プロローグ
ふう、描き治した。ってか字ミスってる。まあいいか。
初めに、もし俺が主人公で学園ストーリーが始まろうというなら、いや、サブキャラでもいいか。まあそんなことはどうだっていい。俺が言いたいのは夜桜かなでという存在をおいて俺の人生は語れないということだ。なにせこいつは魔王なんだから。
入学式の余韻が残る廊下を俺は慣れそうで慣れない、曖昧な気分で自分の教室に向かう。その空間は朝の穏やかな気分と相反し、活気あり騒がしかった。それもしょうがない。なにせまだ新しい高校生活が始まったばかりで、みんな気が浮かれているに違いない。やっと終わった受験生活、それを楽しまない奴なんて1人もいないだろう。そして俺もまた、その1人もいない一員の1人だった。俺の教室は一番奥なので、廊下を歩く時間はそこそこあった。でもそのそこそこっていう時間は数十秒くらいで、今までの人生に比べればのみのようなものであった。ようやく教室の前に来る。俺はここでドアを開ける時、「おはよう。」と馴れ馴れしく声をかけようか迷ったが、結局俺は朝のモーニングコールをせずに教室へと入った。そしてふと思う。「俺の席ってどこだっけ?」どこにあるかわからない席を探すために辺りを見渡す。やがて俺の視線はある1人の女の前で止まった。そして、そいつのもとに向かうように歩き始める。だんだんそいつとの距離が近づいていく。だが、俺はそいつを通りすぎそいつの後ろの席へと座った。俺はそのあと少し窓の外をたそがれるように眺めていたが、それに飽きて前にいるそいつへと話しかける。「よっ。」そいつの体が大きく縦に隆起する。そしてその後にそいつの声が返ってくる。「あーー、もう。何すんのよ弥。」どうやらゲームをしていたようだった。「なんなのよ。このクソゲー!ただの運ゲーじゃない。」このゲームに怒声を浴びせていたので、てっきりキーボードクラッシャーみたいにその器具を投げ捨てたり、壊したりするのかと思ったが、そんなことはせずカバンにまるで宝物のように丁寧に片付けた。その時ふと思う。まてよ?じゃあ、負けたの俺のせいじゃないじゃないか。そう気づいたことで、すまんと言いそうになった俺の口が途中で止まった。その時突然「おはよう。普通の高校生。」と声をかけられた。俺は照れ隠しと返事として少し手を挙げた。そしたら前からニヤニヤしながらこっちを見てる奴がいた。頑張って見ないようにしようとしても目の前にいるからどうしても無視することができなかった。「なんだよ。かなで。」細い目で見つめながらいう。かなでは顔いっぱいに広がる笑顔をさらに広げ、俺に勝ち誇ったような声で話しだした。「弥?あれは私たちにはレベル高すぎたよw。ギャクのつもりで言ったみたいだけど、伝わらなかったら意味ないんだよw。」あ、バカにしながらも付け足せばよかったな。まあ今何の話をしているかというとこれは入学式でした俺の自己紹介の話だ。ほんと今でも思い出したくない。かなでの言う通り俺のギャクはレベルが高すぎたんだ。その言ったギャクの内容は「どうも。樹弥です。気持ち的に普通の高校生やってます。これからよろしくお願いします。」当然のごとくしけた。まあしょうがない。本当にこのギャクはレベルが高い。今聞いた人の大半も理解ができないだろう。どういった内容かというと弥って文字と普通の男子高校生をかけていたんだ。おもんな?確かにな。今思えば理解しがたいだけで内容は薄っぺらなんだよな。この意味をかなでみたいに理解していたら、俺のおもんなさはこのクラスに轟くことになっていただろうと思う。そう思えば、しけたことはある意味幸せなことだったのかもしれない。こんなことを思いつつもこいつには弱みを見せたくないので、「ほんとになぁ。俺が悪いみたいで最悪だよ。」と意識的に作った嫌な表情で言う。でも、悲しいことにかなでは俺のことを見ていず、何かを考えるようにちょっと前の俺みたいに外を見ていた。じゃあちょうどいいからこいつを紹介しようと思う。こいつの名前は夜桜かなで。俺の幼なじみであり、良き理解者である。それだけならいいんだが、こいつは魔王だった。それを知ったのは2日前で、かなでも自分が魔王と気づいたのも2日前だった。せっかくだから、その時のことも話そうと思う。
