跡取り
戦は終わり揖斐城には火を放った。
「これで終わったか……」
道三様は悲しい表情を浮かべていた。
「そうじゃ十兵衛」
急に名前を呼ばれたのでびっくりした。
「儂はそろそろ隠居しようと思っておる」
あの蝮の道三が隠居だと?いつもの冗談でも言ってるのかな。
「最近は年をとったことを痛感しておる……どれだけ高名な人物でも年には勝てぬ……」
そういうものなのか……自分にはわからないことだが。
「後釜には義龍をと思っておるのだが、少々悩んでおってな……」
「何か困るようなことがあるのですか?」
あまり義龍様のことは知らないから何とも言えない。
「あいつは身長がでかいのは良いが大人しすぎるのだ。美徳かも知れぬが上に立つものの器とは言えぬ……その他の能力も凡庸であるし……」
親だから厳しい目で見ているだけかも知れないが将来が不安だな。
「道三様の息子ですし大丈夫だと思いますよ」
成り上がってきた蝮の息子の血を受け継いでいるのだから心配はいらない。と思う……
「それが儂と義龍は血が繋がっていないのだ」
えっ?本当に?
「では義龍は誰の子何ですか?」
とても気になるんだけど……
「あいつは頼芸の息子だ。義龍はまだ知らんがな……」
あの頼芸のか……このことを義龍が知ったら道三様を殺そうとするかもしれない……
親の仇になるわけだし。
身内に爆弾を抱えているようなものではないか……
「誰を跡継ぎにすれば良いかのぅ」
これは自分の手には余る。
どうこう言える問題ではない……
「これは道三様が決めた方が良いです。一部下が口をだせるものではございませぬ」
また一つ問題ができたな……




