これからの美濃
久し振りに長山城に戻ると相も変わらず騒がしかった。
活気があるのは良いことなんだけどね……
「父上!」
そう言いながら飛びついてきたのは長女の綾子であった。
今は伸び盛りでもあるし凄くやんちゃだ。
「おかえりなさいませ」
と出迎えてくれたのは煕子だった。
「ただいま」
やっぱり家族は良いものだな!
その煕子の足元に引っついて離れない女の子がいた。
この子は自分の娘で次女の倫子だ。
倫子は人見知りのきらいはあるが問題はないかな?
自分の子供というのは本当に可愛いものだ。
目に入れても痛くは……
「えいっ」
また飛びついてきたの綾子の指が自分の目に突き刺さった。
やっぱり痛いな……涙が止まらん。
娘が二人でも十分嬉しいのだが跡取りとなる息子が欲しいな。
道三様のところみたいに血が繋がっていないというのも、この時代では普通に有り得るが何だか嫌だな……
まぁ今はまだ考えることではないな。
「戻ったか、十兵衛」
叔父上に呼ばれたので部屋にきていた。
「はい、此度の戦は勝ちましたが同じ国の者同士というのは……」
彼等にとっては大切なことだったかもしれないが内戦など損害でしかないし、精神的にも中々にくる……
「そうだな……」
叔父上も寂しそうに俯いた。
「一応は美濃国は平定それましたがいつ謀反が起こってもおかしくはありません」
成り上がりで国を取った人物なので身内の中にも快く思ってない人がいる。
「それは対策を取らねばならぬな」
叔父上は少し重い息をついた。
「道三様が隠居を考えているそうです」
隠居すれば息子の義龍様が当主になる。
義龍様が実は頼芸の息子であると知っている人は美濃国内では割と居るらしいので現状では道三様は支持を得にくい。
それなら隠居して人気のある義龍様に家督を譲って裏から政治を仕切るという算段であろう。
「現在の状況ではそれが一番良いか……」
叔父上は道三様の隠居に納得していない様子であった。
「どうかされましたか?」
「道三様が逃げているようで個人的には納得できんな。美濃の国主としての責務をしっかりと果たしてもらいたい……」
それは自分も思ったが綺麗事だけでは国が纏まらないから仕方がない。
この決断も国の為ならば一つの手段であると自分は考える。
まぁ一介の家臣がどうこうできる問題ではないなと胸中で思った……