俺が暇つぶしに異世界のファンタジーの話をかなでにした時、魔王の魂を喚び起させてしまったらしい。その頃のかなでは妙に機嫌が悪く、俺はあいつのことを心配していたから、あいつが元気になった時はホッとしたが、その後、こいつに自分が魔王だったとか言う話を聞かされた時は頭でもおかしくなったのかと思ったが、そいつの能力を見せられたことで俺はこいつが魔王ではなくても、特別な存在であると信じるしかなかった。そして今はそんな雰囲気を漂わせていないが、こいつはこちらとは違う世界から転生してきた魔王らしくでどうやらこの前の人生に不服があってこちらへ転生してきたらしい。それなら向こうで転生しろよなんて思ったが、かなでが言うには「多分、強すぎてつまらなかったんだと思う。」らしい。そんな理由でやってきたこいつは今、その不服を探すためにいろんなことに取り組んでいる。今も面白そうなことを探すために外を見ているんだろう。一体何がこいつの不服だったんだろうか。それはそれで楽しみだ。
そして、、かけるけるように時間は進み、今は放課後。出来立ての部活の部室で時間を持て余すように、席にもたれかかりながら、夕日で少し赤くなった天井をぼーっと見ていた。そんな平和な時間を過ごしていると、扉が開いた。そこにはかなでと西園寺と平さんがいた。平さんと西園寺は初登場なのでここで紹介しておこうと思う。この黒紙ロングの美少女は平真冬。かなでが俺に能力を見せに行く途中で階段で会い、その彼女に宿る魂の存在に気付き、彼女の記憶を呼び起こしたことでかなでの部下となった。俺のことはかなでの幼なじみとして慕っているようで、大変仲良くしてくれる。ありがとうかなで。そしてもう一人の高身長でがたいがいい男は西園寺隆盛。こいつも同様に、かなでに記憶を呼び起こされてあいつの部下となった。こいつはかなでの元執事だったらしく、昨日も一昨日もかなでの財布としてこき使われていた。ここになぜこんなに色んな物が揃っているの理由はかなでが西園寺に買い揃わせたからだ。でも、あいつの財布は底なしで、無限に金が湧いてくる。なぜってあいつは金持ちだからだ。ほんと金持ちでイケメンとかズルすぎるだろ。あーこんなこと考えてたら行きていけなくなる。もうこいつらの紹介はここらで終わりとしよう。
「よお。」二文字という短い言葉で三人を出迎える。それに反応した三人がそれぞれ返事をしてくれる。かなでは「乙〜」といつもと変わらない口調で返事する。それと違って平さんは「お疲れ様です」と丁寧に頭を下げながら言ってくれた。最後に西園寺はかなでの態度に謝るようにお辞儀をした。そして、三人とも席に着くとかなでが話をし始めた。「諸君、聞いてくれ私は面白いことを授業中に思いついたんだ。」その話ている様子だけはゲンドウだったが、声はあいつそのものだった。西園寺はあいつのギャグに気づいて慌ててかなでの横に立とうとするが、かなでが突然立ち出したのでその試みは阻止された。「みんな!これから毎日一個面白いことを一日一人考えてそれを実行しましょう。そうしたら私の不服もきっと晴らすことができると思うんだよ。ねえ、どう?」かなでは興奮を隠せず俺の方へ顔を突き出す。その言葉を聞いた二人はあいつの部下なので、「わかりました。やりましょう」と声をハモらせて同意をしめした。俺はというと同意することしかできないようだった。なぜならあいつは、俺が微妙な顔をしているのを見ると、俺にわざと見えるように拳を力いっぱい握りしめていた。俺はさっきの微妙な顔を忘れさせるように真面目な声で「確かにいい案だな。」と言った。