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顧問とフィギュアとゲーム性

渡辺雪「で?完成は?」


流石の私ももう待てないよ!


茨城優子「・・・いま、プログラム自体完成はしてる、けどバグが多い、シナリオの誤字や無限ループに絵の修正、挙げたらキリない。」

友部夏美「まだ絵の修正あんのー?」


気がつけば6月、都会のコンクリートジャングルで溶けそうだ・・・


渡辺雪「先にPCがダメになりそうだね・・・」

茨城優子「先生のお下がりの年代物だ、いつ飛んでもおかしくない。」

友部夏美「ぬー!部費もないし、新しいPCとエアコンが欲しい!」


それには満場一致だ。


美野原大地「ちーす、お前ら今日もヲタクライフしてるかー?」


渡辺雪「あ、大地だ。」

茨城優子「また暑苦しいのが・・・」

友部夏美「大地ー新しいPCとエアコンとアイス買って来てー!」


美野原大地「お前ら、いい加減先生ぐらい付けろ!つーか俺だって金がねぇよ!」


このいかにもDQNぽい言動と上下ジャージ男、美野原大地。


一応顧問ではあるが・・・


美野原大地「それよか見てくれよ、このフィギュア!最高だろ!」


部員一同「うわーステキですねー」


完全棒読み。


美野原大地「お、お前ら!ヲタクの癖してフィギュアに無関心かよ!」

渡辺雪「いや流石に魔法少女は・・・しかも夜アニのコアな奴ですよね?」

茨城優子「はぁ、目が腐る。」


ひでぇ!


友部夏美「まぁ私はグッズとか集めてるけどフィギュアって1番邪魔になるんだよねー」


なぬ?


渡辺雪「わかるわかる、机に飾ると邪魔だし、かと言って本棚開けるのも大変だし。」

茨城優子「集め過ぎても掃除に違うバージョン、違うポーズ、違う会社で微妙に違うし。」

友部夏美「それにフィギュアよりアニメのが動くからなー」


こ、コイツら!


美野原大地「バカモンが!フィギュアにはな!ロマンと美しさとゲーム性が詰まってるんだぞ!」


部員一同「へ?ゲーム性!」


く、食い付くのそこー?


友部夏美「大地ー、あんた適当吹いてんじゃないの?」

茨城優子「フィギュアにゲーム性って。」

美野原大地「いやいや!フィギュアにはゲーム性の宝庫だぞ!」


アカン!引き下がれん!


渡辺雪「ふむふむ、フィギュアのゲーム性っと・・・」

美野原大地「おい、雪よ、なぜホワイトボードに書いている。」

渡辺雪「証拠です!」


しょーこ?


渡辺雪「はい、議論です、先生と名を持つなら嘘は良くないですよね?」

美野原大地「あ、あぁ!その通りだ!」

渡辺雪「よろしい、ならば議論だ!」


えぇ・・・話し見えね。


渡辺雪「で、私達が納得しないなら新しいPCとエアコンを買って貰います。」

茨城優子「あら、それはいい提案。」

友部夏美「あーい!決定!それじゃ大地よろしくー」


美野原大地「ちょっとまて待て!なんだその提案!」

友部夏美「なんだよ、今更逃げんのかよ!」

茨城優子「見た目と言動の割には漢らしくないですね。」

渡辺雪「大地の!かなりいい所見てみたい!」


大地ー! 大地ー! 大地ー!


一斉の大地コール・・・悪くない!


美野原大地「よーしいいだろ!フィギュアのゲーム性について話してやる!」


おいそこ!なんだそのガッツポーズは!


