそれは口には出さなかった。その代わりに俺は「おめでとう」と言っておいた。
今、思えばなんでこの時はすんなり信用してしまったんだろうか。長い付き合いだから、かなでの心を本能的に理解したんだろうか。いや、違う。俺はあいつの能力に信じこまされたんだった。
かなではおめでとうを聴くとこう言い出した。「私魔王だった。」その表情は今にも「てへ。」と言いそうな顔をしていた。
「おい、いきなりなにを言いだすんだ。」「本当に心配になってきたんだが。」俺はこの時状況を読み込めなかった。それもしょうがない。幼なじみがいきなり魔王だったなんていうことを知ったら、疑うしかないだろう。
「あ、やっぱ信じてない?」「ああ、俺はてっきり頭がおかしくなってしまったのかと思い、心配してるぞ。」「はああ、私はどこからどう見てもピンピンしてるじゃない。」「幼なじみの言うことくらい信じてよ!」かなでの顔は大真面目であった。
「じゃあ、その証拠になるものを見せてくれよ。」「例えば、超能力とか。」俺はかなでの顔見て、いつもの冗談とは違うことに気がついた。でも、俺はこのいきなりすぎる展開に、自分が納得できるものがないとついていける気がしなかった。
かなでは少し考えて「わかった。」と頷いた。そして「これが私の能力の一つ。」と俺に言ってきた。
俺は最初、頭から流れてくるかなでの声を空耳か何かと思い込んだ。もしくは幻聴かと。ちょっと待て、それ同じ意味だぞ。
かなでは俺に返事がないので、「おーい。」「今、あなたと意識をつないでいるから、弥も私に話しかけれるよ。」と言ってきた。俺はこの怪奇現象を受け止め、膨れ上がる思いをあいつにぶつけた。「これ以外に何かできないのか。」
「はっや。」「あんたいきなり態度変えてくるのやめてくれる?」「いや、すまん。もうこの状況がなぜか楽しくなってきてな。」「それでだ。ほかに何か使えないのか。」俺は心の中のワクワクを抑えきれなかった。そんなの当たり前だ。目の前にテレパシーを使う魔王がいるんだぞ。こんなフィクションな展開めったにあったことではない。
「うーん、他にか〜。」「そうだ弥。何かしてほしいことない?」「いや、俺に言われてもな。」「じゃあ火でも出してくれよ。」
俺はファンタジーといえば炎というイメージがあった。なぜって、俺が知ってるアニメキャラはよく炎出して攻撃しているからな。みんなもそう思うだろ?
「いや、火とか出したら危ないし、それにこの世界魔力がないから火は出せないよ。」俺はがっかりした。それと同時にこいつが魔王だという信用は下がった。でも、こいつはもし火が出せても使っていなかっただろう。そう思うと俺の違う意味での信用は上がっていた。
「じゃあ、ヒューマンコントロールってのはどう?」 「え、なんだそれ。」「いや、人を操る力よ。」「みたい?」「ああ、それで頼む。」「OK」かなでは嬉しそうに答える。
「じゃあ、あいつにたのむ。」俺はクラスで唯一の金髪やンキーをゆびさした。
そいつのことをゆびさしたのは、深い理由はないと言えばうそになるが、あいつは俺のことをねたにしてあそんでやがる。一回くらい復讐してやってもいいだろう。それが因果応報ってやつだ。
俺の思いを察したのかかなでは、「あーね、あいつね。」とだけテレパシーで伝え、そいつにヒューマンコントロールをつかって、盆踊りを踊らせ始めた。
クラス中は一気にその異変を察知し、金髪やンキーに目を向けた。俺もその一人で、かなだでの能力とあいつの物価こうな姿を目に焼き付けていた。
俺は、あいつのこれからに同情し、「もういいぞ」とかなでに言った。そうすると、金髪やンキーは踊るのを止め、何が起きているのかを理解できないようだった。俺はそいつに同情したが、そいつをきにすることなく、かなでに話しかけた。「なあ、さっき魔力はないとかどうとかいってたのに、なんであいつをそうさできるんだ?」「うーん。なんでだろう、わからない。もしかすると魂にねづいたものだからかもしれいわね。
俺はかなでが言ってる事が理解できなかったので「へえー」とだけいっといた。
「やっぱ、こういうのじゃパッとしないな。」俺は俺的ファンタジーによるバイアスによって、こういう力はあまりぱっとしないというか、信用できないでいた。
そうすると、その言葉に反応したかなでが「じゃあ、すごいのみせたあげるよ。」と言ってきた。
そういうと、かなでは、俺の手を引っ張りどこかへ連れて行こうとした。俺は興味本位でかなででについて行くことにした。
「一体何を見せてくれるんだ?」かなでに問う。 「それはその時のお楽しみ。」なぜか嬉しそうにかなでは言う。
俺は歩いている途中でふとおもったなぜ、魔王という楽しそうな位置でこちらの世界にきたのか。いや、そもそもこいつは今までなんで自分の存在を忘れていたんだ?
