古代遺跡探索なう。
3ヶ月‥‥3ヶ月お待たせしましたッ!
私が戻ってきたッ!
誘拐事件から数時間後、人さらいどもを騎士団の詰所に投げ込み、ラグナロクとリムルは宿(ラグナロクのぶっ壊した所ではない)を取り、そこに泊まることにした。
流石に怒濤の一日で疲れ切った為、宿の女将さんに軽い夜食を作ってもらい、それぞれの部屋に早々と引っ込み、それぞれの眠りに就いた。
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作者から
ここのタイミングでラグナロクは、魂の記憶(8話参照)を見ることになる。
時系列がおかしいって?
ナニソレオイシイノー?(棒)(笑)
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ーー記憶後継者と認定。
ーー継承に伴い「人口光子解析体」機体名『シャロン』を配備。
ーー機体名『シャロン』に指令
==『以後無期限の対象を監視』
==『監視対象の思考補助』
==『具現化の禁止』
==『緊急時の具現化の許可』
ーー以上
日が昇る。小鳥がさえずり、どこからか美味しそうな匂いが漂ってくる。
「ーーぁ、あ?」
目が覚めたラグナロクは、自らの頰に水滴‥‥涙が付くことに気がついた。
とりあえず備え付けの水差しからコップに水を注ぎ、一気に飲み干す。
頭の中が整理され、記憶が鮮明になってくる。
ソージという人物が地球という星に住んでいたということ。
ロリッ娘神様のシグルーンが神の住む世界に連れてきてあれこれあったこと。
戦略兵器級電磁加速砲 オルカン(神器)(笑)を渡されたりしていたこと。
‥‥‥etc.
「なんだ?誰の記憶なんだ?少なくとも、俺の記憶じゃないのは確かだし‥‥。まるで‥‥まるで俺がソージだったみたいじゃないか‥」
ーー記憶を解析‥開始‥‥解析中‥‥
ーー完了‥‥可能性を展開‥‥
一、過去に捕食した人物がソージ
可能性としては低い。夢の中でのソージはレールガンを持っていて攻撃力は申し分ない。スライムごときに食われはしないだろう。
二、前世もしくは過去の人生がソージ。
これがいちばん可能性が大きい。
前世の記憶が残ってましたなんて話はよく聞くし、銃器の類も前世からのものと推測。
三つ、何かしらの影響で記憶が入ってきた。
なぜに?〝何かしら〟ってなに?
etc‥
「うーん‥確かめる方法もないしなー、うん!放置!」
堂々と放置宣言をしたラグナロクは、
動き始めた街を眺めながらの朝食にありつくのだった。
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朝食後、部屋に戻った二人は、なんとなく話す話題がなかったため、なんとなく黙り込んでしまった。
そこで、ラグナロクが切り出すことにした。
「さてさてリムル君、ここがどこか分かるかね?」
「何処って‥‥アウタールでしょ?
鉱山都市アウタール」
「そうだ。続いて、ここでは何が採れる?」
「何って‥‥鉱石?」
「そうだ。その鉱石を採掘し、新兵器を作る計画を立てているのだが‥‥どうかね?」
「いや、どうかねって‥‥」
「俺は、鉱山へ行き特徴的な鉱石でも採ってこようと思う。リムルも来るか?」
「‥‥‥、じゃあ‥‥行こうかしら?」
「いや、疑問系で言われても‥‥」
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そんなこんなでしばらく。
ラグナロク達は鉱山のかなり深いところにいた。
‥‥‥腹に据える音を立てながら
立ちはだかる壁は魔石爆弾で爆破、その後にラグナロクの錬成で必要な鉱石とそうでないと鉱石を分別、というなんとも大雑把なやり方である。
それでも落盤しないのは、果たして運か実力か。
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それを繰り返す事(地上から)300メートルほど。
錬成を続けているラグナロクは、進行方向に広めの空間があることに気づいた。
「リムル、前方にそこそこの空間。生体反応なし。動体反応なし。だけど、その空間の形‥‥なんとなく人工的な感じかする。どうする?」
「空間?とりあえず掘ってみれば?」
「そだね」
そう言いつつ掘り進めること少し。
《侵入者を感知。排除シークエンスを実行》
「うん?」
そんな声とともに六つの魔法陣が現れた。
等間隔に円を描きながら並ぶ魔法陣は、まるで一つの円盤であるかのように回転を始める。
ーー警告!空間に熱源、並びに動体反応!即座の回避推奨!