美野原大地「ん、ん!まず、フィギュアってのはな、色んな種類のものがある。」


挙手はなしか、ヨシヨシ。


一応顧問だ、コイツらのルールに則るか。


美野原大地「俺が持つこのフィギュアはアクションフィギュアって奴だ。」

渡辺雪「アクションフィギュア?」

茨城優子「単純に動かせる事ができるフィギュアの事。」


友部夏美「最近多いよな!フルアクションフィギュアとか!」

美野原大地「おー、流石に興味無くてもある程度は知ってるな。」


流石はヲタクJK共め。


美野原大地「種類の話に戻るが、例えばそうだな・・・消しゴム型のフィギュア、これ実は自販機フィギュアって名前がちゃんとあるんだぜ!」

渡辺雪「えー!嘘!ただのおもちゃとか消しゴムじゃないの?」


美野原大地「一応定義の話な、後はお前らが知ってそうな食玩フィギュアやプライスフィギュア。」

茨城優子「お菓子のおまけとゲームセンター?」


はっ!と、気づく三人。


美野原大地「そう、プライスフィギュアなんかはゲームセンターじゃなきゃ無い物や、食玩フィギュアなんてのは昔は何が出るかわからないやつとかで運ゲーだったんだぞ!」


※今もそういったランダム性がある食玩もありますが、販売してる物にはあらかじめ何が入っているかなど「ダブり」が発生しないような計らいがされています、有難いですね!


美野原大地「ゲーセンの景品にしてもそうだ、取れた時の嬉しさなんかゲームクリアと同じぐらいの達成感があるだろ!」

渡辺雪「うーん?そうかな?」

友部夏美「私はなんとなーくわからんでも無いかな。」


よしよし、夏美はチョロいな。


茨城優子「けどそれはフィギュアを取るまでの過程であってフィギュア自体のゲーム性じゃないんですか?」

友部夏美「あー!たしかに!あぶねー騙される所だった!」


夏美の目が再び鋭くなった、優子め、余計な事を・・・


美野原大地「ではフィギュアを使ってでのゲーム性だ、これを見ろ!」


箱から複数の駒を出す。


渡辺雪「ん?何これ?駒?」

美野原大地「これもフィギュアだ!」

友部夏美「嘘乙!」


本当だよ!


茨城優子「メタルフィギュアですか?」

美野原大地「流石レトロゲーム好き、そうこれはテーブルゲームとかに使う駒、海外ではよく見るんだけど日本だと駒っていい方が普通だな。」

渡辺雪「フィギュアって感覚は無いのは確かだった・・・」


お、流石に知らない方が多いな。


美野原大地「メタルフィギュアって名前通り合金が使用されてる、もちろん加工しやすいやつな!」

友部夏美「へー、ボードゲームのやつもフィギュアだったんた・・・」

渡辺雪「知らなかった。」

茨城優子「勉強になるわね。」


美野原大地「他にもさっきの消しゴム型のフィギュアで車型の奴とかをボールペンの押す所で飛ばして距離を競う遊びもあるんだぜ!」


どーだ!ゲーム性あるだろぉー!


渡辺雪「なるほど、フィギュアとゲーム性、確かに少しありますね。」

美野原大地「だろ!ほらー!」

友部夏美「むむむ、これは私達が無知なだけだったか。」


夏美まで・・・先生わかってくれて嬉しいよ!


美野原大地「じゃ、俺はもう職員室戻るから・・・」

渡辺雪「ちょいまち大地!」

美野原大地「なんだよ、納得しただろうが!」


友部夏美「確かに納得したよ、私と雪はね!」

美野原大地「な、まさかお前ら!」

茨城優子「大地せんせー 私今の情報全部知ってまーす。」


なにー! 嘘だろ優子!


渡辺雪「いやー残念だね大地、うちの優子が納得されてないようで!」

友部夏美「話は面白かったよ!じゃ新しいPCとエアコンよろしくねー!」

美野原大地「おいおい!嘘だろ!」


茨城優子「先生、生徒との約束破るんですか?」

美野原大地「ぐぬぬ、今月ピンチなんだ、フィギュア買ったからピンチで・・・」

渡辺雪「フィギュアに泣かされてるじゃん。」


次の週に約束通り新しいPCとエアコンが設置されていたのでした。


干からびかけた大地もおまけ付きで。

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