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桔梗紋  作者: 翠泉
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火縄銃

 こちらに来てからもう随分と日がたち慣れてきているのではあるが……

 文字の読み書きはできるようになってきたが一向に剣や弓の腕は上がらない。

 なのに弟分の左馬助はどんどんと成長しているのである。

 非常にまずい……

 武芸が駄目なら文化人として生きるか!

とも考えたが教養が全くないので難しいかな。

 堅苦しそうで厳しそうだし……


数日後


 「十兵衛様、少し来てくれませんか?」

と慌てた様子で左馬助が入ってきた。

 「朝から騒がしいぞ左馬助!何があった?」

 「光安様が火縄銃を買ってきたそうですぞ!」

 そう言えばこの時代で火縄銃が伝来したって聞いたことがある。

 どんなものかはあまり知らないけどね。


 話を聞けば面白そうなものを見つけたから叔父上がプレゼントとして買ってくれたそうだ。

 「暴発すると危ないから取り扱いには気をつけるのだぞ」

 「ありがとうございます、叔父上!」

 「左馬助、今から遊びに行こうぞ!」

 正直に言って憧れてもいたので興奮していた。


 広大な庭には弓を射るための的が置かれている。

 「あの的目掛けて撃てばいいかな」

 試し撃ちしたくて仕方がない。

 およそ50メートル程の距離をとった。

 準備をして縄に火をつけると少しづつ縄が短くなっていく。

 ドォーンととてつもなく重くずっしりと響く音がなった。

 自分もビックリしたが左馬助も驚いていた。

 だが弾は的には当たらず20メートル横の木に直撃していた。


 「凄いですね!十兵衛様!」

 「たしかにこの銃は扱うのは難しそうだな……」

 何故かというと先ず準備に時間がかかってしまう。

 さらに距離が離れるほど真っ直ぐに飛ばないため狙いが定めにくいのである。

 「合戦では使いにくいかな?」

 だが上手く戦術に組み込めれば強みになるかもしれないと思った。

 「さぁ左馬助も一緒に撃とうではないか」


 数刻ほど撃って感じた感想だが自分がこれまで使ってきた武器の中で一番合っていると思った。

 50メートルの距離なら高確率で的の真ん中を撃ち抜けるようになっていた。

 武芸に長けている左馬助でも真ん中に当たる回数は数える程であった。

 自分にも他の人に負けない武器がある!

 自信を得た自分は夜が更けるまで撃ち続けた。

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