「なあ、かなで。」「何?」「なんでお前記憶を忘れていたんだ?」「えっ。」かなでは不意を突かれたかのようにおどろいた。
「なんでだろう。ねえ、なんでだと思う?」「いや、俺に聞かれもな。」「っあ、もしかしたら、この世界と向こうの世界の間にはゆがみがあるのかも。」「いや、私は転生したのか。だからか。」俺はなんでかなでは自分の記憶を疑っているのか不思議だった。
「したのか?なんで自分のこと覚えてないんだよ。」
「わからない。でも多分、転生の代償だと思う。」
「ふーん、転生っていうってことだから死んだのか?向こうで。」俺は殺されたのかと言おうと思ったが、それはかなでに失礼と思った。
だが、俺の思いやりは不必要だったみたいだ。
「いや、違うと思う。」「だって、私って最強の魔王だもん。」俺に真顔でそう言ってきた。俺はそれを見て、「おう。」という声を漏らしてしまった。
「じゃあなんでわざわざ死んでこっちにきたんだ?」
「うーん、暇だったんじゃない?強すぎて。」
「そうじゃないとわざわざ違う世界になんてこないよね。」「じゃあ、こういうことだな。」「お前は、前世に不服があったからこっちにやってきて、不服を晴らそうと思ったんだな。」
俺はこれを言った後に、この世界でもそれははたせないだろうと思ったが、それは言わなかった。
そのあと、少し歩いて階段前に来て時かなでの足は止まった。俺はぼーっと歩いていたので、場所を理解していなかった。だから、「ここで何をするんだ?」と言ってしまった。かなでは普通に聞いていなかったのか無視したのかわからないが、その光景に目を奪われていた。
一方俺はまた、今の状況をつかめずにいた。かなでにとっては素晴らしい?、珍しい光景なのかもしれないが、一般人代表の俺が見たら、普通の景色にしか見えないんだが。。。やっぱり、魔王とかは生きる世界が違うんだな。
「ねえ、もしかしてフレア?」かなでは階段前にいる女子生徒に話しかけた。どうやら、その女子生徒は生徒会に所属しているみたいで、パンフレットらしき物を配っていた。
女子生徒は自分に話しかけられたのかと周りを確かめ、かなでに返事を返す。
「フレア?それって私のことですか?」「私は副会長をやってる平真冬です。」「いや、あなたはフレアだわ。」「たとえ、今の存在が平真冬だとしても、あなたの魂はフレアのものだわ。」
俺はかなでがいきなり意味不明なことを話出したので、俺はあいつの手を掴みあいつを止めようとした。
「何やってるんだ?」「すいません。ちょっとこいつ最近調子悪いみたいで。」
「ねえ、全く見覚えない記憶とかある?」
かなでは俺を無視して話を進める。
「それか、思い出せそうで思い出せないっていう経験したことない?」「え、ありますけど。」彼女はなぜわかるのと言わんばかりの顔をしていた。
「スッキリしたいと思わない?」「あ、うん。」「じゃあ、ちょっとと失礼します〜」
それを聞いて、俺がおいっという前にかなではもうかなでは行動していた。
かなでは彼女に手を置き、能力を発動させた。もちろん俺は能力をかなでが使ったかはわからないが、そんな気がした。
数秒たって「もういいよ。」という声が聞こえた。その声を聴くと、彼女は下げていた頭をあげた。
「やあ、目は覚めたかい?」かなでは彼女に言う。
「あ、はい。目が覚めました。」彼女は先程変わって、かしこまって言う。
俺はその場の状況がまた変わってしまったことにまた理解できなかった。早く慣れろよ。
俺の顔を見たかなでは俺に状況をテレパシーで説明してくれた。
