ゲームへの探究心
渡辺雪「新入部員が入ってこない!」
友部夏美「うわ!なに急に・・・」
茨城優子「たしかに、もう5月ね・・・」
私達もう2年だよ!
茨城優子「このゲームも新入生歓迎会で間に合わなかったし。」
友部夏美「だねーやっぱり1月から作り始めてだから間に合わないよ!」
結果、今あるゲーム・・・主にレトロなゲームを展示及び遊戯させたが。
〜歓迎会〜
新入生「えっ?なにこれ?」
新入生「ゲームオーバーになったんだけど・・・」
〜歓迎会終わり〜
茨城優子「あのゲームなら男子生徒が食いつくと思ったんだけど・・・」
友部夏美「コア過ぎんだよあのゲームは!私だってクリアできねぇし!」
渡辺雪「ハードも私達が生まれる前のですからね。」
そう、優子こと茨城優子は・・・
茨城優子「あら、私に言わせたら難易度低いゲームよ?」
レトロゲー&難易度高めゲーが大好物な女子高生だ。
友部夏美「そもそも昔のゲームはちょいちょい理不尽なんだよなぁ〜」
渡辺雪「あ、わかります!RPGとかいきなりスタートしますよね?」
レトロゲーム、いや 昔のゲーム容量の問題もあるのだろうが、あの箱物ハードとカセットの記憶媒体としては当時は破格だったのかもしれない、値段は置いといて・・・
茨城優子「そうね、今でこそ説明書やチュートリアルがあってそれこそ簡単なゲームはいっぱいあるわね。」
友部夏美「だろ?私は別にそういうの見ないけどさ!」
えぇ・・・
茨城優子「んっん!話を戻すけどそう言ったスタートから躓くってのがよくわからないのよね、だって今みたいにいっぱいボタンがあるわけじゃないしある程度最初の所でボタン押せばわかるじゃない?」
渡辺雪「そうだね、RPGとかシミレーションは置いといてアクションゲームやレースゲームとかは大体わかるよね。」
友部夏美「んでも操作わかったってどう進めるかわからないと意味なくね?」
茨城優子「それを何度挑戦するのが楽しいんじゃない、それでいて一発目でクリアしたら気持ちんじゃない。」
渡辺雪「わかるよ!何通りありそうな選択肢や道を適当にやって成功するとなんか嬉しいよね!」
友部夏美「引き返そうにも後戻り出来なくて詰むパターンとかな!」
茨城優子「進んでもクリアできるけど遠回りで難しいステージとか。」
渡辺雪「最終的に一度ゲームオーバーになった方が速いとかね。」
茨城優子「そういう試行錯誤を繰り返しやって友達と共有するのが楽しいって父も言ってたわ。」
友部夏美「そーいえばオヤジさんがレトロゲーム好きだもんなー」
渡辺雪「この前遊んだねー 半分以上できなかったけど・・・」
友部夏美「やっぱそういうのイキナリやらせても普段やってない奴は無理だよなー」
渡辺雪「操作がわかっても進行具合ってどのゲームも少し違うしね、この前なんて・・・」
今ではインターネットで探せば攻略情報など幾らでも出てくる、便利な世の中だけどゲームで人と競い合う事がなくなった。
いや、ゲームセンターやスマフォゲームなら対戦と言う形で競い合う事はできるけど家庭ゲームの「攻略」と言う手探りで先が見えない探究心と言うものが今では難しい、それがわかってくれるゲーム友達が出来るといいなってお父さん言ってたっけ。
友部夏美「ははは!そりゃーひでーな!」
渡辺雪「でしょ!あのシューティングゲームのCPUってあり得ない動きするんだよ!イカみたいに!」
渡辺雪はイカみたいな動きをした。
茨城優子「フッ・・・」
あっ。
渡辺雪「今優子が笑った!イカみたいって言ったら笑った!」
友部夏美「今月に入って一回目のスマイルだな。」
茨城優子「いいえ、笑ってないわ」
お父さん・・・
友部夏美「いーや絶対笑ったよ!」
渡辺雪「優子ーそれわ無理あるよ!」
茨城優子「・・・」
お父さん、探究心が難しいって、そんな友達作れって言ってたっけ。
茨城優子「そのゲーム、一定のパターンになっているのよ。」
渡辺雪「えっ!まじ!けど、こーんな動きからこーんな動きになったよ!」
友部夏美「ぶふっ!なんだよそれー!」
フッフッ・・・
少女は口を抑える、恐らく渡辺雪の動きもあるのだろう、けど彼女の中には確かに違う笑みがある。
渡辺雪「ほら!やっぱり笑った!」
茨城優子「笑ってない。」
友部夏美「ほーん?なれば実力行使だ!」
2人の友達は私を捕まえ無理矢理くすぐる。
茨城優子「ちょ!やめなさい、貴女達!」
渡辺雪「優子が笑いましたって言うまで離さない!絶対にだ!」
なんの覚悟よ!まったく・・・
友部夏美「ほーれ!笑わんか!笑わんか!」
茨城優子「わ、わかったわよ!笑ったから!離しなさい!」
今ではわかる事がある、きっと探究心って難しい事なんだなって。
慣れや経験が沢山ある世界で新しく探す事って凄く難しい事なんだと思う。
だけどね・・・
お父さん、探究心ある友達、今ではいるよ!