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プロローグ

 ――神話戦争ラグナロク――

 突如世界に現れた人類以外の種族と人類が、《アカシックレコード》を求めて戦った戦争。多大なる犠牲をだし、各種族の長達が締結を結び戦争は終わった。その戦争も今では種族間の小競り合いになっていた……


「…っ……だい……お……」

  遠くから声が聞こえる、何故こんなに聞こえないのだろう。そうだ、たしか鋭利な形をした光の柱に胸を刺されて…





  「………っ…!」

  目が覚めるとそこは真っ白な空間だった。白い天井、白い床、そして手から伸びる管…すると入口らしきところから軍服姿をしたチャラい男が入ってきた。

  「お、うつろ。目が覚めたか?親友である俺っちが見舞いに来たぞー」


 あぁ、こいつはーー


  「あぁ、お陰様でゆっくり寝れたよ、クライブ」


 クライブと呼ばれたチャラ男は、土産の品のリンゴの皮を器用にナイフで剥いていく。


「所で、あの後どうなったんだ?」


「あぁ、お前が貫かれてからあの女ーー」

 ((ドォーン!!))


 豪快な扉の破壊音と共に入ってきたのは、軍服姿の綺麗な金髪をした女の子だった。すると、クライブを壁に吹っ飛ばし、ハグのポーズで突っ込んできた。


「虚ーーーーーー!!」


 俺はとっさに身を起こした。すると女の子は綺麗に空中を舞い壁に衝突した。


「痛いじゃない、虚。私の愛を受け止めてくれないわけ!?」


「いや、身の危険を感じて…」


「何それ!私が破壊者みたいじゃない!」


「その通りだよ。この破壊邪女神」

 いつの間にか壁にくっついていたクライブがそう言った。


「あら、ゴミが壁にくっついてますね」


「あ?なんだと?」


「ゴミにゴミと言って何が悪いんです?」


 どちらも譲らずにバチバチと火花を散らしているこのままでは、この病室がなくなってしまう…


「まぁまぁ、クライブもリーシャもその辺でね」


「まぁ、虚が言うなら…」


 この照れているリーシャと呼ばれた可愛い破壊者は俺の同僚で仕事仲間である。もちろんクライブもだか。


「なんで、病室なのに扉が破壊されているんだ?」


「あ、天音あまねさん!」


 リーシャが天音と呼んだ美しい軍服姿の女性は、虚のいるベットにまっすぐ進み…


十六夜いざよい君。傷はもう癒えたのか?まだ、癒えてないなら私が夜通し看病するぞ」


「ダメですダメです!!虚は私が看病するんです!!」

 リーシャは慌てふためいていた。


「それよりも天音姉、どいてもらってもいいですか?」


「そーです、どいてください天音さん」


 すると天音は真剣な面持ちでーー


「まぁ、おふざけはここまでにして、なぜNo.1の君が傷を負ったんだ?」


 そう、この俺、十六夜いざよい うつろが所属している国家魔導師特殊部隊、通称『ZEXゼクス』。この部隊は、6人で構成されている部隊で、国家の秘密保持や、神話戦争の終戦をするために国が作った特務部隊だ。


「いや、それはーー」


 するとクライブが


「俺っちを庇ったんだよ。正体不明の何かに攻撃されてな」


 確かにあれは謎の種族だった…


「やはりですか、十六夜君がそう簡単に傷を負うとは思いませんでしたので」


 天音は安心したように言った。


「いや、俺っちそう言われると超悲しいんですけど!!」


「まぁ、No.5のクライブ君にはこれからみっちりと働いてもらいますよ、虚の分もね」


 すると天音はクライブを引きずりながら


「それでは、十六夜君、リーシャまた本部で」


「嘘だろ!助けてくれ!虚ーーー!」


 クライブの悲鳴が聞こえなくなり、やっと嵐がさり静かになった病室に残された俺とリーシャは、顔を見合わせ。


「それじゃ、本部に行くか」


「そうよね、虚の退院届は出しとくね」


「あぁ、頼んだー」





 病院から、モノレールを乗り継ぎやっとの事で着いたこの場所、ここは国家の機密などを厳重に保管するための基地であり、『ZEXゼクス』の本部であり、日本が守るべき最大の場所でもある。


「あぁ、久々の外であんなにモノレールに乗るとさすがに腰にくるな」


「行きますよ、虚。天音さんが待ってます」


 リーシャに急かされた俺はいやいや歩き出した。


 基地の中に入るとたくさんの軍人が忙しそうにロビーを縦横無尽に歩いている。その光景を片目に見ながら、中へと進んでいく。


「やっと来たわね、おそいよー、十六夜君」


「その割には天音姉は楽しそうですけどね」


「よし、十六夜君も戻ってきたことだし、ZEXゼクスの作戦会議を始めるよー」


 そう言って、天音は次々と作戦を練っていきあっという間に会議は終わった。



「ふぅ、疲れたー」


「お疲れ様です。天音さん」


 テーブルの上に注がれたばかりのほうじ茶が置かれた。


「ありがと、リーシャ」

 天音はそう言うと、ゆっくりとほうじ茶を飲み始めた。


「流石は、No.3のリーシャが入れただけあるわね」


「それほどでも……//」


 リーシャはそう言われて満更でもなさそうに照れていた。


「あ、もうこんな時間だー。学校に行くよー十六夜君」


「え、天音姉も一緒に登校するの?」


「何か用事があるの?」


「あるけど…それでもいい?」





 桜舞うこの季節、本土より少し離れた島にある、ここ緋月ひづき魔法学園は、魔法士を育成するための国が運営する総合施設である。ここの島には様々な国が運営する施設があり、学生は生活に困らないようになっている。そして、緋月ひづき魔法学園では、今日、入学式がおこなわれる。


「やっと、お会いできます、お兄様」

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