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桔梗紋  作者: 翠泉
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大軍勢

 「申し上げます!長井道利(ながいみちとし)を大将とするおよそ五千の大群が城下まで迫っております!」

 予想してはいたが、本当に厳しい戦いだ……

 過去にも、ここまで圧倒的なまでの差がある戦はしたことがない。

 

 「こうなれば我らも時間の問題だな……」

 しまった!口に出してしまった。

 「これは仕方がないな……道三様たちよりも早く落城するかもしれぬ」

 そう言ったのは叔父の光安だった。

 怒鳴られると思ったが叔父も分かっているのだろう。

 完全な負け戦になることを……


 「分かってはおったのだ。こうなることは……過去ばかりを振り返り、未来を見てみぬふりした儂のせいだ……」

 いつにもなく叔父上は弱気であった。

 実際はそうかもしれぬが、こうなってしまっては、今更仕方がない!


 「まだ負けたわけではありませんよ!」

 頭では自分が良くわかっている!

 しかし、

「このまま終わっても良いのですか?我々は何故、道三様の味方をしたのですか?まだ恩は返せていないですよ!」

 ただ負けていくだけなんて許せない!

 自分達にはやれることがあるはずだ。

 

 「最期まで抗ってみせましょうよ……」

 五千の相手におよそ九百。

 援軍も期待できない状況……

 それでも本陣で戦っている同士のためにも!


 「徹底的に籠城する!皆の者、長期戦になるが頑張ってくれ!」

 強大な敵を前に、我々の士気は上がった。

 今、籠城戦の幕が上がる。

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