「弥もそう思う?」それに反射してかなでは握り潰していた拳を元に戻し、また自分の顔を前に突き出してその言葉を発した。俺もあいつ機嫌を悪くさせないために、反射で「思う。」と言った。かなではそれにさらに気分を良くし、会話をさらに弾ませた。「それでさ。この不服を晴らすのを部活目標にしましょう。なら、人の不服も解決できて、部活の存在意義につながるでしょ?」とかなでが決まっていなかった部活の目的についての話をする。俺の横では「素晴らしいです。人の鏡ですね。ヴェルム様。」西園寺が拍手をしながらかなでを褒め称える。平さんも西園寺に続いて拍手をする。その時俺は変な違和感襲われる。にあれ?何か引っかかるな。ってかなんでこの部活あるんだ?その前になんで俺部活なんて入ってるんだ?いや、かなでといっしょに作ったんだろ。ん?作った?いつだ?思い出せない。まさか。。。。。俺は自分の疑問をあいつに問い詰めた。「おい、お前。この部活申請してるか?あとお前、俺にに能力使っただろ?」おっとその前にこいつの能力を説明したいと思う。
能力、向こうの世界ではイデアと呼ばれるものであり、こちらの世界には存在しない特別な力。じゃあなんでこいつは使えるんだ?なんて思いもしたがそれはあいつが特別な存在だからだということで片付けた。話を戻そう。あいつの持っている能力はエルピスというものである。話すと長いし、難しいんでその力を簡単にいうと願えば叶っちゃうというチートみたいな能力だった。主に自分の肉体強化と相手を操ったりできるらしい。だが、かなでに言わせれば昔に比べたら弱いらしい。後、その能力には限界があり、規模が大きすぎるものは叶えることができないらしい。でも、俺はそれでも十分すぎるうと思う。話を戻そう。「おい、もう一度聞く。この部活いつ作った?俺は記憶にないんだが、頭でもおかしくなったんだろうか。俺の気が確かなら、お前俺に能力使っただろ?」俺はあいつの顔を見て自分の今の立ち位置を把握することができた。なぜってかなではまさに図星という顔をしていたからだ。俺はここからあいつにみっちりと説教してやろうかと思ったが、「いや違うのこれは、、、」とかなでが親に言い訳をするように言い訳をし始めた。でもその言葉は、扉がものすごい勢いで開いたことでかき消されてしまった。そこには先生がいた。俺とかなでは二人そろってあほズラで先生を見つめる。「おい、これはなんなんだ?」先生が空白の数秒を乗り越えて俺たちに話しかける。「何って部活よ。」なぜか強気になってかなでが先生に言い返す。その強気に押されて先生は下手に入ったのか、俺たちに頼みごとをするように訪ねてくる。「この部屋の鍵が2日前から無くなっていたんだ。もしかしたら、誰かが勝手に使っているのかと思ってな。様子を見てきたんだ。っでなんでお前たちはここにいるんだ?」その言葉を聞いて俺は全責任があるかなでに視線を向ける。するとそこにはものすごく気まづそうな顔があった。おい、やめろ。何か言え。このままじゃ俺たち連帯責任だぞ。後の二人はいいかもしれないが、この俺は被害者だ。おい、なんとかしろ。先生を能力で操れ。そうだ。そうしろ。しかしながら、かなでがした事はうまい言い訳でもなく、能力を使うことでもなかった。あいつは口笛を吹き始めた。その様子を見るに先生の態度は激変した。「おい、やっぱり勝手にこの部屋を使ってたんだな。さっき部活って言ってたな。ここの代表者は誰だ。」俺は因果応報って言葉を瞬時に思い出した。まさに今のかなでにふさわしい言葉だろう。俺はこれからの行いを改めて欲しいという願いも込め、「かなでです」と言おうとした時、かなでが俺に指を指していた。俺は自分の無罪を晴らそうと後ろを振り返り、彼らに助けを求めようとしたが、彼らもまた俺に指を指していた。それを見た先生は俺の手を持って「ちょっと来い。」とだけをいうと俺を生徒指導室まで連れて行きやがった。