「‥‥!、リムル!攻撃が来るぞ!回避しろ!」
いろいろヘマをやらかしたリムルとはいえ、その本質は迷宮攻略者。一歩先の死など嫌と言うほど知っている。
ラグナロクは、今まで採掘してきた鉱物の中から硬いものを選んで圧縮錬成してタワーシールドを生成、唸る前方の魔法陣に向けて構えた。
その魔法陣は徐々に速度を上げていき、やがてキィィィィイイイイイいう音を響かせてくる。
次の瞬間
ドルヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴ、と腹に響く音を立てて鉛の礫を放ってくる。しかし、その攻撃は個々の魔法陣が行える規模ではない。
ーー攻撃を解析中‥‥完了。解析結果の報告。
ーー結果、転送型のゲートを通した物理兵器の攻撃。
ーー対策、魔法陣の破壊、又は攻撃中の物理兵器のはか
パキャキャキャキャキャキャン!
ーーい‥‥対策完了。
ラグナロクはスライム、故に物理的攻撃は一切効かない。スライム形態となり魔法陣まで歩いて行き、銃で魔法陣を破壊したのだった。
ま、普通の冒険者ではまずここへたどり着けないし、もし仮にたどり着けたとしても、先程の攻撃で美味しいミンチになっていただろう‥。
つまり?ラグナロク達が強すぎるんだよねってこと。
「あっぶねー。警告受けてなけりゃ今頃ハチの巣だ。殺気度タケェなぁ、おい」
「何言ってるのよ、ラグナロク貴方、ハチの巣よ」
よくよく見ればラグナロクのスライムボディーには、ハチの巣の如く、銃弾が刺さっていた。
「あはは‥‥えいっ」
掛け声一つで落ちる弾丸って一体‥‥
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再度のトラップ襲来に備えつつ、そのまま前進したラグナロクは、今まで掘ってきた石とは違う、金属のような壁に当たった。そう、まるで要塞の外壁のような‥‥。
「リムル、この先何があるかわからない。それでも行くか?」
「行くわ」
「およ?断言で?」
リムル曰く、ここで止めてしまうのはもったいない。せめて壁の向こうを目で見ないと。それから引き返しても遅くない、とのこと。
「では、いきますか。【錬成】!」
グニャリ、と眼前の壁は歪められ、人一人分の通れる穴が空いた。
ラグナロクは一つの つや消し《マット》に仕上げられた15センチほどの黒い筒を取り出し、それを銃に接合した。
これは【記憶】にあった、フラッシュライトと呼ばれる超高光度LEDを使った、非常に明るいライトである。
異世界産フラッシュライトは、長きにわたり問題だった重量を、本体の軽量化、並びに電池の小型化によって。
電池容量問題は、そもそも本体を魔力電池にすることにより容量アップ、出力の向上を実現した。
閑話休題
接合し終えた次は探査だ。またトラップがないとも限らないので、念入りに 確認しながら進んでいく。
「やっぱりここは人工的な建造物ね」
「そうだね。反応からしてこの先に大きな部屋がある。そこに行ってみようと思う」
ラグナロクの開けた穴は金属質の壁で作られた通路だった。
通路の中には所々にコンソールのようなものがあり、しかしどれも機能していなかった。
さらに進むとT字路があり、そこには所々が虫に食われて読めないが地図があった。
「えーと?自分たちは今、この空間の端っこの方にいて‥‥読めない‥」
そう、この地図、読めない字で書いてあるのだ。しかし!しかしだ!ここには解析体のシャロンさんがいらっしゃるッ!
ーー‥‥解析開始
ーー結果開示まで420秒
ーー解析完了までの周囲警戒推奨
〜420秒後〜
ーー解析完了
ーーこのT字路を左、突き当たりを右へ、その後右、右左左。
ーー固有名「中央司令室」に到着
ーーこのT字路を右で固有名「倉庫」に到着。
あらま優秀なナビな事で。
ーーお褒めに預かり光栄です。
どーも碧です。
遅れてしまいまし‥‥‥
今年もよろしくお願いたッ!
あと、シャロンさん、ええ子やなぁ。