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桔梗紋  作者: 翠泉
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稲葉山城にて道三と会う

 天文16年(1447年)の8月。

 真夏のこんなにも暑い日に馬に乗って長い道のりを歩いていた。

 とにかく暑い……

 この時代には電気がないのでエアコンや扇風機などはもちろんない。

 だからといって城の中と外ではやはり違う!

 比べられない程に外は暑すぎる。

 水が底をつきかけていたがとうとう城が見えてきた。

 美濃国で一番大きい城である稲葉山城だ。


 何故このような場所にきているかというと斎藤道三から手紙がきたのである。

 内容はしっかりと書かれていなかったがなるべく早く城へと来てくれとあったので、次期当主である自分がやってきた訳である。

 面倒臭いし、暑いからゴロゴロしていたいというのが本音である。

 早く終わらないかな……


 「よう来たな、十兵衛よ。大きくなったのぉ」

 「お久しぶりです道三様。ご壮健のようでなによりです」

と言ったはいいものの転生した自分は初対面なので思い出などは語れない……

 「早速本題なのだが大桑城を攻めようと思うておる」

 そうかそうか、わざわざそんなことを……

 それって戦を始めるということですか?

 待って下さい、非常にまずいよ……

 「ちなみに大桑城の城主は知っておるな?」

 もちろん!(知りません)

 「土岐頼純(ときよりずみ)なのだが困ったことがあるのだ……」

 「それは一体なんでしょう?」

 名前を聞く限り困ったことはないと思うが……

 まぁ元主君の城を攻めるという事にはなるが。


 「あやつの妻は我が娘の濃姫(のうひめ)なのだ……」

 濃姫……濃姫ってあの信長の妻になる人ですよね!

 「このまま城を攻めようとしたら濃姫がどうなるか分からぬ……」

 親というものは自分の娘をやはり見捨てれないものである。

 「厄介なことに朝倉勢と織田勢が頼純に加担して美濃を狙っておるのだ!」

 「それは良くない状況ですね……」

 なぜかというと朝倉勢と織田勢が入ってくると兵力は圧倒的にとまではいかないが不利であるのは確かだ。


 「朝倉勢と織田勢はまだ準備に時間がかかるであろうから根源である頼純を素早く倒そうと思うのだ」

 それはよく分かったがなぜ自分に話をしたのだろう?

 「なので先陣をきって濃姫を救出してくれ!お前の叔母でもあるからやってくれるな?」

 断れない……

 選択肢はイエスかはいしか残されていなかった。

 とてもできそうにない無理難題を押し付けられて城を後にしたのである。


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