彼女の名前はフレアというらしく、かなでの部下ならしい。彼女は転生したかなでの魂を追ってこの世界にやってきたみたいだ。まあ、これもかなでの推測なんだが、本人がいうにはまあ、あってるらしい。
っで今は平真冬という名前で、さっき生徒会の活動をしていたのは副会長だったからだそうだ。俺が見るにはこの人は相当できる人のそうで、顔、性格すべにおいてAランクを差し上げれるレベルだ。いや、Sでもいいか。いやいやそんなことより、平さんの紹介だ。
彼女は向こうでも相当の腕ききみたいで、かなでに並ぶ実力者だそうだ。俺はてっきりかなでのことだから、私の方が強いっていう自己主張をしてくるものだと思っていたからそれはそれで驚いた。
それからしばらく三人で階段を登り、屋上へと来た。正確には、屋上の前だが、細かいところは気にしないでくれ。
俺たちが屋上に来た時、そこではパーティが開かれていた。乱闘と言う名の。いや、パーティというより、舞踏会と言うべきか。
そのパーティ、うっんん、舞踏会は俺たちが参加しようとする前に閉会してしまった。その終わりのチャイムの代わりには、複数人の「すいませんでしたー」という可哀想な声が狭い空間に響きわたった。
俺たちは顔を見渡したが、首を振るだけだった。だが、一人だけ、俺たちと同じように首を振らなかった奴がいる。そう、かなでだ。俺はかなでの反応にさっきと同じような感覚を感じた。ああ、こいつもこいつの部下で、こいつをおってやってきたんだなと。
正直、自分の適応力が怖い。実際俺の肉体、いや精神はこの短い短期間で、非現実的展開の体制を身につけてしまった。夢とは叶ってしまえばちっぽけなものだな。
っで案の上、俺が思った通りかなでは、さっきほどここから追い出した優等生に「シープ?」と声をかけた。ん?優等生?ヤンキーの間違いじゃないのかってきり見た目に惑わされる所だった。こいつは今さっき、複数のチンピラ共をここから逃げ出させたやつだ。ってか、こいつ金持ちで有名な西園寺じゃないか。入学式の日からでかい車で来やがって、こいつのせいであちこちで渋滞だ。バカヤロウ。おかげで入学式に遅れちまったじゃねえか。まあでも、俺が寝坊して車で行ったからなんだが。。。まあ、でもこいつのせいで俺は入学式から恥をかくことになった。許せない。
俺はそんなことを思いながら、かなでの言うことを黙って聞いていた。
「あなたもフレアと同じように私についてきたのね。」「今、記憶を。」かなでは平さんにしたように手を頭にかざそうとする。
「なんだ?」「ってかお前誰だ?」西園寺はかなでの手を弾く。かなでは地面に叩きつけられる。
「シープ!誰に向かってやっているのかわかってるの?」
そりゃそうなるだろう。俺は頭の中でツッコミを入れる。もう少しで叩きそうな勢いだった。
かなでは崩れた体制を立て直しながら「ちょうどいいわ。」「弥!私の能力今見せるわ。」「見ときなさいよ。」かなでは随分怒っていた。
そのかなでの異様な空気に察したのか西園寺は体をのけずるように一歩後ろに下がったが、もう遅かった。
その瞬間かなでは西園寺に拳を突きつけた。その拳は空をきり、ヴォーンという音を立てた。もし、西園寺に当たっていたら死んでいただろう。それぐらいの力強さだった。
そこからはかなでは早かった。怖気付いた西園寺の頭に手をかざし、能力を発動させる。するといっぺん西園寺の様子が激変していた。西園寺は礼儀を取り戻した。そんなゲームの吹き出しが出てきそうな感じだった。
