早すぎた終結
「道三の首を討ち取りました!」
源太は誇らしげに本陣に戻ってきた。
これでこの戦も終わったようだな……
「今すぐ首実験を行え!」
念のため道三の首かどうかを確認しておこう。
「義龍様、織田の軍勢が近くまで来ておりますが、如何いたしましょう?」
道三を助けに来たようだが、少しばかり遅かったようだな。
外敵は少しでも減らした方が良いな。
「首実験が終わり次第出るぞ!信長の首を取れ!」
首は取れなくとも打撃は与ておくか。
「今はどのような状況だ?」
明智の軍勢は明らかに士気が下がっているのがわかる。
相手は五千の軍勢である。
たかが九百もいない軍勢で勝てるかといえば、無理だとわかっている。
「敵軍に攻める意思はなく、小競り合いが続いています!」
左馬助は淡々と現状を答えた。
明らかに時間稼ぎを目的としている。
この兵力差なら城を落とせるはずなのに……
「敵の軍勢が撤退を始めました!」
見張りを続けていた兵が伝令にやってきた。
何故、撤退を始めたのだ?
しかも、戦が始まってほとんど日も経っていないぞ!
「伝令!伝令!」
血にまみれた兵が勢いよく部屋に入ってきた。
「どうしたのだ?」
ここにいる明智の軍勢は薄々気づいていた。
自分はただ認めたくなかっただけなのだろう……
「道三様が討ち取られました……我々は負けました……」
やはりそうだったか……
あまりにも早い終結だった。
自分達は何も出来ないまま戦は終わったのだ……
「義龍様、見事な勝利でございました!」
織田の軍勢を潰すことはできなかったが、打撃を与えることはできた。
一応は大勝利と言えるのではなかろうか?
「美濃にはまだ問題が山積している。それを一つ一つ取り除かなくてはならん」
しかし、まだ問題の一つを解決したに過ぎん!
この先まだまだ難題は残っているのだ。
だが、真っ先にしなければならないことがある!
「先ずは逆らった不穏分子どもを根絶やしにせよ!」




