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1章 伝説の始まり

「あぁ、ダルい」


 今は、緋月魔法学園の入学式である。


「(あの女、絶対に許さない)」


 虚は、ステージ上で話している女性を睨みつけている。


「〜これからの良い学園生活を心から願っておる」


 そう言うと彼女はステージから降りた。


輝夜かぐや 麗夢れむ学園長、素晴らしいスピーチありがとうございました」


 進行役であろう女子生徒がそう言うと拍手がなった。


「もういいや、寝よ」


 虚はそのまま下を向き闇の中へと沈んでいった。





「…おーい…十六夜君ー…」


 声がすると思い上を向くとそこには、天音がいた。


「どうしたの?天音姉?」


「どうしたじゃないよ、もう入学式終わったよ」


 そういわれて周りを見ると誰もいない。


「それより、学園長が呼んでたよ、十六夜君」


「寝てたのでそんなこと知りません」


「今、言いました。それじゃ、行くよ」


 そういわれて虚は強制的じしゅてきに学園長室に行った。





「やっと来たか、遅いぞ小童こわっぱ


「うるせぇ、あんたが無理やり編入させたせいで、こっちとらめちゃくそ忙しいんだよ」


「それはそれは、大変やの」


 麗夢はそう言うと、机の上のお茶を飲んだ。


「それでなんだよ、なんかあるのか?」


 虚は不機嫌に真ん中に置かれている椅子に座り、机に置かれたお茶を飲み始めた。


「うむ、この学園のシステムを紹介しときたくての、この学園はどの学年も共通で3()()()()に分けておる」


「何言ってんだ?2()()()()だろ?」


「うむ、確かに、2クラスしかないが、成績優秀者は、Sクラスに入れておる。Sクラスに入ったものは、卒業後直ぐに魔導師として最前線で活躍できる程じゃ。そして、自分で卒業するかしないかをも決めれるのじゃ。今のところは、Sクラスは2人しかおらん」


「へぇー、その2人にも会ってみたいな」


「いや、もう会っとるぞ、小童こわっぱ。ほれ後ろにいる」


「いや、後ろにいるのって………天音姉!?」


 虚は椅子から飛び上がった。


「それは勿論だろう。全てオールSなんじゃから」


「いやいや、そんなことより話の続き!」


 天音は照れながら言った。


「分かった分かった、それでこの、この学園には血の眷属ブラット ファミリアってモノがあっての…」


「知ってるよ。1人の学生が主となり、そいつの血を飲んだ奴がそいつの眷属となるんだろ?」


 虚は得意げに言った。


「おぉ、よく知っとるの。じゃが、少し足らん。その制度は、強制で、1人最低1人の眷属を持たんといけんのじゃ。そして、その眷属と主は学園生活を共に過ごすことになるのじゃ。卒業までの」


「おい待てよ。そしたら、学園内で2つに別れてしまうじゃねぇか」


「そうじゃ。そして、多くの眷属は2ndセカンド classクラスの生徒じゃ」


「なるほどな、そしたら俺も誰かの眷属にならんといけんのか」


「…!?」


 天音が少し驚いたように反応したが、虚と麗夢は気にせずに話を続けた。


「確かにそうじゃが、お主が眷属になると学園内の力関係が崩れていもう。じゃから、こうしよう」

 

 麗夢は、不敵な笑みを浮かべて、こういった。


「虚よ、お主が初めて2nd class での、主となるのじゃ。そして、最初の眷属は、そこにおる天音としよう。」


「はぁ!?天音姉が俺の眷属!?」


「そうじゃ。天音はこの学園でもアイドル的な存在じゃ。良かったの、アイドルと一緒に学園生活を遅れるぞ」


「そんなの天音姉が嫌に決まってんじゃん」


 虚はそう言ったあと、天音の方を見た。


「私は、別に嫌じゃないけど…///」


 珍しく天音が本気で照れている。


「まぁ、結局1人は眷属が必要なら、可愛いし強い天音姉でいいよ」


「か、可愛い…」


 後ろの方で湯気が上がった音がしたが、気にせずに虚は話を続けた。


「それじゃ、さっさと済ませますか」


 虚は、そう言うとテーブルに置いてあった果物ナイフを手に取り、指を切った。血が少しづつ滲み出てきている。


「天音姉、ちょっと近くに来てもらってもいい?」


 虚は、天音にそう言って近くにきてもらい、指から出ている血を口に含み、天音にキスをした。


「……っん!?」


 天音は何が起こったか理解出来ていなかったが口に当たった感触と、中に入ってくる鉄の味を感じて、自分がキスされていることに気づく。


「んっ…っ……ぁ…ん…っ」


 突然のキスに天音は戸惑いながら甘美な時に身を委ねた。


「んっ……これでいいか?」


 虚は、麗夢に確認をとった。


「うむ、大丈夫じゃ。それにしても濃厚であったそれよりも、ほれ」


 虚は、麗夢に指さされた場所を見るとそこには、腰が抜けてとろけている天音が座っていた。


「さっさと連れていかんか、小童」


「うるせぇ」


 虚はそう言うと天音を抱え、その場を後にした。





「(あれ、どうなったんだっけ。突然、十六夜君にキ、キ、キスされてから気を失って…)」


「起きた?天音姉?」


 覗き込むように虚は天音を見て言った。


「い、十六夜君!?なんで私はお姫様抱っこされているのかな?」


「あぁ、こっちの方がいいかなって思って」


「まぁ、嬉しいけど……じゃなくて!!なんで十六夜君が2nd classなの!?普通なら、1stファースト classクラスでしょ!?」


「それはね、編入試験の時に、そうなるようにしたんだ。テストも平均、魔法の方も平均にしたからだよ。まぁそんなことよりさっさと部屋に行こう、天音姉」


「う、うん。そういうことならいいけど」





「うわぁ、広いね。」


 豪華な飾りがついた椅子やテーブル。天蓋付きの大きなベット。そして台所や、10人は入れそうな風呂まで着いている部屋を見て虚はそう言った。


「ここ、天音姉1人で住んでたの?」


「えぇ、Sクラスになった時に学園長から貰ったの、ところで、十六夜君」


「なに?」


「用事があるって言ってたけど、もう済んだの?」


「あ、忘れてた」


「大丈夫なの?」


「いや、全然大丈夫じゃないかも。まぁ、明日になれば会えるからいいかな」


「そう、じゃ、い、い、一緒に寝ようか?」


「うーん、そうだね。ベット1つしかないし」





「じゃ、おやすみ」


「お、おやすみ、十六夜君」


 天音は、昼間のキスのことを思い出してドキドキしていた。


「(大丈夫かな、心臓の音聞こえてないかな)」


 こんなことがありながら、長い夜が明けた。





 台所から、包丁のキレの良い音が聞こえる。美味しそうな匂いに虚は目を覚ました。


「おはよう、天音姉。早いね」


「お、おはよう十六夜君。もうすぐ朝食出来るよ」


「(十六夜君が気になりすぎて一睡も出来なかったなんて言えない)」


「うぉ、美味そう。朝食には勿体ないな」


「そんなことないよ。それより、冷めないうちに食べて」


「それじゃー」


「「いただきます」」



「ふぅ、美味しかった」


「それじゃ、片付けも終わったし、そろそろ学校に行こうか、十六夜君」


「そうだね、それにあいつにも会えるといいな」


 虚は、会えるのを楽しみにしながら、学校へ向かった。


Shiki。です。お読み頂きありがとうございました。どういう物語にしていこうか悩んでいたら、遅くなってしまいました。多分これからも、投稿遅くなってしまいますがよろしくお願いします。

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