そこから、かなでが転生した理由など平さんや俺に説明した内容を一通り説明した。そして、事態は動く。
「ねえ、部活作りましょう。」はあ?それが俺の率直な感想だった。「いや、待て。いきなりすぎるだろ。」「まず何をするんだ?」俺は焦った。面倒なことがやってくるんではないかと直感的感じたからだ。こいつは昔からそうだった。いつもおかしな事を考えおかしな事をする。そして俺は、「男の子なんだからちゃんとしなさい。」と言われるんだ。あー、俺はこいつのお兄さんか何かか!いや落ち着け。俺。今はまずこの事態を収めよう。いつも通り冷静いに対処するんだ。
「私の不服を晴らすのよ。前世の不服を晴らさないときた意味がないでしょ。」「それに学園ものって面白いじゃない。」今、こいつが言っている学園ものとは学園生活をベースにした漫画やアニメのことだろう。
「いや、落ち着け。」俺は自分とかなでにいった。
「まず部員が足りないじゃないか。これじゃあ設立以前の話だ。」「魔王たるものが教卓に立ってるだけの人間に笑われるぞ。」「それには問題ないわよ。」俺は唖然とした。「え、どう言う事だ。」「能力を使えばいいじゃない。」「それならあいつらも一発よ。」かなでは得意げに言う。
そうか、こいつには能力があった。所詮こいつにとっては弱小種族だもんな俺らなんて。そう思うとバカバカしいな。こんなことで一生懸命になるなんて。
俺は、こいつのもくろみを阻止することを諦めた。
「それに部活にしたら、部費が貰えるじゃない。」「じゃあ、私は部活の手続しておくから、先行くね。」
俺たちはそのかなでの欲深かしさに顔を見合わせて苦笑いした。
そして放課後。俺たちはかなでに連れられるまま部室へ来た。当然ながら、何もなかった。
「っで、今日はみんなに来てもらったのは理由があるの。」「ん?なんだ。」俺は周囲を見渡しながら言う。
「この部屋、寂しいので、今から買い出しに行こうと思います!!」腕を上に力強くあげながらかなでは言った。
そして俺たちはかなでと一緒にショッピングモールへ行った。車で。いや、運転なんかしてないぞ。ましてや、平さんが留年してて運転できる歳だなんてこともない。西園寺の部下さんが車で運転してくれてるんだ。いやーほんと驚いたな。あいつがここまで金持ちだとは知らなかった。まるで漫画じゃないか。
俺がそんな事を思っているとショッピングモールへ着いた。そして色々見つつ数時間。随分な大人買いをしてしまった。部室に置くテーブルや、テレビ、最新機種のパソコン、エアコンなどを買った。もちろん西園寺の金で。
「いや〜、結成して、一日でもうこんないい感じの部室になるとわな。」俺はしみじみという。「そうですね。部室にしてはいい方じゃないんでしょうか。」西園寺も俺と同じく、しみじみといった。
俺はこの時、「お前の普通は一体なんなんだ」などと思いもしたが、口にはでなかった。
それから、俺たちは少しの間ひたりつつ、これからの学校生活に希望を膨らましていた。
そんな時、ふと思った。
「なあ、かなで。」「申請書は出したか。」
そこから記憶がない。きっとあいつの力だろう。ほんとめんどくさい力だ。
俺は二日前の記憶を思い出し終わった。ちょうどその時に、先生の長い説教も終わった。俺は「もう帰っていいぞ。」という言葉を聴いて生徒指導質から飛び出した。そこには三人が俺の事を出待ちしていた。
「かくれんぼするわよ!弥!」「おう、。。」俺は返事することしかできなかった。
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